こちらは鬼怒川美葵さんによる ビブリオテラー企画に則った
独断と偏見による紹介コラムです
小説とはまた違う読み物ではありますが
これを読む方にも楽しんでいただけるよう務めますので
どうぞ最後までご覧いただけますと幸いです
今回の表題は実話怪談
この表題の時点で、どなたを紹介するのか
察しがついていらっしゃる方もおられるのではないでしょうか
ホラー作品の中にも様々なジャンルがあります
怪談、オカルトホラー
サイコホラー
スプラッタ、パニックホラー
ゴシックホラーなどです
さらに怪談の中には、想像で作り上げた創作怪談と
実際にそういう体験をした方に取材を行い
怪談として作り上げる実話怪談があります
商業作家さんだと黒史郎さんや 加藤一さんが有名ですが
TELLERにも恐らく唯一、実話怪談作家さんがいらっしゃいます
紫蘭さんです
ではこの方の作品のどこが魅力的であるのか
より詳しくご紹介していきたいと思います
まずご紹介したいのはこちらの実話怪談
「レストランにて」
あらすじ
作者の友人で、霊感の強い坂本氏は語る
幽霊が出るというレストランに
ほかの友人たちと訪れた際
特に変わった様子がなく肩すかしを食らったと笑う彼らに
坂本氏は真実を話さなかった
その隠されていた真実は――
さすが現実、というか
あまりにも自然にそこにいるのが怖いです
そして当然ではありますが、事実として淡々と描かれているので
いつ自分がそういった者を見ているか
実は気付いていないだけではないかという恐怖があります
次にご紹介したいのは創作ホラー
「Rei Tube」
あらすじ
ある男女が、とある動画を見ていた
それは心霊スポットに訪れては、 供養の気持ちも持たず
荒らし回るような真似をしている配信者たちの動画だった
心霊スポットを手軽な収入源としか考えない配信者たちは
やがて存在しないはずの声を聞く――
ネタバレになりそうで迂闊なことが言えないんですが
とても面白いです
炎上を視聴者増加の手段としか考えていない配信者
そのために荒らされる心霊スポット
彼らの末路は想像に難くないところなんですが
その情報の共有手段が予想外で、最後まで興味をそそられます
最後にご紹介するのはやはり実話怪談
「怖い話にオチはない」
あらすじ
かつて作者は、実話怪談の提供者である坂本氏から
とある金言を聞いた
「オチがある話は作り話が多い」
そんな言葉を前提として、実話怪談は始まる
かつて坂本氏が住んでいた家で不思議なことが起こっていた
一階にガレージを擁する、よくある間取りの一軒家
しかしその家の階段には、少し違和感があった――
タイトルの時点で、確かにそうなんだろうなという
非常に説得力を感じる作品です
そしてそれだけでなく、こちらの実話怪談は
先にご紹介した「レストランにて」とは、明確な差異があります
それは作者である紫蘭さん自身が経験した怪談であること
そのためか、「レストランにて」よりも
より一層緊張感が伝わる作品になっています
いかがでしょうか、紫蘭さんの作品
少しでも興味をそそり、好奇心をくすぐり
魅力の片鱗を感じていただけたのなら嬉しいです
すでに有名な作家さんではありますが
是非一度は作品を読んでいただきたい作家さんです
コメント
8件
幽霊が苦手で、別のお話を読ませてもらっていました。解説を読んだら気になったので、明るい時間帯に読んでみます😃
心霊体験の実話、とても読んでみたいです😳 ホラーは苦手ですが、読みに行かせて頂きたいと思います! 井之上さんの文章にも惹きこまれて、余計に読みたくなってしまいます✨
紫蘭さんの作品、もっと見ます!!! 参加ありがとうございます!!!