一覧ページ

死神との契約

第6話 - 孤独

2025年09月08日

#死神

#ファンタジー

味噌ラーメン☁🐥

桜井七海

えぇっ！？

桜井七海

いやいやそんなの、蓮のペースだってあるんだし！

篠原彩月

さすがに急すぎるし！

桜井七海

なにより迷惑だよ！

高瀬陽葵

そんな必死に断らなくても...

高瀬陽葵

だって、お友達だよ？

高瀬陽葵

一人でおばあちゃんと弟の世話と家事って、大変すぎるよ！

高瀬陽葵

それにまだ高校生だよ？

桜井七海

それはそうだけど...

森田蓮

俺は、お願いしたいな

桜井七海

え？

森田蓮

それに、もっと一緒にいたいし

高瀬陽葵

それは、どういう意味？？

森田蓮

え？あ、別に変な意味じゃないよ！

森田蓮

その、恩人だしさ

森田蓮

だからもっと近くにいてほしいっていうか...

森田蓮

安心できるしさ！

桜井七海

ま、まあ、蓮が言うなら...

篠原彩月

うん...

高瀬陽葵

じゃあ、決まり！！

森田優真

ついたー！！！

森田おばあちゃん

ついたねぇ

森田優真

ばあば、おんぶ！！

森田蓮

こら、優真

森田蓮

ばあばは疲れてるんだから

森田優真

えーっ

高瀬陽葵

優真くん！わたしがするよ！

高瀬陽葵

おいで！

森田優真

やったー！！！

高瀬陽葵

じゃあ、わたし優真くんの相手しとくからね

桜井七海

うん！

森田蓮

ありがとう

桜井七海

わたし、料理しようか？

桜井七海

こう見えて得意なの！

森田蓮

いいの？ありがとう

篠原彩月

わたし、掃除機かけるよ！洗濯物とか干しとく！

森田蓮

ありがとう！

森田蓮

俺は、洗い物かな

桜井七海

んー...ハンバーグにしようっと

森田蓮

好きなの？

桜井七海

え？よくわかったね！

桜井七海

お母さんがよく作ってくれてね、好きなんだ

森田蓮

そっか...お母さん、

桜井七海

...えっと、思い出させちゃったらごめん

森田蓮

いや、全然！

森田蓮

思い出すと悲しいし恋しいけど

森田蓮

でも、幸せな気持ちにもなるんだ

桜井七海

...そうなんだ

桜井七海

お母さんは、どんな人だったの？

森田蓮

すごい頑張り屋さんで、俺の事すごく愛してくれた

桜井七海

そうなんだ

桜井七海

いいお母さんだね！

桜井七海

どうして亡くなっちゃったの？

森田蓮

...

森田蓮

俺がまだ小さい時に、父さんが亡くなったんだ

森田蓮

母さんとばあちゃんが育ててくれた

桜井七海

...

森田蓮

俺が小6のとき、母さんに再婚相手ができたんだ

森田蓮

父さんが亡くなってから、好きな人がなかなかできなかったんだけど、

森田蓮

でも、俺のためにも、再婚することを決めてくれたんだ

桜井七海

そっか...

森田蓮

再婚相手は、すごく優しくて、母さんの話をよく聞いてくれていた

森田蓮

俺もばあちゃんも、大歓迎だった

桜井七海

...

森田蓮

で、俺が中一の時、妊娠したんだ

森田蓮

俺が中二になった時、優真が産まれた

森田蓮

でも、母さんは体が小さかったから、骨盤の開きが悪かったんだ

森田蓮

大量出血で亡くなった

桜井七海

...再婚相手さんは？

森田蓮

ショックで自殺した

桜井七海

...

森田蓮

だから、それから一人で優真を育ててるんだ

森田蓮

ばあちゃんはいるけど...物忘れが酷くて

森田蓮

最近、認知症と診断されたんだ

桜井七海

認知症...

森田蓮

かなり進みが早いらしい

森田蓮

施設に入れるのを勧められたけど...

森田蓮

小さい頃から可愛がってくれたばあちゃんを、施設に入れたくなかった

森田蓮

お金も厳しくなって、俺はバイトを始めた

桜井七海

...

森田蓮

勉強をする時間もなくなっていって、テストの点数も下がった

森田蓮

俺は、自分が何をしたかったのか分からなくなった

森田蓮

なんのために生きてるのかも...

桜井七海

...

