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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 神様パロ
rara🎼
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第三話 風鳴、影を裂く
放課後。
空はまだ高く、街には穏やかな風が吹いていた。
六人は、駅前の商業ビルの前にいた。
カフェに行くか、ゲームセンターか、それとも映画か。
決まらないまま時間だけが過ぎていく──というのも、いつものこと。
なつ
なつ
こさめ
目を輝かせて駆け出すこさめの後ろ姿を、なつが「待て〜!」と笑いながら追いかける。
みこと
みことが肩をすくめると、すちが苦笑いしながら後を追う。
らんは少し離れて、スマホでカメラを構えていた。
らん
いるま
──風が変わった。
いるまが、ふっと表情を曇らせた。
いるまだけが感じ取る、微細な流れの乱れ。
街路樹の葉が、一瞬だけ逆向きに揺れた。
いるま
次の瞬間、地面がわずかに震えた。
通りの向こう、工事中のビルの足元で、舗装がパリッとひび割れる。
そして──現れたのは、影のような、巨大な獣。
目も口も定かでなく、ただ“崩壊”と“暴走”の塊。
いるま
それは地脈の歪みから生まれ、自然災害を引き起こす神格外の存在。
人の目には見えないが、その一歩ごとに建物は軋み、空気が焦げる。
周囲に人が増える前に──
いるま
いるまがそう呟いた瞬間、風が巻き起こった。
五人もまた、同時に頷く。
風が吹いた。
風が裂いた。
次の瞬間、そこにいたのはもう、制服姿の高校生ではなかった。
六人の神衣が、陽光を受けてきらめく。
それぞれの姿はまばゆく、それでいて、どこか“祈り”の重さを纏っていた。
久遠
久遠
そう呟くのは、想風ノ神・久遠。
祈刀・空裂を構え、風とともに踏み込む。
久遠
久遠
風が疾る。
一陣の突風となり、久遠の祈刀は災因獣の肩口を斬り裂いた。
災因獣が咆哮を上げる。
だが久遠は怯まない。
久遠
風が空を走り、建物の陰を抜け、災因獣の後ろへ回り込む。
続いて、焔赫ノ神・焔夏が飛び込む。
焔夏
焔夏
火が揺れる。
その一刀が残した余熱を、翠穏ノ神・翠守が封じ、周囲の影響を最小限に抑える。
翠守
焔夏
焔夏
天照
耀祈ノ神・天照は、災因獣が振りまく暗闇を祓うように光を照らし、
涙雨
涙雨
涙雨
潤雨ノ神・涙雨が雨の帳で、逃げ遅れた人々の視界を遮った。
嵐桜
芽咲ノ神・嵐桜が祈りの花を咲かせ、周囲の環境を再び整えていく。
そして──
久遠
久遠の声が静かに響いた。
風が刃となり、災因獣の本体を貫いた。
それは音もなく、まるで“あるべきもの”が“元に戻る”ような、静かな終焉。
戦いが終わり、風は再び穏やかになった。
いつの間にか人々はその場を離れ、災因獣の痕跡も残っていない。
神々の姿も、ただの高校生へと戻っていた。
いるま
なつ
なつが笑いながらいるまの肩を軽く叩いた。
なつ
いるま
いるまが苦笑すると、こさめが小声で「お肉……」と反応した。
らん
らんがさらりと便乗し、みことが頭を抱える。
何気ないやりとり。
けれどその裏には、誰にも気づかれない“祈り”があった。
今日もまた、六人の祈刀は、静かに世界を救っていた。
第三話・了
解説〜災因獣〜
災因獣(さいいんじゅう)と読む。 自然災害を引き起こす精霊の暴走体。
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝200
rara🎼
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コメント
3件
好きッ!✨もうタヒんでもいいッ✨(?)