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数日後

シゼ

うわぁ…。

マリア

壁一面に絵が…これはすごいわね!

マリア

これが…数年前までやんちゃだった私の教え子

マリア

マリア

カイトぼっちゃまの個展なんて信じられないわ!

シゼはマリアと共に カイトが開いた個展に来ていました。

シゼの友人であり

マリアの教え子の カイト・キャザーは

ギリカールを代表する 若き天才画家になっていました。

彼のふんわりとした タッチが特徴的な絵は 数々の人を魅了し、

コンクールでは 彼の描いた絵が何度も優秀賞に 選出されました。

そして、

その功績もあってか、

カイトはこの個展の後、 王室の専属画家になることが 決まっていました。

マリア

マリア

シゼ見て!

マリア

これ、貴方が書いた『とある男女の最低で幸せな未来』の絵じゃない?

シゼ

!、ほんとですね。

(二人の男女が海を見ながら 肩を寄せる絵が展示されている。)

マリア

私があなたの本を読んで泣いてしまったこと、

マリア

カイトぼっちゃまは覚えていらしたのね。

マリア

大好きなお話を基に絵を描いてくださるなんて、

マリア

私、とっても嬉しいわ

シゼ

ええ、私もです…。

シゼ

(とってもきれいな絵…。)

シゼ

(私が書いたお話が、こんなに綺麗な絵ができるなんて…。)

シゼ

シゼ

…私、(異世界に行っても)お話書いててよかったです。

マリア

!、

マリア

ふふ、

マリア

私もあなたのお話と出会えてよかったわ、シゼ。

シゼ

シゼ

マリア様…。

カイト

カイト

その絵が気に入ったのか、マリア。

シゼ

マリア

カイトぼっちゃま!

カイト

シゼ。

カイト

マリアと二人になりたいからどっかいk…

カイト

じゃなくて、向こうでお前の好きそうな絵があったぞ。

カイト

行ってこい。

シゼ

(この子さっき、どっか行けって言いかけたな。)

カイト

シゼ、なぁ行って来いよ。

カイト

なぁ。

シゼ

は、はいはい!

シゼ

(顔面の圧がすごい)

シゼ

わかりました、行ってきますよ!

シゼ

シゼ

はぁ…

シゼ

1人になっちゃった…。

シゼ

(ここら辺の絵でも見ながら、時間を潰すか…)

シゼ

ん?

シゼ

シゼ

うわ、これ…私の他の作品の絵だ!

シゼ

(盗賊の絵に、剣士の絵に、)

シゼ

(ミステリーの絵…)

シゼ

(『とある男女の…』以外の)

シゼ

(私の描いたお話の絵がいっぱいある!)

シゼ

シゼ

タイトル【私の大好きな物語の世界】

作 カイト・キャザー

シゼ

“私”…

シゼ

シゼ

マリア様、

シゼ

カイトに沢山私の小説のことを話してたのかな…?

シゼ

…。

シゼ

…ふふ、

シゼ

マリア様、私の小説のこと好きすぎでしょ。

シゼ

シゼ

(やばい、超嬉しい…)

シゼ

(嬉し過ぎて…にやにやしちゃう。)

セオドア

セオドア

シゼ?

シゼ

!、

シゼ

えっ、

シゼ

セオドア様…っ?

セオドア

やっぱりシゼだ。

セオドア

久しぶりだね、元気だった?

にこっ、 (セオドアがシゼを見て微笑む)

シゼ

は、はい。

シゼ

2年ぶりですね。

シゼ

セオドア様も、個展に呼ばれたのですか?

セオドア

うん、そう。

セオドア

ちなみに、ルドルフも一緒だよ。

シゼ

あ、そうなのですか。

セオドア

ああ、

セオドア

ルドルフからよく、君の話を聞くよ。

セオドア

従者のテストで10位に入ったらしいね、おめでとう。

シゼ

あ、はい。

シゼ

ありがとうございます…。

セオドア

本当にシゼはすごいよ。

セオドア

主人の方から、沢山誉められたんじゃない?

シゼ

あ、はい…。

シゼ

沢山誉めてもらいました。

セオドア

そっか、よかったね。

セオドア

セオドア

シゼは会うたびに立派な女性になってるから、

セオドア

尊敬するよ。

シゼ

いえいえ、

シゼ

そんなことないですよ。

シゼ

私はまだまだ未熟です。

シゼ

シゼ

セオドア様こそ

シゼ

最近医学の勉強なさってると、

シゼ

ルドルフ様からお聞きしました。

シゼ

お仕事と勉強を同時にされているなんて、すごいです。

セオドア

いやいや、そんなことないよ。

セオドア

セオドア

…僕は、ちっとも自分の理想に進めてはいないんだ。

シゼ

えっ、

シゼ

そうなんですか?

セオドア

うん。

セオドア

(結婚もうまくいかないし)

セオドア

(仕事も、最近は船にさえ乗せてもらえないし)

セオドア

(自分はルドルフに助けてもらってばかりで)

セオドア

(父さんにびびって、部屋に引きこもってばかり…)

セオドア

僕、誰かに助けてもらってばっかりで

セオドア

少し自信がなくなっちゃった…。

シゼ

そうなのですか…。

シゼ

セオドア

…。

セオドア

あ、ごめん。

セオドア

暗い感じにしちゃったよね。

セオドア

忘れて。

シゼ

!…

シゼ

シゼ

……。

シゼ

いいえ、忘れません。

セオドア

!?

