コンコンコン
ur
ur
…
嫌な予感がした。
ur
部屋の中は妙に生活感がなくて、
荷物なんかも片付いていて、
ベッドも綺麗に整えられていた。
ふと見た机の上には、一枚のメモが置いてあった。
「しばらく帰りません。」
ur
なんで?
俺が何かしたから?
あの時、あんな事言わなければこうなってなかった?
ur
俺は、姉ちゃんが好きだ。
昔からずっと優しかった姉ちゃんは、いつも俺の事ばっかりで、
自分自身の事は後回し。
そんな姉ちゃんの口癖は、
「yanがいるから、私も頑張れるんだよ。」
俺が普通じゃないって事くらい、分かってる。
だけど、俺は、姉ちゃんが大好きで大好きでたまらない。
でも、この気持ちはどうしようもない。
「家族」だから。
それならせめて、姉ちゃんの1番近くにいる人間は俺でいたかった。
yan
プルルルルル
yan
着信画面に写っているのはurの名前だった。
…urの事は、いいやつだと思ってる。
だけど、今は、今だけは。
yan
ツー…ツー…
ur
LINEも既読がつかないし、電話にも一切出ない。
ただ、時間だけが過ぎていく。
焦りだけが心の中を支配していった。
…
ダメだ、落ち着かないと。
今すべきことはなんなのか、考えなきゃ。
ur
あいつなら、etさんの居場所が分かるかもしれない。
微かな希望を持って、俺は走り出した。
ザワザワ
et
ホントに…最低だ。
1人で勝手に落ち込んで、
1人で勝手に八つ当たりして、
1人で勝手に飛び出して。
本当に…ばかみたい。
ポロ…
et
ぬぐってもぬぐっても溢れてくる涙はとどまる事を知らなかった。
消えたい
私を知っている人がどこにもいない所へ行きたい。
息苦しくてたまらない。
私を見る目が怖い。
パシッ
et
hr
私は慌てて顔を伏せる。
涙で赤くなった目を見られたくなかった。
hr
hr
hrくんに掴まれた腕がヒリヒリ痛む。
et
et
必死で絞り出した声も、電車の音に吸い込まれていく。
だけど、
hr君の目が哀しそうに揺らいだ。
hr
hr
et
hr
驚いた。
昔からふわふわして優しいhr君は絶対に大声を出したりしなかったから。
怒ることもしなかったから。
今のhr君の目には、怒りと哀しみが浮かんでいたから。
グイッ
私の腕を引っ張るhr君の表情はよく見えなかったけれど、
なんとなく、
本当になんとなく、
泣いている気がした。
コメント
3件
心情表現?なんていうのかな…表すのがうますぎるんですよね…!!!😭💕凄い惹き込まれる……!!!!!それにほんと毎回毎回展開が凄くて尊敬しかない……!!!🥹✨毎回読み終わった後に「おおおお…」っと感心の声がもれてしまう…w続きも無理せず頑張って下さい…!!!!✨✨✨
続きが気になる…✨💕