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主です!
主です!
主です!
日向 翔陽
白鳥沢学園高校。
宮城県内屈指のスポーツ名門校。中でも男子バレー部は全国大会常連であり、圧倒的な実力と、選ばれし者だけが入部を許される厳格なチーム構成で知られていた。
その門を、ある朝、一人の少年がくぐった。
日向翔陽――元烏野高校バレー部。
入学からわずか一か月でそのチームを離れ、白鳥沢に転校してきた。
鷲匠
バレー部の練習開始直前、体育館に姿を現した日向を迎えたのは、監督の鷲匠鍛冶だった。
厳しい目が、日向の全身を舐めるように観察する。
鷲匠
日向 翔陽
日向はまっすぐに答えた。小さな拳を強く握りしめる。
日向 翔陽
鷲匠
鷲匠の目が、わずかに笑ったように見えた。
鷲匠
日向 翔陽
声は大きく、気迫に満ちていた。
しかし、日向の後ろでは、すでに部員たちの間に小さなどよめきが広がっていた。
白鳥沢の人
白鳥沢の人
白鳥沢の人
日向は、見慣れない視線にはもう慣れていた。烏野でも、同じだった。
でも、白鳥沢でのそれは、違った。
日向 翔陽
冷笑ではない。評価だ。
この場所では、“実力”だけが全て。誰もが結果を求めている。
なら――見せればいい。跳べばいい。証明すればいい。
日向 翔陽
トス、レシーブ、サーブ、そしてスパイク。
どれも基本的なものだったが、日向の本領は、やはり“ジャンプ”にあった。
白鳥沢の人
白鳥沢の人
白鳥沢の人
日向 翔陽
主です!
スパイク練習中、日向が跳んだ瞬間、体育館に空気の緊張が走った。
バネのような脚力、空中での滞空時間、そして――ネットを軽々と見下ろすほどの跳躍。
視線が、変わった。
鷲匠
日向 翔陽
鷲匠
監督の鷲匠は、一歩前に出た
鷲匠
日向 翔陽
牛島若利。全国屈指のスパイカー。
白鳥沢の絶対的エースであり、全てのボールが彼に集まるシステムさえ成立させるほどの選手。
その牛島と、いきなりのスパイク練習――いや、真っ向勝負だった。
牛島
牛島
日向 翔陽
緊張で汗が止まらない。
でも、胸の奥は、燃えるようだった。
これが、本当のバレーだ。
この瞬間のために、ここまで来たのだ。
ボールが宙を舞い、牛島のサーブが、鋭く日向の前に突き刺さった。
牛島
日向 翔陽
顔を上げる。悔しさも、痛みも、すべてを燃料に変えて。
牛島は何も言わなかった。ただ、再びサーブの準備に入る。
それが、答えだった。
その後、日向は何度も倒れ、何度も立ち上がった。
ミスもあった。受けられなかったボールも多かった。
けれど、一つだけ、誰もが感じていた。
白鳥沢の人
牛島
練習後、牛島がぽつりと呟いた。
その言葉に、日向は、ほんの少しだけ、目を潤ませた。
日向 翔陽
主です!
主です!
日向 翔陽
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