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コメント
3件
好き。
もっと調子狂えふっかさん(?)
White Stage 𓂃 𓈒𓏸
White Stageのホールリハから一夜明けた12月12日 スケジュールの合間を縫って行われる今日は音合わせ 振り付けでもなく照明でもなく、今日は歌だけの日だ
スタジオに入ると、マイクスタンドが2本だけ並び、いつもよりも静かだった
tatuya
辰哉がコートを脱ぎながら周りを見渡す
shota
翔太はマイクスタンドを軽く触り、指先で高さを調整する
するとスタッフが言う
スタッフ
と言って部屋を出て行った
2人だけ。 この言葉が、静かなスタジオに少しだけ響く。 翔太が辰哉を見る 辰哉も翔太を見る
shota
tatuya
音源が流れ始める。 まだ伴奏だけの、形になりきれていない未完成のサウンド。
そこに翔太の声が乗り、続けて辰哉の声が寄り添う
距離は1メートル。 でも、歌うともっと近く感じる不思議 テンポを外さないようにする緊張じゃなくて、 相手の声をよく聞くという集中が支配する時間 サビに入ると、2人の声が重なって広がる 辰哉の声は温かく、翔太の声は澄んでいて、 合わさるとまるで冬の空に浮かぶ白い息がひとつの形になるみたいだった
曲が終わり静寂が戻る
shota
翔太がゆっくり顔を上げる
すると辰哉は微笑む
tatuya
翔太はスピーカーに歩いて行き、再生ボタンを止める
shota
tatuya
翔太は続ける
shota
辰哉が目の前まで歩いてきて、いつもの軽いトーンで優しい顔で言う
tatuya
tatuya
その瞬間スタジオの外からスタッフが顔を出した
スタッフ
翔太と辰哉は小さくハイタッチした 外は少し雪が混じる気配のある曇り空 街はゆっくりとクリスマスに近づき、ステージも、2人の気持ちも、少しずつ同じ方向に向き始めていた
White stage #12