「え……宇髄先生………?」 激しく鳴る鼓動。自分でもわかるほど強く、大きく鳴っている。 頬を赤らめる教え子が眼の前に居るが、そんなことは関係ない。 今すぐ、こいつを俺のモノにしたい。 きっかけはアイツが俺のテリトリー(美術室)に来た事から始まった。 その日は、朝からそこまでさえない天気であって、傘を所持する生徒もおおかった。気分は暗く、うんざりとした雰囲気に似合わず 「うぃ〜♪今日は風紀委員の仕事なーし♪」 周りとは違ったハイトーンの明るい声、目立つ髪。 こいつこそが、我妻善逸。 いま、俺が抱きしめている男。(男って言ってもなんか……体格小せえし、男じゃないかも……ってか男っていうよりか 以下略) 派手好きな俺が面白いという理由で、絡んでいる数少ない生徒だ。 嫌な顔しつつも、善逸は軽く俺をあしらってくれる。嫌ではないらしい。 ここまではよかった。いつもどおり。 放課後、案の定雨が降った。多分これ、雷なるんじゃね? コンコン 普段、だれも叩かない美術室の扉が叩かれ、俺の「どうぞ」の声で戸が横に引かれた。 「ずびまぜん………宇髄さんいますぅ………?」 聞き覚えしかない声は震えていて、はでなたんぽぽ髪はテカってたれている。 廊下の電気は消されており、よく見えないが、 もちろん、制服はびしょ濡れ。ワイシャツが体に張り付いていた。 「おまえ、なにやってんの善逸」 俺が笑ったので、善逸が微かに赤くなる。 「傘を貸しちゃって………」 「廊下寒いだろ、入れ」 少し恥ずかし混じりで善逸が美術室に足を踏み入れる。 暗くて見えなかったが、うん、そんなとこまでびしょ濡れじゃん。えっろ……。 (ドキッ) 「!?」 (今俺、ドキッって言った………?) 誤作動を起こした心臓に内心めちゃくちゃ焦る。 まぁ、確かに。スラリとした体型についている細い筋肉。男にしては高い声。 低い身長。下手したら女にも見える。なんか、ん。えっろ………。 (いやいやいやいや、なに考えてんだσ(゚∀゚ )オレ、パァ) 「(; ・`д・´)チラッ」 すっと目をそらして、もう一度まじまじと見る。 「えぇ?何?せんせー」 善逸が俺の行動に混乱しつつ、ふふふっと笑う。 (笑った……!) いやいやいやいや,よし。 「タオル、奥にあるから。取ってこい。」 キャンバスに向き直り、筆先で準備室を指す。これでもう大丈夫だろう、 きっと善逸が出てくる頃にはきっと、心臓の誤作動も収まっているはずだ。 「はーい」 ガサゴソガサゴソ だったはずなのに……、 なんか、長いな。善逸。もしや……ん。嫌な予感が……… 「じゃじゃーん!」 準備室のドアが開く。 「遅かったn」と言いかけて口を、いや、言葉がとまる。 体格に似合わない大きさのパーカーを、善逸が身に纏っていた。 勿論、ソレは持ち込み品ではない。 「ソファに投げられてたから…………着ちゃった☆」 きっと悪気は無いのだろう。でも……なぁ、んんんん 何をするかと思ったら、不意に、善逸が袖を嗅ぎだした。 「ん〜、宇髄さんの香水の匂いだ〜」 !? カレパアァァァァアアアアーーーー!!!!!!!!?!??! くっ、処女の俺には刺激がッ(宇善です) その場でくるりんと一回転。 「うわっ!」 自分が濡らした床にて転倒!え!? すぐに体が動く、パサッと音をたてて善逸が俺の胸元に落ちた。 「よかっ……た……」 と思ったのもつかの間。体の感触がおかしいのがわかった。 この腕の中にある温かいものが。 「え」 心拍があがる きっと今情けない顔してるんだろうな。 「宇髄先生……?」
コメント
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最高すぎますって......アカデミー賞だなぁ.....これぇ......(?)
控えめに言うて最高
キモいwww