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花京院

さて、僕の話もしたんだし君も何か話してくれないか?

ポルナレフ

えー、いいけど例えばどんな話をご希望なんだよ

花京院

そうだな…楽器を始めたきっかけ、とか?

ポルナレフ

えー、言わなきゃだめぇ?

花京院

僕だって話したんだ、君だけ話さないなんてずるいじゃあないか!

ポルナレフ

ちっ、わーったよ!

ポルナレフ

……と言っても、楽器を始めたのはだいぶ昔だぜ

始めたのはもうだいぶ前、7歳とか8歳とか、幼い時からだぜ

親は俺たちが産まれる前から楽器に触れていて、俺とシェリーはそれを見るのが楽しかった

けどいつか、俺達も楽器を触れたくなっていた

10数年前

ポルナレフ

おれ!ギターやりたーい!

ポルナレフの母

ふふ、はいはい分かったよ

ポルナレフの母

ポルナレフはあたしのギターに余っ程惚れたんだねぇー!嬉しいよぉ

ポルナレフ

うん!ギターひくところかっけぇもん!!

シェリー

わ、わたしもッ!がっき!

ポルナレフの父

ハハッ、シェリーにはまだ早いなぁ

シェリー

むぅ〜わたしもがっきひきたいー!

ポルナレフの母

シェリーは何が弾きたいんだ?私のようなギターか?

ポルナレフの父

俺みたいなボーカルかな?シェリーならきっと天使のような歌声さ

シェリー

わ、わたしはね!ドラム〜!

ポルナレフ

えぇ?!ドラムぅ?!

ポルナレフの母

あんた……もしかして私たちのバンドのドラムのティムに惚れてるんじゃ…

ポルナレフの父

よし、ならばティムと戦争だ

シェリー

ちーがーうー!!

シェリー

だって、すてきだもの!ドラム!!

シェリー

みーんなをささえて、まもってて、かっこよくて

シェリー

わたしもみんなをささえたいのー!!

ポルナレフの母

シェリーッ!!さすがあたし達の子だねぇ!!

ポルナレフの母

可愛いわ〜!!私に似て天使ねぇ!!

ポルナレフの父

そ、そうだねぇ

ポルナレフの母

何その反応!酷くないかぁ?!

ポルナレフ

父ちゃんさいてー!!

ポルナレフの父

え、えぇ〜

俺はまだその頃はギターが大好きで、ミュージシャンになりたいと夢を見ていたっけなぁ

ほんと、あの頃はすげぇ夢見てたぜ…

数年後

シェリー

もうお兄ちゃん!!ギターの音うるさい!!

ポルナレフ

いいだろ別にー!!今いい所なのによ!!

シェリー

私今、ドラムやってるの!邪魔しないでよね

ポルナレフ

にゃにおーん?!

ポルナレフの母

コラコラ喧嘩しない!

シェリー

だってお母さん〜

ポルナレフ

シェリーが悪いんだぜ!

ポルナレフの父

どっちもどっちだ

ポルナレフ

ブーブー!

ポルナレフの母

……ふー、ここで可愛い我が天使たちにご報告があります

ポルナレフ

シェリー

なぁに?

ポルナレフの母

1ヶ月後……

ポルナレフの母

ジャポネーゼに引越しまぁす!!!

ポルナレフ

……は?

シェリー

えっ

ポルナレフ

はああああああああああ???!!!

シェリー

ええええええええええぇぇッ?!

ポルナレフの母

はははっ!そうなるよなぁ

ポルナレフ

だ、だってジャポネーゼってあの…ジャポネーゼ?!

ポルナレフの母

そーなんだよ、バンドのヤツらと色々話してたらさ

ポルナレフの父

気に入っちゃって…引っ越すことになっちゃった

シェリー

か、かるーく言ってるけどお父さん…結構大事よそれ

ポルナレフ

マジかよ…

ポルナレフの母

2人は大丈夫か?

シェリー

お友達と離れるのは寂しいけど…

ポルナレフ

………最近、ジャポネーゼでは音楽系が盛り上がってるんだよな

シェリー

そっか…JPOPとか、アニソン、だっけ?

ポルナレフ

それに…バンドも

シェリー

…………………………

ポルナレフ

行くしかねぇな、シェリー!!

シェリー

うんっ!!!

そして俺らは引越しを了承した

ジャポネーゼでの暮らしは楽しかった

新しい発見もしたし、毎日が発見ばかり

アニソンにハマって、一瞬漫画家になろうかと思ったくらいにな

家族といる時間も増えて……嬉しかった

嬉しかったんだ

だが、お前らも知ってる ”あれ”が起きた

俺とシェリーはバンドの皆の死体を見て絶望した

シェリー

……お母さん……お父さん……

シェリー

嫌……そんな、そんなぁ…ッ!

シェリー

いやぁぁああああああ!!!!!!!!

ポルナレフ

シェリー………

シェリー

お兄ちゃん…!!私、私…

シェリー

苦しくて悲しくて辛くて……

シェリー

心臓がはりさけそうで…涙が溢れないの

シェリー

もう………やだよッ

ポルナレフ

っ……シェリー!

シェリー

お兄ちゃん…私どうしたらいいの?…

シェリー

バンドのみんな、事故であって……

シェリー

お母さんも、お父さんも、ティムやモー二ー…皆、死んじゃった…………

シェリー

うぅ……うわあああぁぁん!!!!

ポルナレフ

……お、俺が…守ってやるからな……

ポルナレフ

俺がっ……俺が!!

