照彦
高次元干渉装置が。
盲信的に突き進んで来た神殺しの道のゴールテープがようやく切れたようだ。 いや、まだ気が早いな。 神を倒して世界の維持を代行する。 そうすれば、神に世界が滅ぼされる事が無い。
照彦
研究員H"
照彦
研究員H"
実際に干渉し観測しない事には何も出来ません
照彦
だから、干渉と攻撃は同時に行う。
今の兵器では心許無い。
研究員H"
まさか、まだ神だのなんだの言ってるのか!
照彦
照彦
俺の意向に添えないなら出て行け。
研究員H"
研究員H"
が、結局それだけ人間だった
研究員H"
照彦
研究員H"
照彦
研究員H"
馬鹿なあなたも結果を見れば納得しますよね!
高次元干渉装置が作動した。
照彦
研究員H"
それ見ろ!
研究員H"
しかも、神なんて居ない!
照彦
研究員H"
研究員H"
「事実を認めるのが科学だ」って
研究員H"
早く事実を認めてください
照彦
研究員H"
未来だのなんだのうるさいんですよ
研究員H"
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照彦
研究員H"
ショック過ぎて幻覚見えました?
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研究員H"
研究員H"
形も、姿も、存在までも朧気なそれを俺は初めて見た。しかし、その正体にはすぐピンと来た。 きっと神だ。そうに違いない。 恐怖よりも先に、好奇心を煽られて興奮した。 そこでふと我に戻る。 頭を冷やし冷静に交信を試みようとした。 次の瞬間、研究員が頭から喰われた。 違う、吸収されているのか? 研究員は足をジタバタと抵抗するが、それも虚しく少しづつ呑み込まれてしまった。
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照彦
会話は可能なのか。
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照彦
人類を滅ぼすような奴らだ。 発言に気を付けよう。
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照彦
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私を攻撃すると、確かに言っている。
なんだって、喰った人間の記憶を覗けるのか。 だったらもう猫被る必要は無いな。 こうなりゃやけくそだ。
照彦
照彦
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何故、私がお前達の世界を崩壊させる前提で話をしている
照彦
神が世界を滅ぼすってな。
照彦
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奇しくもそれは真実になりそうだ
照彦
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そう心に刻め愚か者
照彦
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だから逃げる
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神は、研究員を吐き出し何処かへと姿を消した。 それから間もなく、1分が経過したようだった。
照彦
研究員H"
照彦
しっかりしろ。
研究員H"
なんの躊躇いも見せずに顔面を殴ってきた。
照彦
落ち着け。
研究員H"
研究員H"
照彦
彼らの正体は何なんだ。
研究員H"
もう終わりなんだよ
研究員H"
照彦
研究員H"
研究員H"
崩壊が始まる
研究員H"
照彦
何が俺のせいだって言うんだ!
研究員H"
研究員H"
世界を崩壊させようなんてこれっぽっちも思ってもなかったんだよ!
研究員H"
研究員H"
この世界を維持させる者がお前のせいで居なくなったんだよ
照彦
世界を維持するのは当初の目的だ。
照彦
研究員H"
研究員H"
混じったから分かる
研究員H"
お前のクソみたいな妄想に巻き込まれて死ぬんだ
照彦
研究員H"
せめて、宇宙の果てで一人で死ね
研究員は、荷物を纏めずそのまま出て行った。
照彦
これとAI達があれば、永久的に世界は維持される。
照彦
あとは組立てるだけ。
照彦
今までもそうだった……!
照彦
照彦
結局、世界の崩壊を止めることは出来なかった。 空を見上げると、肉眼でも世界のヒビが見えるようになっている。 あの研究員の言う通り、俺は正真正銘のクソ野郎だったようだ。 今から何か出来ることは無いかと考えた。 勿論、事態の収拾ではなく、償いだ。 しかし、今となっては腹を斬ろうと意味が無い。 なので俺は、過去の自分に償わせる事にした。 ただの責任転嫁だと思えばそうかもしれない。 そうかもしれないではなくそうだ。 若き日の俺には何も罪は無い。 だがそもそも、償いに意味は無いだろ。 ただ、気持ちが少しスッキリするだけだ。 まあ兎も角、私のようなクソ野郎は、宇宙の果てで一人孤独に死ぬのが相応しいんだ。 だから、今から嘘をつく。
照彦