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15 - 🍈🐷『バレンタイン』

♥

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2025年02月14日

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りぃちょ

キャメさんさ、今年チョコ貰えそう?w

部活終わり、自転車を押しながら歩くりぃちょくんにそう言われた。

キャメロン

いやいやいや俺一応毎年貰ってるんだけど!?

全く失礼なやつだ。

部活の部長がモテないはずがないだろう。

りぃちょ

ふぅーん……誰に貰ってんの?

キャメロン

そりゃあ部活のマネージャーさんとか、女バスの人とか…

りぃちょ

へぇ…

少し、りぃちょくんの表情が暗くなった気がした。

気の所為かもしれないけれど。

キャメロン

…りぃちょく――

りぃちょ

じゃあおれからのチョコ、いらない?

キャメロン

え!?

寒さのせいか、りぃちょくんの頬が少し赤くなっていて

少し勘違いをしてしまいそうになる。

『俺のことを好きなんじゃないか』

なんて。

キャメロン

いる……欲しい!

りぃちょ

……へへ、じゃあまた明日ね!

キャメロン

あ、うん!また明日…!

りぃちょ

(キャメさん、いるって、欲しいって……!)

りぃちょ

へへっ…

自転車を漕ぎながら、思わず顔がにやける。

帰ったらすぐ、チョコ作ろう…!

りぃちょ

ただいまー!

おかえり

おかえりー!

みんな揃ってキッチンに立っていた。

りぃちょ

うぇ、姉ちゃん達何してんの?

なにしてんのって…明日バレンタインだからみんな大忙しなのよ。

りぃちょ

…おれも一緒に、作ってもいい?

いいよー!いつも言ってるきゃめせんぱい?

妹が純粋な目でそう言ってくるので、つい焦って大きな声が出る。

りぃちょ

わ"ー!!いいよそれは!!友チョコ!友チョコだから!!

まあ来なよ笑

みんなはブランデーケーキ?を作ってるらしいが、おれにそんな高度な技術は無いので、普通のチョコレートを作ることにする。

教えてあげるのに〜

まあ本命君に渡すチョコだから、自分だけで作りたいのかもね

そういうことね〜

なんて言う母達の戯言は無視して、チョコレート作りを始めた。

りぃちょ

っ……できた…!

おぉ…にぃにすごい!チョコ可愛い〜!

綺麗なハート型だね笑

りぃちょ

うるさいな!

りぃちょ

(これで明日、キャメさんに渡せる!)

ラッピングをして、冷蔵庫にしまった。

翌日、学校へ行くとたくさんのチョコレートに囲まれたキャメさんがいた。

キャメロン

今年多いなぁ…

りぃちょ

やっば……

机に山積みになったチョコレートを綺麗に並べてロッカーに突っ込む。

キャメロン

手伝ってくれてありがとね、りぃちょくん

りぃちょ

…うん。

りぃちょ

(…こんなにあるなら、渡しちゃ迷惑かな…。)

なんてことを考えていると、一限目のチャイムがなってしまった。

りぃちょ

あっ!おれ教室帰るね!チョコ食べるの頑張って!!

キャメロン

え、あ、うん…!

全力で階段を駆け上がった。

そのまま、なんだかんだ渡せず放課後になってしまった。

りぃちょ

(どうしよ…せっかく作ったし渡したいけど…)

チラリと、キャメさんのカバンを見る。

パンパンにチョコが詰まっていて、すごく重そうだ。

キャメロン

…りぃちょくん

りぃちょ

え!?なに!?

キャメロン

りぃちょくんのチョコ、ほしいな〜…なんて…

マフラーで顔を隠しながらそういった。

りぃちょ

ずるいな……

りぃちょ

…はい、手作りだから…ちゃんと食べてよ!

可愛くラッピングしたチョコレートをキャメさんに手渡した。

キャメロン

ありがとう!!

キャメさんは目を輝かせながら、おれが渡したチョコレートを見つめている。

りぃちょ

…ふふ笑

りぃちょ

(ここで、好きですって言いながら渡せたらよかったのになぁ…。)

りぃちょ

(おれが、かわいい女の子なら、よかったのになぁ…………)

涙が溢れて、止まらなくて。

キャメロン

え!?りぃちょくん!?ちょ、なんで泣いて――

りぃちょ

(あぁ、困らせちゃった。ごめんね…キャメさん。)

キャメさんに、抱きしめられて

自転車が倒れる音がする。

りぃちょ

きゃめさ、

キャメロン

…りぃちょくん、俺、りぃちょくんのこと好きなんだ。

キャメロン

好きだから、りぃちょくんからのチョコが欲しかったし、毎日一緒に帰ってた。

キャメロン

…俺と、付き合って欲しい。

キャメさんの珍しく真剣な眼差しに、目が離せなくなる。

りぃちょ

………いい、の?ほんとにおれで、いいの…?

キャメロン

うん。

りぃちょ

おれ、女の子みたいにおしとやかじゃないし、おっぱいないよ、?いいの…?

キャメロン

男とか女とか関係なく、りぃちょくんがいいんだよ。

りぃちょ

っ…………

また、涙が溢れてくる。

俺の3年間、無駄じゃなかったんだ。

中学の頃から、ずっと好きで

キャメさんと同じ高校に入りたくて、必死に勉強して…

高校でもずっとアタックし続けた時間、無駄じゃなかったんだ…………

りぃちょ

おれ、も…キャメさんがいい…おれも、好き…っ

夕日に包まれて、口付けを交わした。

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