森田蓮

あ、ごめん！

森田蓮

暗くなっちゃったな

桜井七海

...ううん

桜井七海

高校が終わったら大学行くの？

森田蓮

行きたいとは思ってる

森田蓮

資格とか取っておかないといけないし

森田蓮

いい大学に通っとかないとな

桜井七海

将来、何になりたいの？

森田蓮

ああ、一応だけど、医者になりたい

森田蓮

母さんが医者でさ

森田蓮

小さい頃からずっと目指してたんだ

森田蓮

...母さんと、一緒に働きたくて...。

桜井七海

...

森田蓮

まあ、入試はギリギリだったし、今のテストの点数も酷いからな

森田蓮

単位もとれてないから、厳しいだろうな

桜井七海

そんな...

森田優真

にいにー！！

森田優真

見て！！！

森田蓮

おぉー、すごいな

森田蓮

これ、優真が作ったのか？

森田優真

うん！ひまり姉が教えてくれたの！！

森田蓮

ひまり姉？

高瀬陽葵

わたしよ

高瀬陽葵

覚えといてね！

森田蓮

あ、ああ

森田優真

ひまり姉ー！これ、教えて！

高瀬陽葵

いいよー！

篠原彩月

あの、蓮くん！

篠原彩月

洗濯物干したし、掃除機もかけた！

篠原彩月

あとは何したらいい？

桜井七海

彩月、早くない！？

篠原彩月

家事は慣れてるからね

森田蓮

あとはゆっくりしてていいよ

森田蓮

おつかれさん

篠原彩月

ええっ！？

篠原彩月

そんな、できないよ！

篠原彩月

手伝うためにお邪魔させてもらってるのに！

森田蓮

んー

森田蓮

じゃあ、ばあちゃんにこのお茶持っていってくれないか？

森田蓮

多分、今2階にいると思うから

篠原彩月

わかった！！

桜井七海

どうしよ、

桜井七海

夜ご飯今作ったら、遅くても4時には出来るよね

桜井七海

もう少し経ってからがいいかな？

森田蓮

いや、いいよ

森田蓮

いつもより早く寝て、勉強する時間作れるし

桜井七海

確かにそっか！

桜井七海

じゃあ、作るね！！

16:00

桜井七海

ご飯できたよー

篠原彩月

わあ！いい匂い〜！

高瀬陽葵

ハンバーグ？

高瀬陽葵

わたしハンバーグ大好き！！

森田優真

ゆうまもー！！

森田蓮

ばあちゃーん！ご飯できたよー！！

篠原彩月

あ、おばあさん、さっき寝てたの

篠原彩月

お茶は置いてきたんだけど...

篠原彩月

もしかしたらまだ寝てるかも

篠原彩月

起こしてこようか？

森田蓮

じゃあ、お願い

篠原彩月

おっけー

桜井七海

優真くん、お箸並べようか

森田優真

うん！！

高瀬陽葵

うちコップ出すね！

森田蓮

飲み物は何がいい？

森田優真

オレンジ！！

森田蓮

優真はオレンジな。
2人は何がいい？？

桜井七海

わたしもオレンジで！

高瀬陽葵

うちもーー！

森田蓮

じゃあ、俺もオレンジにしようかな

森田蓮

さっき呼びに行った子は何がいいかな？

桜井七海

彩月って名前だよ

桜井七海

多分オレンジでいいと思う！

森田蓮

わかった！

森田おばあちゃん

はい、ありがとうね

篠原彩月

いえいえ、全然大丈夫です！！

森田優真

あ、ばあば来た〜！

いただきまーす！

森田蓮

あ、てか時間大丈夫！？

森田蓮

そういえばご飯も、ここで食べていいのか？

桜井七海

うん！

桜井七海

ちゃんとお母さんに連絡してあるから大丈夫だよ！

高瀬陽葵

うちも大丈夫だよーん

篠原彩月

わたしも平気！！

森田蓮

よかった

森田おばあちゃん

蓮。可愛いお友達連れてきたね

森田おばあちゃん

いつ連れてきたんだい？

高瀬陽葵

おばあちゃん、さっき会ったじゃん！公園で！

森田おばあちゃん

え？

篠原彩月

優真くんと公園で遊んでた時だよ！

篠原彩月

呼びに行ったじゃん、わたしたち！

森田おばあちゃん

何を言ってるんだい？

森田おばあちゃん

これで会ったのが初めてだけど...

