獅音
ちーっす…ってうわキモ!
獅音
蘭がスマホ見て笑ってる!
生徒会室に入ってきた獅音が ドン引きした声を出した。
蘭
獅音〜♡
なんか言った〜?
なんか言った〜?
獅音
キモいって言ったんだよカス
蘭
急に辛辣で草
竜胆
なんか兄貴昨日から
こうなんだよ
こうなんだよ
竜胆がうんざりとした声を出す。
竜胆
夜遅くにすげぇご機嫌で
帰ってきてさぁ
帰ってきてさぁ
竜胆
ちょーうざいの
獅音
ドンマイ
蘭
は???
一瞬手にあったペンケースを 投げつけようと思ったが
蘭は今すこぶる機嫌が良かったので なんとか自分を抑えた。
蘭
うるせー
蘭
別にいいじゃん
そんくらい
そんくらい
イザナ
女でもできたのか?
蘭
うわびっくりした
蘭
大将いつからいたの?
イザナ
最初から
竜胆
全然気づかなかったわ
イザナ
寝てた
獅音
野良猫じゃん
イザナ
あ?
獅音
痛い痛い
なんでキレんだよ!
なんでキレんだよ!
獅音にヘッドロックをかけて ゆらゆらと立ち上がった。
蘭
あれ?大将何処行くの?
イザナ
もっかい寝る
蘭
そっか〜
普段鶴蝶がいるときは 格好つけて仕事を真面目に やっているのだが
今日鶴蝶は用事で早く帰ったので 気が抜けているのだろう。
弟分の前ではいつも格好つけて いたいものだ。
蘭も竜胆がいるので 気持ちがよく分かる。
イザナ
…何笑ってんだよ
蘭
べっつにー?
イザナは上着を脱ぎながら 出て行った。
竜胆
イザナ帰るんなら
俺ももう帰ろっかな…
俺ももう帰ろっかな…
蘭
俺はちょっと寄るとこあるから先帰ってて
竜胆
りょーかい
葵のクラスは何組だったっけ
一緒に帰ろって迎えに行ったら どんな顔するかな
鞄を持って立ち上がったとき。
獅音
あ、そういや竜胆!
竜胆
んー?なに?
獅音
これお前の?
竜胆
え?
獅音が竜胆を引き止めて 一枚のハンカチを差し出した。
竜胆
あ、俺のだ!
獅音
やっぱりそうだと思った!
竜胆
何でお前が持ってんの?
獅音
あー、色々あって預かってた
竜胆
は?
竜胆
………ちょっと待って
竜胆
コレ、俺がアイツに
貸したやつじゃね?
貸したやつじゃね?
アイツ?
まさか 葵のこと?
ハンカチを貸したって言ってたし…
竜胆
本当になんでお前が持ってんの?!
獅音
いや、本人がお前のこと知らないらしいから俺が渡そうと思ってさぁ
竜胆
?知り合いなの?
獅音
まぁ一応
蘭
ちょっと待って
獅音
あ?
思わず獅音の肩に手を置いた時
ふわっと服から 葵と同じ洗剤の匂いがして 脳がフリーズした。
蘭
は?
その拍子に カバンの中身をぶち撒けたが 俺は悪くないと思う。
♡2000 next