せんせーの体を拭いて、ソファに寝かせた。
散らかった部屋を片してから せんせーの隣に座って
優しく頭を撫でると、瞼がぴくりと動いて目を覚ました。
りぃちょ
しろせんせー
ああ、ダメじゃんせんせー。
おれ、ほんとに"ニキニキになっちゃう"よ?
それから、おれは ニキニキを演じることにした。
白い髪も黒く染めて、 涙ボクロをメイクでつけて。
メイクの系統を変えて、 ヘアオイルも変えた。
ニキニキと同じ色のiQOSを買って、 同じ銘柄のタバコだって吸ったし、 声もなるべく似せるようにした。
普段からニキニキが好きだったお酒を沢山飲んで、微妙なセンスの靴も買った。
ねえせんせー。
おれは、あんたの為ならいくらでも頑張れるよ。
18号
その名前で呼ばないで
我に帰ってしまいそうになる。
りぃちょ
18号
18号
18号
わかってる。
こんなの気休めでしかない って…分かってるよ。
いつかは気づいて、終わってしまう。 わかってる……でも………
18号
"騙す"
今のおれにとって、1番聞きたくない言葉。
自分がいちばんわかっているから。
騙すことが、悪いことで
それを今おれは、世界で一番好きな人にやってしまっていることを、理解しているから。
りぃちょ
りぃちょ
感情のまま、心の内を吐き出した。
18号
じゅうはちの、震えた声が聞こえて。
りぃちょ
そう一言残して、退出ボタンを押した。
しろせんせー
りぃちょ
ニキ
しろせんせー
感情が昂ったまま、抑えきれなくて
思わずボビーの家に来てしまった。
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
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