高校最初の夏休み。
外では蝉が鳴いている、 じめじめとしたある日の午前…。 中学校からの親友であるマナミと、美嘉の家で遊んでいた。
♪プルルルルル♪
美嘉
マナミ〜ごめん!! 電話出てもいい??
マナミ
いいよん♪
美嘉
(え、誰だろ。知らない番号…。)
マナミ
出ないの?!
美嘉
…やめとく。知らない番号とか嫌だしっ!!
バッ
美嘉
えっ、ちょっ…
マナミ
『もしも〜し? 私美嘉の友人です。
はい、あっ美嘉ですか? 今替わりまーす!』
はい、あっ美嘉ですか? 今替わりまーす!』
マナミ
高校の友達だって。変な人じゃなかったよ!
美嘉
(…仕方ない、こうなったら電話に出るしかない。)
美嘉
『…もしもし??』
ノゾム
『もっし〜俺! ノゾム君だよ〜ん♪
美嘉ちん俺の事避けるしな〜ひでぇな!俺、泣いちゃうよ〜』
美嘉ちん俺の事避けるしな〜ひでぇな!俺、泣いちゃうよ〜』
美嘉
(ゲッッ!!…ノゾムだ。)
美嘉
『何??』
ノゾム
『またまたぁ〜美嘉ちんは冷たいなぁ!俺、何かしたしてないよね〜!
ヒャハハハハ』
ヒャハハハハ』
ノゾム
『俺PHS止められちゃって〜参った!
今〜弘樹って奴の家から電話かけてんだよね!頭良くない?今からそいつに替わりま〜す!』
今〜弘樹って奴の家から電話かけてんだよね!頭良くない?今からそいつに替わりま〜す!』
美嘉
『え…ちょっと待っ…』
美嘉
『えっ……もしもし』
桜井弘樹
『俺ノゾムのダチの桜井弘樹。
あいつ今かなり酔ってるみたいで
ごめんな?』
あいつ今かなり酔ってるみたいで
ごめんな?』
美嘉
『大丈夫だけど…ってか弘樹君だっけ?? 家から電話して大丈夫なの??
怒られない??』
怒られない??』
ヒロ
『つーかヒロでいいから!
PHSの番号聞いていいか?俺からかけ直す』
PHSの番号聞いていいか?俺からかけ直す』
そしてお互いの番号を交換した。 これがヒロとの出会いだった。
桜井弘樹…。