蒼唯
これでよしっと
私は遺書を書き終える
唐突に首を吊ろうと思った 私はこんなにもやるせない世界からさよならしようと思ったからだ
蒼唯
さてとあとは紐だけか…
いつも置いてある棚から 紐を取ろうとするが
蒼唯
あれ?
蒼唯
(首を吊る紐が)
ない
しばらく探していると頭上から声が聞こえてきた
兄
何やってんだよ
蒼唯
お兄ちゃん…
兄
あのなぁ自殺なんて考えてんじゃねぇよ
蒼唯
ごめん
兄
……はぁ
兄
明日お前が行きたがってたとこ行くぞ
蒼唯
え?
兄
はーい決定でーす
兄の横暴さには呆れる
だけど 首を吊る紐がなかったおかげで
私はまだ
生きてる