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蘭side
廊下には既に威榴真達が揃っていて 手乗り扇風機で遊んでいた。
春緑すち
口では殊勝なことを言って 見せながらも澄絺は白い歯を 少しだけ見せて笑っている。
いつもの軽口に私も 笑いながらやり返す。
桃瀬らん
赤暇なつ
慌てて反応したのは澄絺ではなく 何故か夏都だった。
澄絺は悪戯っ子のような 笑顔で手をひらひらと振り 夏都を引き止める。
春緑すち
春緑すち
桃瀬らん
桃瀬らん
私も負けじと言い返すが 咳払いと共に威榴真の 冷ややかな声が響く。
紫龍いるま
紫龍いるま
威榴真の言葉に振り返ると 遅れてやってきた美琴と恋醒が 立ち尽くしていた。
会話に参加するタイミングを 伺う以前にこのノリに 圧倒されているようだった。
澄絺とは幼馴染かつお互いに 軽口を言い合う悪友のような 関係だったから余計だろう。
桃瀬らん
私は準備室の鍵を開け 美琴と恋醒に入室を促す。
2人の後に威榴真も続いたけど 澄絺は何かを思い出したように 「あっ、」と小さく叫んだ。
春緑すち
春緑すち
赤暇なつ
ぎこちなく首を上下させる 夏都の顔は暑さのせいか 真っ赤に茹で上がっていた。
この様子では澄絺の言う通り 水分補給でもしないと もたないだろう。
威榴真は何か言いたそうな 顔をしてから結局は手を振って 澄絺たちを見送った。
紫龍いるま
残された威榴真は身内に 見せるような細やかな笑みを 浮かべながら話し始めた。
すると美琴と恋醒の肩から 力が抜けていくのが見え、 私はホッと息をつく。
桃瀬らん
威榴真の生来の性格も あるだろうが私が自分の想いを 打ち明けていることも 影響しているのかもしれない。
話を聞くうちに親近感を覚えるような
桃瀬らん
ムカつく時もあるけど自慢の幼馴染の 1人であることは違いない。
美琴と澄絺が付き合うことになれば 今よりもっとくすぐったい 気持ちになるのだろう。