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それは、小さな小さな光だった。
きっとまだ誰も、その存在に気づく事すら しない。
それほど迄に、小さな光。
私
不在着信
すっかり閑静になったこの街は、私を置いて 空っぽになって仕舞った。
何時からだろうか。 こんなにも寒がりになったのは。
私
不在着信
貴方
貴方は、またそう笑ってくれるのでしょうか。
貴方は、まだ此処に居てくれるのでしょうか。
時折、怖くて怖くて堪らない時がある。
もう貴方に会うことは出来ないのかと。
それはもう、とてもやりきれない悲しみで。
私
不在着信
私
不在着信
こうして何度も何度も繋がらない電話を かけるのも、いつの間にか慣れてしまった。
貴方が遠い国へいってから、随分と長い歳月が経った。
私は歳をとった筈なのに、 思考は幼くなるばかりで。
貴方に会えずに今日も今日とて、こうやって駄々をこねている。
私
不在着信
味のしない煙草を咥えながら、一人、暗がりな煉瓦道を歩いた。
パン屋のショーウィンドウには埃が積もっている。
はて、彼処の娘は店を継ぐことはしなかったのだろうか。
私
不在着信
…
………
私
私
不在着信
私
不在着信
貴方
そんな声すら聞こえる気がした。
私
私
小さな墓石に、花を添えた。
私
私
朝4時、誰も居ない閑静なこの街に、 金木犀の香りがした。