夏樹
夏樹
冬也
冬也からは声に成りそびれた音が出る。
冬也
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹はガードレールに腰掛けて 足をぶらぶらさせていた。
石田の横顔綺麗だな。
長い睫毛が細い目を縁(ふち)どっている
冬也
夏樹
周りには他に誰もいないのに わざとらしく相槌を打つ
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
長い間悩んだ結果これだ。
石田はホントに読めない奴。
なーに考えてるのか さっぱりわっかんねぇ
夏樹
冬也
夏樹
冬也
夏樹
夏樹
夏樹
さっきまで右手の山から少しだけ顔を 出していた太陽が姿を出し始めている。
綺麗な夏の朝だ。
田舎は人が少なく 広大な海を通って吹きつける風は 水を含んで夏の香りを運んでくれる。
体育教師である俺が 担任をしているクラスの生徒である 石田夏樹(いしだ なつき)と朝こうやって広大な水平線の前で言葉を交わす様になったのはつい最近の事だ。
最初はたまたまバッタリ会って 挨拶をしたら石田が食いついてきて 少しだけ立ち話をしたとこからだ。
そこからとはいうもの毎日そこから バッタリ会うようになった。
会う度に立ち話をするのが 最近毎日続いている。
本当に他愛も無い会話だけど 他愛が無いから落ち着くというのも あるかもしれない。
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
冬也
冬也
夏樹
海を通って水をたっぷり含んだ風が 背中を押してくれる。
冬也
夏樹