必死にシェリーを庇ったが、俺も正直ショックが大きくて、ちゃんとしたことが言えなかった

ただただ、撫でて…優しくだきしめ、必死に泣きじゃくるシェリーの涙を拭くことしか、俺はできなかったんだ

そこからシェリーはずっと暗かった

音楽を、ドラムを、やめてしまった

いや、厳密に言うと…できなかった

いざ弾こうとしても、母親たちの事を思い出して辛くなるからだ

そして俺は、シェリーのために何かしてやりたくて

少しでも、元気を出して欲しくて

俺はふと、過去の記憶を思い出したんだ

日本に引っ越す前くらいの記憶かな…

シェリー

絶対!お兄ちゃんはドラムの方が良いって!!

ポルナレフ

はぁ〜?!なんでだよ!

シェリー

わかんないけど、きっと似合うよ!!かっこいいし!!

ポルナレフ

やだよ俺、叩くだけなんてさ

ポルナレフ

もっとギターみたいにジャーンってしてぇもん!

シェリー

それティムが聞いたら泣くわよ……

ポルナレフ

だってよぉ〜

シェリー

……お兄ちゃんが嫌ならいいけど

シェリー

きっと、お兄ちゃんなら似合うと思うの

ポルナレフ

シェリー…

このやりとりを思い出して、俺はドラムを披露したら、元気出るんじゃあないかと思った

そこからずっと陰ながら、シェリーにバレないように練習することにした

初めてドラムを叩いた時、何故かしっくり1番しっくりきた

実はギターを弾いてる時、あんま上達しなくてよ、ほんとは体に合わねぇと思ってたんだ

けどこれで分かったんだよ、俺はドラムだったんだと

シェリーが教えてくれたんだ

そこからは必死に頑張ってドラムを頑張った

ドラムが上手い人に沢山頼んで、扱いてもらった

そして数ヶ月後…

ポルナレフ

なぁシェリー、ちょっと来てくれねぇか?

シェリー

なぁに?……

ポルナレフ

(また無理に笑ってる…ほんとはしんどくて堪らないのに)

ポルナレフ

(シェリー、俺が…お兄ちゃんが何とかしてやるからな)

シェリー

ここって…ライブハウスだよね?……

ポルナレフ

あぁ…お前に聴いて欲しくてな

シェリー

ポルナレフ

じゃじゃーん!

シルバーに輝くドラムをシェリーに見せた

シェリー

お兄ちゃん……これって

ポルナレフ

俺、必死に働いて練習したんだ

ポルナレフ

シェリーが…前、俺に似合うって言ってたろ?

ポルナレフ

だから、俺…始めることにしたんだ

ポルナレフ

シェリーに、喜んで欲しいから

シェリー

お兄ちゃん…………

ポルナレフ

んじゃ、行くぜ!

音楽を再生し、それに合わせてドラムを思いっきり叩く

その曲は、大好きな母と父の思い出の曲だった

シェリー

この曲…

ポルナレフ

(どうか、シェリーの心に響いてくれ……!!)

ポルナレフ

ふー…………

ポルナレフ

(今まで以上にいい音が出せた、気がする……シェリーはどうだったんだろうか……?)

ポルナレフ

!…

シェリーからは大粒の涙が零れていた

ポルナレフ

しぇ、シェリー?!

シェリー

お兄ちゃんのドラム…すごかった、の

シェリー

切ないけど……それ以上に嬉しくて、ほんとにお兄ちゃんにピッタリで

シェリー

最っ高だった…!!!

ポルナレフ

シェリー…!!

シェリー

お兄ちゃん…ありがとう

シェリー

私、勇気を貰えたわ…!

シェリー

さすが私のお兄ちゃん、私の騎士ねッ!

ポルナレフ

ッ……当たり前だぜ!!

優しくシェリーをだきしめ、一緒に泣いた

ま、それがきっかけで今もドラムは続けてるぜ

そしてシェリーは、改めて自分が楽器と合わないことに気づいたらしく、結局楽器を弾くのは辞めてしまった、ちと寂しいけどよ

けど、他にもできる音楽関係の資格をとって、色んな人を支えたいと音楽専門学校に通ってる

さすが俺のシェリー!!

ポルナレフ

ま、そーゆー事だぜ

花京院

……思ったより重い内容だったんだが

ポルナレフ

おめーから言ったんだろーが!!!

花京院

…にしても、今でもギターは弾けるのかい?

ポルナレフ

まぁな〜、今でも弾けるぜ、ギターは家にあるし

花京院

なら、またギターテクは見せてもらおうか……面白そうだ

ポルナレフ

………期待するなよ、ギターはあんまり上手くいかなかったんだよ

花京院

そういえば、君も結構コーラスが上手いよな

ポルナレフ

あー、一時期ギターボーカルに憧れててよ

ポルナレフ

結構練習しててさ、そんでジャポネーゼに引っ越したばかりの時、近所の子供らに披露していたんだよなぁ

ポルナレフ

……あ

花京院

どうしたんだい?

ポルナレフ

そういや、その披露で毎回来てくれる子が居てよ

ポルナレフ

あんまり喋らない子だが、いい子だったんだよなぁ、最後まで聞いてくれて、拍手してくれてよ

ポルナレフ

黒髪の髪で緑の綺麗な瞳してて…名前は教えてくれなかったけどよ

ポルナレフ

その子、元気にしてるかなぁ

花京院

まぁ案外、近くにいるかもしれないね

続く

この作品はいかがでしたか?

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