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コメント
3件
釈放感動。次「も」ということは転生経験があるのかな、、?一段落ついたけどまだまだ展開楽しみ
こさめちゃんの日記が悲しすぎる😭 みこちゃん釈放よかった!
黄ちゃん釈放ッ!!良かった…! 水ちゃん…会えるといいね~! 更新お疲れ様です!
主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 警察官パロ⚠️ 敬称に違いあり⚠️ パクリ禁止⚠️
主
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22,ただいまの音、祈りの残響
独房の鉄扉が、重たく開く音がした。
耳に馴染んだはずの金属音が、今日は少しだけ違って聞こえる。
もう、これを“出る音”として聞くのは最後だ。
係官の声が響く。
ゆっくりと立ち上がる。
長い間着慣れた灰色の囚人服を脱ぎ、差し出された服に袖を通した。
鏡の中の自分は、少しだけ痩せていた。
だがその瞳には、久しく見なかった光が戻っていた。
思わず、呟いて笑う。
柔らかな布の感触。
胸の奥に、懐かしい鼓動が蘇る。
須智が廊下の向こうに立っていた。
制服姿のまま、どこかぎこちない笑顔を浮かべている。
冗談を言い合えるだけで、胸が温かくなる。
あの日、牢の中で聞いた“真犯人逮捕”の報せから数日。
正式な無罪判決が下り、美琴の長い拘留はようやく終わりを告げた。
外に出ると、風が頬を撫でた。
その匂いに、思わず目を細める。
湿った匂いと冷たい空気、遠くで聞こえる車の音——どれも懐かしい。
須智がパトカーのドアを開けてくれた。
助手席に座ると、窓の外に見慣れない景色が流れていく。
同じ町のはずなのに、色も匂いも少し違って見えた。
須智はハンドルを握りながら、ちらりと笑った。
言葉の端に、少しだけ震えがあった。
須智は笑いながらも、真っ直ぐに答える。
信じられる声。
あの夜、流れ星の下で交わした祈りを思い出す。
美琴は微笑み、「うん、頼もしいや」と小さく頷いた。
街並みが見えてくる。
信号の赤が目に刺さるほど鮮やかだった。
この町の色は、こんなにも温かかっただろうか。
須智は途中の交差点で車を止めた。
須智はふ、と柔らかく微笑む。
2人して、笑い合う。
須智は手を挙げ、パトカーを走らせて去っていく。
玄関の鍵は、少し錆びて回りにくかった。
ドアを開けると、埃っぽい空気がふわりと流れ出る。
止まっていた時間が、音を立てて動き出した気がした。
机の上には、出しっぱなしの課題プリント。
読みかけの本、倒れたマグカップ。
すべてが、あの日のままだった。
声に出してみると、胸の奥が熱くなる。
椅子に座り、ゆっくりと深呼吸をした。
久しぶりに感じる「自分の部屋」の匂い。
静かなはずなのに、世界がやけに眩しかった。
既読 18:23
18:23
その頃。
牢の中では、心雨が一人、静かに日記を書いていた。
机の上には、薄いノート。
もう何冊目になるのか分からない。
また、この部屋は一人になった。 でも、今は看守が話し相手になってくれるから、苦しくないよ。 いるまさんがあんなに人間らしくなったのも、きっとみこちゃんのおかげだよね。 あの人は、すごいよ。 死刑まで、あと三十一日。
書き終えると、心雨は静かにペンを置いた。
ノートを胸に抱きしめ、うっすらと笑う。
誰に届くとも知れない祈り。
けれど、きっとどこかで美琴の耳にも届いている気がした。
天井の隙間から、冬の光が差し込む。
冷たくて、それでも優しい光だった。
その声は風に溶け、遠く遠くへと流れていった。
22・了
主
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡230
主
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#からぴち
#何でもあり