この作品はいかがでしたか?
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切ないくらい
キミのことが好きだった.
「お前のことがすげえ好き」
キミの想いに涙した.
でもごめんね
私は何も言えなかった.
「好き」
ホントは言いたい
だけど言わない
気持ちを押し殺して
今日も私は笑うんだ.
【prologue】
零次
零次
__ピッ ピッ ピッ ピッ
目を閉じていてもわかる
心電図モニターの機械音.
規則正しく酸素を送って
呼吸を助けてくれる、 人工呼吸器.
もうどれくらい目を
開けられずにいるのかな.
ふわふわ宙に浮いた感覚.
まるで魂が体から離れていくような…
不思議な感じがする.
もしかすると、このまま…。
零次
零次
零次
誰かがギュッと
手を握っているけれど.
ごめんね……。
私には握り返す余力さえ
残されていない.
キミの手は大きくて
頼りがいがあって、優しくて
温もりに溢れていたね.
不安な時も悲しい時も
キミの温もりに
助けられていたんだよ.
零次
やめてよ.
耳元で、そんなに
切なげな声を出さないで.
わたしは__
キミの笑顔が好きだった.
今でも、大好きだから.
キミには幸せになってほしいと
思ってるんだ.
だからお願い.
これからもずっと笑顔で
いてくれないかな.
ねぇ、笑って?
どうして泣くの……?
キミに泣かれるとツラいから__
どうか……お願い.
わたしはただ____ ”
【第1章】
~雨の日の出来事~
すっかり秋めいて涼しくなり、
カーディガンを着てても
身震いするほど寒い雨の日.
帰宅途中で雨に降られ
通学路の中ほどにある
古びた駄菓子屋さんの前の軒下で
足止めをくらった.
楓夏
楓夏
ザーッと
本降りになっていく雨を見ながら
傘を持って来なかったことを
後悔する.
今日の予報では雨だなんて
言ってなかったのに
こんなのってあんまりだ.
どんより曇る空.
まだまだ雨は止みそうにない.
むしろ、これから
どんどん激しくなっていきそう.
どうしよう.
この辺はコンビニやスーパーもないし
傘を入手するのは難しそう.
走って帰るのは
ためらわれるから、小雨になるまで
ここでしのぐしかない.
アスファルトが一瞬で濃く染まり
辺りには水たまりが
たくさん出来ている.
水たまりどころじゃないくらい.
はぁ、やだなぁ.
早く止んでよ.
これから夕飯の買い出しをして
帰らなきゃいけないのに.
わたし、紀平 楓夏は
15歳の高校1年生.
猛勉強の末に合格を掴んだ進学校に
通い始めて半年.
仲のいい友達も出来て
それなりに充実した
学校生活を送っている.
これといって目立つ容姿を
しているわけでもなく
どちらかというと
地味で控えめな方.
だけど、ほとんど
人見知りをしないわたしは
今まで人間関係に
困ったことはない.
『浅く広く、みんなで仲良く』
なモットーなの.
それにしても、この雨
……ホントにやだ.
アスファルトから雨粒が跳ね返り
靴はもちろん、靴下までにも
じわざわ水分がしみて気持ち悪い.
足元が急激に冷えて
ブルブル身震いしてしまった.
さ、寒い……。
このまま待ってても
止みそうにないし
濡れるのは嫌だけど走って帰ろうか.
そう決心したものの
アスファルトを激しく叩きつける雨を
見ていると足がすくむ.
濡れるのが大嫌いな私にとって
雨は天敵でしかないのだ.
立ちすくんでいると
車道を挟んだ反対側の道から
誰かが走り寄って来るのが見えた.
傘をさしておらず、
雨を避けるように
カバンで頭を覆いながら
近付いて来る.
どこか見覚えがあるその人.
あれは……。
❤️きたら続き出します!!🙌 読んでくれて ありがとです!!🥀 ぜひ他のも 見てみてください!!😊 みなさんのおかげで ❤️20000越えました!!(2日前)笑 本当にありがとです!!✨ これからも宜しくお願いします!!
コメント
8件
小説みたいで良いですね✨✨
おやすみ💤
恋の音が聞こえたら)が見れなくなったのですが……