教室にも廊下にも誰もいなくなった 校庭では笑い合う声が聞こえてくる
わたし
私はこれから死ぬ。
わたし
校庭にはまだ何人かいるみたいだけどまぁいい、人が死ぬのを見て心に傷を負えばいい
屋上で靴を脱ぎかけた時…
わたし
誰か、いる…
三つ編みの子
はぁ
わたし
!!!
わたし
(あの子も私と同じこと考えてる…)
わたし
『ねぇ』
三つ編みの子
!
わたし
『やめなよ』
わたし
(この子のこと私なんにも知らない)
わたし
(でも先を越されるのはなんとなく嫌だ)
三つ編みの子
あの、
わたし
あ、
三つ編みの子
…話、聞いてくれますか?
わたし
う、うん
三つ編みの子
あの、私最近彼と別れたんです
三つ編みの子
その理由が〈好きな子が出来た〉ということでした
三つ編みの子
私は彼のことが大好きなのに、彼はそうじゃなかった…
三つ編みの子
運命の人だと思ったのに
わたし
(ふざけんな)
わたし
(そんなことで)
わたし
(私の先を… いや、死のうとするなんて)
わたし
欲しいものが手に入らないとか、奪われたことすらないくせに(ボソッ
三つ編みの子
え…?
三つ編みの子
あの、よく聞こえなかったんですけど
三つ編みの子
ごめんなさい…
わたし
あ、いえ
わたし
なんでもないよ
わたし
あ、のさ
三つ編みの子
は、はい
わたし
彼はいい思い でいるのにあなただけが苦しんでいて
わたし
悔しくないの、
三つ編みの子
それは…
わたし
これから、あなたが
わたし
誰よりも人生を楽しめばいいじゃない
三つ編みの子
!
三つ編みの子
ありがとう
三つ編みの子
話したら楽になりました
そして三つ編みの子は笑顔で 帰って行きました