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出
リビングテーブルに二人並んで テレビを見ながら食事をする。
出
勝
かっちゃんはさっき、 「食い足らねェ」 と茶碗に白米の山を盛ったばかりで まだもくもくと食事を続けてる。
勝
出
出
勝
口いっぱいにご飯を詰め込んで 咀嚼しながら相槌をうつ彼の頬が ハムスターみたいに膨らんでいて たまらなく愛おしい。
僕の仕事が忙しいこともあって ひとりのときは 料理という料理なんてしないけれど
かっちゃんが家に来るときは しっかり栄養を摂ってほしいから こうして手料理を振舞っている。
僕の作った食事が彼の口に入って、 体の栄養になり やがて血や肉になると思うと 独占欲と承認欲求が 満たされて心地良い。
勝
勝
出
出
出
出
勝
勝
そう言って空になった茶碗と 箸を机に置くと両手を合わせた。
勝
出
かっちゃんは立ち上がって 二人分の皿を重ねキッチンのシンクへ 置きに行く。
出
そして当たり前のように 皿洗いを初める。
こういう小さな優しい部分が すごく好きだ。
勝
出
出
出
勝
勝
出
勝
出
かっちゃんが洗った皿を僕が拭く。
他愛のない会話をしながら 二人でシンクの前に並んで 服が擦れそうなくらいくっつく。 こんな些細な時間さえ幸せに思う。
出
勝
出
勝
横顔をこっそり覗き見ると 少し驚いたように眉を上げている。
可愛い。
もう一押しかな。
出
勝
勝
そう言って皿を洗う手を止めて 少し照れくさそうに 顔を向けてくれた。
押しに弱い彼の性格を 利用するなんて僕は心底強欲だ。
でも、可愛い君が悪いよね?
出
口角を緩めながら 触れるだけの軽い口付けを 唇ではなく頬に与える。
勝
勝
勝
出
出
勝
かっちゃんは頬を紅潮させて 分かりやすく図星を知らせながら 僕の足の甲を踏んづけてきた。
そしてシンクの方へ 向き直ってしまう。
出
出
出
つま先立ちをして ぷんぷんと怒っている彼の肩に 顎を乗せて甘えて、
出
出
頭をこつんとくっつけて 擦り寄ってみると 観念したように彼は声を上げた。
勝
眉間に皺を寄せ顔を左右に振りながら 僕を避けるかっちゃんが こっちを見てる。
勝
勝
出
「口にキスして」 と言わせたくて、すっとぼけてみた。
だけどあまり 逆手に取るようなことを繰り返すと 本当に機嫌を損ねてしまいそうだから もちろん引き際を考えつつ……。
勝
出
熱っぽい頬と、何か言いたげに もごもごと動いている口許。
だめだ、可愛い。
僕の方が耐えられなくて、 泡だらけのスポンジを持ったままの かっちゃんに抱きついた。
勝
出
出
出
可愛い可愛いと繰り返し 湧き上がってくる言葉を “ 好き ”に変換して彼を見上げる。
勝
可愛いという自覚はなさそうだけれど 小っ恥ずかしそうに 僕の好きを受け止めてくれている。
勝
本当は「かっちゃんからして」 と言いたかったけれど それはまた後でお願いしてみよう。
出
勝
瞼を閉じた彼の薄くて形のいい唇に 僕の唇を重ねて
数秒触れ合った唇をゆっくりと離す。
勝
出
少し俯いた彼が熱を帯びて潤んだ瞳で 下から覗き込んでくる。
お強請りという思わぬ僥倖が 僕の頬に熱を集めた。
出
勝
「もういい」 と言われる前に唇を塞いで離すと かっちゃんの口端が少しだけ上がって すぐに引き結ばれる。
勝
出
勝
出
勝
出
さっきより強めに 足の甲を踏んづけられた。
でもかっちゃんの横顔は 怒ってなんかいなくて、 洗い終えた皿を黙々と僕に回してくる。
勝
勝
出
出
勝
今日は絶対に寝かせてあげない。