それは突然だった
予兆もなく
その時が現れた
茜
ロボロ
ロボロ
チーノ
チーノ
ロボロ
チーノ
茜
茜
病院を出て、今から帰ると母に連絡した
いつもならすぐに既読がついて
可愛いウサギのスタンプと共に
「気を付けて帰ってきてね」
と返ってくるのだが
一向に既読にならない
兄さんに電話をかけたが出ない
茜
チーノ
茜
チーノ
ピーポーピーポー
救急隊員
救急隊員
1台の救急車が病院の前に停車した
チーノ
茜
茜
そう言ってこの場を後にしようとした時
どこからか聞き覚えのある声がした
…さ…!
…さん
か…さ…
母さん…!
茜
茜
ロボロ
茜
医者
茜
病院からお医者さんが慌ただしく出てきて、私の肩にぶつかった
そんな痛みなんて気にせず、私は救急隊の人の話に聞き入った
医者
救急隊員
救急隊員
救急隊員
医者
救急隊員
医者
救急隊員
医者
医者
医者
救急隊員
救急隊員
医者
医者
医者
救急隊員
救急隊員
医者
茜
茜
桐山、理子
いつも私の味方をしてくれて
見守ってくれて
……
お母さん
お母さんだ…
この中にいるのは
私の、お母さんだ…
違う
絶対違う
そんなわけない
そんなわけ…
チーノ
立ち尽くしていると
担架を持った救急隊員と
シャオロン
兄さんが、出てきた
茜
兄さんは私に目もくれず
病院の中に入って行った
頭が動かない
あれは本当にお母さんなの?
違う
兄さんはバカだから
自分の母親と他人を間違えてるのね
きっとそう
私がしっかりしなきゃ
本当に
本当にお母さんなのか
確かめなきゃ
私は兄さんのあとを追った
チーノ
茜
ロボロ
ロボロ
茜
ロボロ
チーノ
茜
茜
茜
茜
茜
そう言い残して再び病院の中に入った
茜
シャオロン
シャオロン
茜
シャオロン
茜
茜
シャオロン
シャオロン
シャオロン
茜
茜
茜
茜
シャオロン
茜
シャオロン
シャオロン
シャオロン
兄さんは目を虚ろにしながら淡々と話し始めた
兄さんとお母さんは私の試合に来ようとしていたこと
途中で父さんと出会って
私の高校の棄権による相手校が不戦勝したことも
兄さんも高校時代に私と同じやり方をされたことも
母さんはひどく落ち込んでいた
自分は母親なのに
私たちを守れなかったと
心の中では父さんは子供達のことを何とも思っていないんだと分かってた
けど
認めたくなかったと
帰ると言って母さんだけ家に帰ったらしい
兄さんは試合会場に行って私を探したらしいが
母さんのことが心配になって家に帰ると
……
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
茜
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
もう
どうにかなってしまいそう
思考回路が働かない
私は何も言えず、その場に立ちつくした
医者が母の死を伝えに来るまでは
紗結
紗結
茜
七瀬さんに呼ばれ
社長室に入ることになった
母が亡くなってすぐだったため
最初断ったが
兄さんが「あとは俺がやる」と行かせてくれた
紗結
茜
茜
茜
茜
紗結
紗結
茜
紗結
茜
紗結
紗結
紗結
茜
紗結
茜
茜
茜
茜
茜
茜
もう戻れない
紗結
紗結
紗結
茜
茜
茜
茜
茜
紗結
紗結
紗結
紗結
茜
紗結
紗結
紗結
茜
そうだ、泊まる場所
私と兄にはもう帰る場所がない
帰るはずだった場所は
母の死に場所になってしまった
かと言って、七瀬さんに頼りきりは申し訳ない
茜
紗結
茜
紗結
紗結
茜
心配そうな顔をする七瀬さんに
ぺこっとお辞儀をして
社長室を出た
紗結
紗結
キィィ…
紗結
紗結
紗結
紗結
紗結
ゾム
ゾム
紗結
紗結
ゾム
紗結
紗結
紗結
紗結
ゾム
紗結
ゾム
ゾム
紗結
紗結
紗結
紗結
ゾム
紗結
紗結
紗結
コメント
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好きすぎて泣く(?)