セオドア

えっ。

シゼ

自分の気持ちは大切にしてあげてください。

シゼ

初めてお会いした時、

シゼ

セオドア様は自分の気持ちを大切にしてって、

シゼ

私に言ってくださいましたよね?

辛かったら辛い、

怖かったら怖いって伝えて

自分の気持ちを大切にしてあげて。

セオドア

シゼ

セオドア様の素直な気持ちは、とっても大切な気持ちです。

シゼ

暗い空気になってもいいので、

シゼ

自分が暗い気持ちでいることを、かき消さないであげてください。

セオドア

!、

セオドア

シゼ…。

シゼ

シゼ

す、すみません…上から目線なこと言っちゃって。

シゼ

私に聞かれたくない内容なら、話さなくていいですから…。

セオドア

…ううん。

セオドア

謝らなくていい。

セオドア

セオドア

…むしろ、

セオドア

ありがとう、シゼ。

セオドア

なんか、嬉しい気持ちになった。

シゼ

!、本当ですか?

シゼ

そう言ってくださると私も、嬉しいです。

セオドア

セオドア

…シゼも?

シゼ

はい、

シゼ

私、

シゼ

自分にいいことがあるより、

シゼ

誰かにいいことがある方が好きなんで。

セオドア

!…

セオドア

シゼ…

セオドア

(…シゼが城の中で人目置かれる理由がわかった気がする。)

セオドア

セオドア

(この子は、すごく心が綺麗だ。)

セオドア

(今まで俺が見てきた誰よりも…)

セオドア

セオドア

ありがとう、シゼ。

シゼ

はい。

シゼ

…。

シゼ

シゼ

(うわイケメンだなぁ〜…。)

シゼ

(笑顔がまぶしい、前世にいたら絶対ジャ〇ーズ入ってるわ。)

シゼ

(今、22歳くらいだよね?いいね、爽やかで素敵…)

シゼ

(奥さんもさぞ綺麗なんだろうな。)

シゼ

シゼ

(ん…?)

シゼ

(奥さん…?)

「適当な罪をつけて、 ベル様の奴隷にする」

「俺らの主人は、 お前の主人の嫁だぞ!」

シゼ

!…

シゼ

そうだ!!

セオドア

シゼ

(私、ついこの前)

シゼ

(セオドアの奥さん(ベル様)の従者に襲われかけたんだった!)

シゼ

(旦那のセオドアがここにいるってことは、)

シゼ

(ベル様もすぐ近くにいるかもしれない!)

シゼ

(今すぐ彼から離れないと、また何かされるかも…!)

セオドア

し、シゼ…大丈夫?

セオドア

顔が真っ青だよ。

シゼ

な、なんでもありません失礼します!(早口)

セオドア

!、えっ!?

セオドア

ちょ、待って…シゼ!

シゼ

(やばいやばいやばいやばい)

シゼ

(ベル様とベル様の従者に会ったら、また襲われるー!)

ドガッ!!

シゼ

あびっ!?

ひゃっ!

(シゼが誰かとぶつかる)

あ、あらごめんなさい。お怪我はありませんか?

シゼ

は、はい大丈夫です…

シゼ

って、

!、シゼさん!

シゼ

オーロラさん…?

オーロラ

ッ…!

オーロラ

オーロラ

シゼさんーっ!

がばっ!

(オーロラがシゼに抱き着く)

シゼ

ひぇぇっ!?

シゼ

な、なな…。

オーロラ

ッ…ぐす、ううっ。

オーロラ

まさか、こんなところでお会いできるなんて

オーロラ

私、ずっとあなたを探していたんですよ…!!

シゼ

シゼ

え、そうなんですか?

シゼ

それはまたどうして…

ルドルフ

ルドルフ

もーなに、セオドア~、俺今、女の子といい感じだったんだけどー。

セオドア

うるさい。

セオドア

!、シゼ

セオドア

あんなところに…。

カイト

カイト

!、マリア、マリア!シゼを見つけたぞ!

マリア

!、あら、ほんとだわ!あの子ったら、あんなところに…

マリア

ん?あれはもしかして…。

マリア

ッ、ルドルフ様とセオドア様!?

シゼ

シゼ

シゼ

うわー、いっぱいこっちに来る…。

オーロラ

!、あらほんとですわね…

オーロラ

どうしましょう、

オーロラ

オーロラ

この際、シゼさん以外にも

オーロラ

「この事」を話した方が良いのかしら…?

シゼ

「この事」?

オーロラ

はい、実は…。

オーロラ

オーロラ

レンの行方が分からなくなってしまって…。

シゼ

えっ!?

第12話 おわり

とある物書きの挑戦譚 【第三期】

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コメント

4

ユーザー

執筆お疲れ様です🙇‍♂️ カイト様が描いた絵を見てニヤニヤするシゼちゃんが愛おしすぎます… セオドア様との会話で、シゼちゃんの真っ直ぐなところが改めて知れて、凄い応援したくなっちゃいます🥰 レン様が居なくなったとなれば、私は火の中にでも飛び込みます…🥺

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