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夏樹

せんせー

夏樹

俺が卒業したら結婚しよーね

冬也

...ぇ?

冬也からは声に成りそびれた音が出る。

冬也

石田くん今なんて?

夏樹

そんなん冗談ですよ

夏樹

なーに本気にしてるんすか

夏樹

はずかしっ

夏樹はガードレールに腰掛けて 足をぶらぶらさせていた。

石田の横顔綺麗だな。

長い睫毛が細い目を縁(ふち)どっている

冬也

石田くんは卒業したら何するつもりなん?

夏樹

僕?

周りには他に誰もいないのに わざとらしく相槌を打つ

夏樹

ぼくはね〜

夏樹

そうだな

夏樹

んー

夏樹

夏樹

決めてないや

長い間悩んだ結果これだ。

石田はホントに読めない奴。

なーに考えてるのか さっぱりわっかんねぇ

夏樹

せんせーは僕が卒業したらどうする?

冬也

どうするって?

夏樹

悲しむ?

冬也

まー、淋しくなるな

夏樹

じゃあ卒業しても傍にいたげる

夏樹

って冗談ね?!

夏樹

どん引かないでもらっていいすか?!

さっきまで右手の山から少しだけ顔を 出していた太陽が姿を出し始めている。

綺麗な夏の朝だ。

田舎は人が少なく 広大な海を通って吹きつける風は 水を含んで夏の香りを運んでくれる。

体育教師である俺が 担任をしているクラスの生徒である 石田夏樹(いしだ なつき)と朝こうやって広大な水平線の前で言葉を交わす様になったのはつい最近の事だ。

最初はたまたまバッタリ会って 挨拶をしたら石田が食いついてきて 少しだけ立ち話をしたとこからだ。

そこからとはいうもの毎日そこから バッタリ会うようになった。

会う度に立ち話をするのが 最近毎日続いている。

本当に他愛も無い会話だけど 他愛が無いから落ち着くというのも あるかもしれない。

夏樹

せんせー?

夏樹

大丈夫?今めっちゃ遠い目してたよ

夏樹

なんか

夏樹

なんかドラマに居そうな顔してた!!

冬也

微妙な例えだな。

冬也

いくか。

夏樹

そーね

海を通って水をたっぷり含んだ風が 背中を押してくれる。

冬也

今日はいい日になりそうだな。

夏樹

おやじくさっ

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