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寺育ちのK
15
手を伸ばしても届かないものがあるって知った時
僕は、僕が思っていたより ずっとずっとちっぽけな存在だったんだとわかった。
水紋
ママ
水紋
水紋
ママ
水紋
ママ
水紋
パパ
水紋
ママ
ママもパパもいつも優しい人だった。
僕は昔から身体が弱くってすぐに熱を出しては 入退院を何度も繰り返していたんだけど
二人ともそんな僕の頭をいつも優しく撫でてくれて
怖くって眠れない時は手をぎゅっと握ってくれて
いつも抱きしめて安心させてくれる。 そんな二人のことが僕はとっても大好きだったんだ
だから、病気が辛くても
お友達と遊べなくても悲しくなかったんだよ
だって、ひとりぼっちじゃ無かったんだから
お医者さん
お医者さん
水紋
水紋
水紋
お医者さん
お医者さん
水紋
小児科の先生達も優しかったな
昔から入退院を繰り返して 小児科の常連さんでね
入院生活の時はこの人たちに支えられてた
泣き虫な僕が怖がらないよう寂しくないように
沢山工夫して
ずっと傍で寄り添ってくれてたんだ。
ありがたいなぁ
嬉しかったなぁ
入院してた時はママとパパがお見舞いに来てくれて
その度に新しいおもちゃや 絵本を持ってきてくれてね
僕、本っ当に幸せだったんだよ。
…でもね
幸せなことってね ずっと続いていくものじゃ無かったみたい。
僕が小学生になる少し前
一時退院した日の夜 喉が乾いて階段を降りようとした時にね
水紋
ママ
ママ
パパ
水紋
水紋
その日、久しぶりに帰れたのが嬉しくって あんまり気がついてなかったんだけど
どうやら、パパとママは
一緒に生活することは出来なくなっていたみたい
理由はね、ほんのちょっとだけ聞こえたのがね
ママ
ママ
パパ
パパ
パパ
ママ
水紋
次の日にはもうママはいなかった
パパ
パパ
水紋
水紋
その時、パパの目の下に隈があって
目も少し赤かったことには気が付かないフリをした
だって、ママとパパが離れ離れに なっちゃったのは全部僕のせいなんだから
僕が病弱じゃなかったら
入院生活なんて送らない子だったら
迷惑をかけないような子だったら
僕がいなければ
パパとママはずっとずっと 幸せでいられたのに
だから、これ以上パパに辛い思いなんて されられなかったんだもん
それから何年も経った
水紋
水紋
パパ
パパ
水紋
パパとの二人暮しは 毎日楽しくて不満なんてないよ
パパに迷惑をかけないように家事も覚えたし
健康にも気を使って生活してるから 入院する程のことなんて無いし
学校にもこうやって通えるくらい元気だし
…でも
水紋
パパ
パパ
水紋
水紋
水紋
パパ
パパ
水紋
たまに、また怖くなるんだ
また僕のせいで大切な人に迷惑がかかって
僕の大好きな人たちが バラバラになっちゃったりしたらって考えたら。
ママのことだったり
健康な身体だったり
友達と過ごせる時間だったり
必死に手を伸ばしてもギリギリ届かないものが いつまでも僕の中に沢山あって
それを認識する度に悲しくなって、惨めになって
心臓がぎゅ〜ってなって苦しくなって
とっても寂しいんだよね
水紋
コメント
10件
え、おもなに重いんですけどねぇ本当にねぇぇぇぇ 幸せになってね本当に幸せにするよまじで……