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今すぐ逃げろ。

今すぐ逃げろ。

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終末

♥

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2023年01月13日

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照彦

やっと、完成したのか。
高次元干渉装置が。

盲信的に突き進んで来た神殺しの道のゴールテープがようやく切れたようだ。 いや、まだ気が早いな。 神を倒して世界の維持を代行する。 そうすれば、神に世界が滅ぼされる事が無い。

照彦

あと一息、頑張るぞ。

研究員H"

照彦さん。高次元干渉は理論上成功しています

照彦

ああ、そうだな。

研究員H"

これ以上の進展を望むのなら
実際に干渉し観測しない事には何も出来ません

照彦

干渉したら見つかる可能性がある。
だから、干渉と攻撃は同時に行う。
今の兵器では心許無い。

研究員H"

何に攻撃するんですか!
まさか、まだ神だのなんだの言ってるのか!

照彦

俺の研究室のルールを覚えているか。

照彦

俺には敬語を使え。
俺の意向に添えないなら出て行け。

研究員H"

そう言って、何人も何人も解雇しまくりやがって

研究員H"

あんたの発表した魔法科学理論は素晴らしかった
が、結局それだけ人間だった

研究員H"

もうあんたの下では働けない

照彦

そうか、ならさっさと荷物を纏めろ。

研究員H"

ああ、その前にいいもん見せてやるよ

照彦

おいお前、なにをする気だ。

研究員H"

何って、折角作った高次元干渉装置を動かすだけですよ
馬鹿なあなたも結果を見れば納得しますよね!

高次元干渉装置が作動した。

照彦

ここは……、何処だ。

研究員H"

はは!
それ見ろ!

研究員H"

ちゃんと動いてるじゃないか
しかも、神なんて居ない!

照彦

そ、そんなはずは無い。

研究員H"

いい加減にしてくださいよww

研究員H"

あなたの口癖じゃないですか
「事実を認めるのが科学だ」って

研究員H"

子供じゃないんだから
早く事実を認めてください

照彦

なら、未来の俺が言っていた世界の崩壊って、神ってなんなんだ……。

研究員H"

またそれですか
未来だのなんだのうるさいんですよ

研究員H"

まあ、高次元干渉装置は1分で自動的に元の次元へ戻れるようにしてあるので、安心していいですよ

�����

照彦

おい。今何か居なかったか。

研究員H"

はい?
ショック過ぎて幻覚見えました?

�����

研究員H"

な、なんだ

研究員H"

こっち来るな!

形も、姿も、存在までも朧気なそれを俺は初めて見た。しかし、その正体にはすぐピンと来た。 きっと神だ。そうに違いない。 恐怖よりも先に、好奇心を煽られて興奮した。 そこでふと我に戻る。 頭を冷やし冷静に交信を試みようとした。 次の瞬間、研究員が頭から喰われた。 違う、吸収されているのか? 研究員は足をジタバタと抵抗するが、それも虚しく少しづつ呑み込まれてしまった。

�����

ア………ア…ア…

照彦

な、なんなんだ。
会話は可能なのか。

�����

会話、可能、ナノカ

�����

会話ハ可能ダ

照彦

そ、そうか!

人類を滅ぼすような奴らだ。 発言に気を付けよう。

�����

オ前、私ヲ攻撃するつもりナノカ

照彦

な、なんの事だ。

�����

とぼけるナ、この人間の記憶を見タ

�����

私を神というのであれば、それは力不足だが。
私を攻撃すると、確かに言っている。

なんだって、喰った人間の記憶を覗けるのか。 だったらもう猫被る必要は無いな。 こうなりゃやけくそだ。

照彦

あーそうだよ。

照彦

お前を野放しにすると、お前は俺達の世界を崩壊させるからな!

�����

分からない
何故、私がお前達の世界を崩壊させる前提で話をしている

照彦

俺は、未来の俺から聞いたんだ。
神が世界を滅ぼすってな。

照彦

だから、そうなる前に神を倒そうとしてるんだ。

�����

なるほど

�����

お前達の技術は危険だ

�����

お前の思想は更に危険だ

�����

神が世界を滅ぼす
奇しくもそれは真実になりそうだ

照彦

やっぱりか!

�����

そうなる原因はお前にある
そう心に刻め愚か者

照彦

俺に原因だと?

�����

私は死が怖い
だから逃げる

�����

お前達の世界がどうなろうと知った事では無い

神は、研究員を吐き出し何処かへと姿を消した。 それから間もなく、1分が経過したようだった。

照彦

ここは、戻ったのか。

研究員H"

あ……あ……ぁぁァァア!!!

照彦

生きてるのか!
しっかりしろ。

研究員H"

どうしたもこうしたもあるかァア!!

なんの躊躇いも見せずに顔面を殴ってきた。

照彦

な、何をするんだ。
落ち着け。

研究員H"

彼らと少し混じったんだよ

研究員H"

おかげで彼らがなんなのか分かった

照彦

分かったのか!
彼らの正体は何なんだ。

研究員H"

そんな事どうでもいい
もう終わりなんだよ

研究員H"

絵の描かれたキャンバスは、誰かに管理してもらえさえすれば、何百年でも何千年でも存在出来る

照彦

なんの話しをしているんだ。

研究員H"

だが、今のこの世界は野ざらしなんだ

研究員H"

すぐに風化する
崩壊が始まる

研究員H"

それもこれも全部お前のせいなんだよ

照彦

俺のせいだって?
何が俺のせいだって言うんだ!

研究員H"

彼らに敵意は無かった

研究員H"

お前が言ってた
世界を崩壊させようなんてこれっぽっちも思ってもなかったんだよ!

研究員H"

なのに、お前が彼らに通用する兵器を作ったせいで、彼らはそれ恐れて逃げてしまったんだ!

研究員H"

分かるだろ
この世界を維持させる者がお前のせいで居なくなったんだよ

照彦

だ、大丈夫だ。
世界を維持するのは当初の目的だ。

照彦

彼らとやらが居なくても上手く世界は回るよ。

研究員H"

無理だ

研究員H"

彼らにしか世界の維持は出来ない
混じったから分かる

研究員H"

この世界にいる全員
お前のクソみたいな妄想に巻き込まれて死ぬんだ

照彦

いいや、世界の維持は出来る

研究員H"

お前はクソ野郎だ
せめて、宇宙の果てで一人で死ね

研究員は、荷物を纏めずそのまま出て行った。

照彦

高次元干渉装置があるんだ。
これとAI達があれば、永久的に世界は維持される。

照彦

はは、手札は揃ってるんだ俺。
あとは組立てるだけ。

照彦

きっと1人でも上手くいく。
今までもそうだった……!

照彦

……きっとだ。

照彦

……。

結局、世界の崩壊を止めることは出来なかった。 空を見上げると、肉眼でも世界のヒビが見えるようになっている。 あの研究員の言う通り、俺は正真正銘のクソ野郎だったようだ。 今から何か出来ることは無いかと考えた。 勿論、事態の収拾ではなく、償いだ。 しかし、今となっては腹を斬ろうと意味が無い。 なので俺は、過去の自分に償わせる事にした。 ただの責任転嫁だと思えばそうかもしれない。 そうかもしれないではなくそうだ。 若き日の俺には何も罪は無い。 だがそもそも、償いに意味は無いだろ。 ただ、気持ちが少しスッキリするだけだ。 まあ兎も角、私のようなクソ野郎は、宇宙の果てで一人孤独に死ぬのが相応しいんだ。 だから、今から嘘をつく。

照彦

今すぐに逃げろ。

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