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『 悪女には相応しい結末を ──. 』
瑛梨華
瑛梨華
ローレン
私の人生は 、あの日を境に色付き始めた ──
昼の中庭
生徒が大勢集まり 、ざわめきが渦を巻く中心に
"彼女"がいた
ローレンに執着し 、ローレンに近づく子達を影で傷つけ
自分だけは"いい女"を演じている
浅い悪意
そんな噂が私の耳に届くまではそう時間はかからなかった
瑛梨華
ため息すらつかなかった
1歩進み出て 、真っ直ぐ彼女を見下ろす
瑛梨華
瑛梨華
瑛梨華
騒がしかった中庭が静まり 、空気が変わる
彼女は必死に笑顔を作って言い訳を並べようとする 。
けれど 、その声は震えていて 、言葉は空気に飲まれていく
瑛梨華
瑛梨華
瑛梨華
私は周りを見渡しながら 、軽く息を吐いて続ける
瑛梨華
瑛梨華
また1歩進め出し 、はっきりと宣言する
瑛梨華
瑛梨華
瑛梨華
その一言で周囲が"本物の悪女"の存在感に飲み込まれる ─
そして 、その沈黙を破ったのは低く、乾いた男の声だった
ローレン
ローレン
ローレン
瑛梨華
人混みの中から現れた彼は 、冷たい視線で彼女を 見下ろしていた
学園1のモテ男で女をとっかえひっかえしているという 軽い男だが …
普段の軽さなんて一切なく 、ただ"拒絶"だけを露わにしている
彼女は顔色を失い 、言葉を見失い
その後の数日で彼女は学園を去った
騒ぎは静かに 、確実に終わった
残ったのは 、私と ─ ローレン・イロアスだけ
微妙な沈黙が続いた
その空気を壊し 、
ローレン
そう言った彼の言葉は誰にでも向ける軽いものではない 。
"理解しようとしている目"をしていた
瑛梨華
"褒められて喜ぶ"ではなく
"照れ隠し"でもなく
"自分の価値を当然として扱う"女の声色
その瞬間ローレンの目がすっと細くなり 、
本気で興味を持った時の目をしていた ──
瑛梨華は気づいていた
この男が自分の"悪"を恐れずに見つめ返す数少ない人間だと 。
悪女として誇りを持っている彼女の人生に踏み込んでくる奴が 現れた ──