高瀬陽葵

あれ？

森田蓮

ごめん、気にしないでくれ！

桜井七海

ねえ2人とも！

桜井七海

帰る時、ちょっと話したいことあるんだけど、いい？

高瀬陽葵

え？まあいいけど

篠原彩月

いいよ全然

20:00

森田蓮

本当に送らなくていいの？

桜井七海

うん！

森田蓮

わかった

森田蓮

じゃあ、本当にありがとう

森田蓮

3人のおかげで、早くご飯にできた

森田蓮

それに、勉強する時間もとれそうだよ

森田蓮

本当にありがとう

高瀬陽葵

いえいえそんなー！

篠原彩月

高校生なんだからもっと青春してほしかっただけだし、平気だよ！

桜井七海

蓮、無理だけはしないでね

森田蓮

ああ、もちろん！

森田蓮

これからもよろしくな！

桜井七海

うん！

篠原彩月

うん！

高瀬陽葵

うん！

高瀬陽葵

で、話って？

桜井七海

ああ、蓮のことでさ

篠原彩月

蓮の？

桜井七海

蓮はね、

高瀬陽葵

そういうことだったの？

篠原彩月

どうりで...そうか、

桜井七海

それに、おばあさんは認知症らしくてさ

高瀬陽葵

大変だね...。

篠原彩月

わたしたち、すごい失礼なこと言っちゃったんじゃない？

高瀬陽葵

たしかに...申し訳ないな

桜井七海

でも、きっと大丈夫

桜井七海

2人が理解してくれたら、蓮も安心すると思ったの

高瀬陽葵

そっか、

篠原彩月

じゃあ、わたしこっちだから

桜井七海

うん。バイバイ！

高瀬陽葵

バイバイ！

篠原彩月

バイバイ！

高瀬陽葵

ちょっとコンビニに寄ってもいい？

桜井七海

いいけど、何買うの？

高瀬陽葵

いやちょっとさ

高瀬陽葵

あれ？あの子、小学生？

桜井七海

コンビニ弁当食べてるのかな？

桜井七海

夜にひとりでコンビニ弁当...

高瀬陽葵

ちょっと話しかけてみようよ

桜井七海

え？ちょっと！

高瀬陽葵

ねえ、君、一人？

？？

...。

高瀬陽葵

ねえってば！

弁当を持って歩きだす

高瀬陽葵

ちょっと待ってよ！！

桜井七海

君小学生だよね？

桜井七海

こんな時間に一人でいたら危ないよ

桜井七海

親御さんと来てるの？

？？

...。

高瀬陽葵

せめて、お家で食べなよ

高瀬陽葵

ねえ

？？

しつこいなあ

？？母

あんた何してんの！！

？？母

友達？遊んでるの？！

？？

か、母さん！

？？母

とにかく、早く帰りなさい！

弁当を叩き落とす

バコッ

？？母

早く行くわよ！

？？

...

高瀬陽葵

なんなのあの人

桜井七海

母さんって言ってたよね

高瀬陽葵

でも、お弁当を叩き落としてたよ

高瀬陽葵

しかも片付けないで帰りやがった

桜井七海

ちょっとおかしいよね

高瀬陽葵

わたし、明日も会いに行こうかな

高瀬陽葵

コンビニ弁当食べてたし...

高瀬陽葵

きっと明日もそうなんだろうな

高瀬陽葵

手作り弁当でも渡そうかな？

桜井七海

うん、それがいいよ

桜井七海

わたし、夜はあまり遊べないから、一緒に行けないけど...

桜井七海

でも、応援してるね

高瀬陽葵

ありがとう

森田蓮

ほんと、七海っていい人だな...

森田優真

ばあば！ばあーば！

森田蓮

優真、お風呂入るよ

森田優真

ええーっえーっ

森田蓮

ばあちゃん、風呂、先入る？

森田おばあちゃん

あんた、誰だ？

森田蓮

ばあちゃん...？

森田おばあちゃん

誰よアンタ！出て行きなさい！

森田おばあちゃん

優真、おいで

森田おばあちゃん

その人に近づいちゃだめよ！

森田蓮

ば、ばあちゃん？

森田蓮

どうしたんだよ？

森田優真

ばあば...？

森田おばあちゃん

もしかして、泥棒！？

森田おばあちゃん

早く出て行きなさい！！！

森田おばあちゃん

警察呼ぶわよ！

森田蓮

わ、わかったよ、

ガチャ

森田蓮

ばあちゃん...

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

味噌ラーメン☁🐥

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。