輝く記憶

私は結構奇抜なメイクをして仕事に行く

身バレ防止の為に学校の姿形とは 真反対といっていいほどに変えている

そして学校にはウィッグを被って行っている

校則的に問題がある訳ではない

もし私が地毛で学校に行ったとしても クラスに何人か派手髪の生徒は居たので浮きはしないだろう

ただ私は生まれつきブロンドだった為 いわゆるプリンの状態にならないし

髪を染めていると傷んでいたりパサパサしているが

私は地毛なので全く傷んでいない

そんな少し特徴的な髪の毛を隠すために 学校ではウィッグを被っている

大きめのトートバッグに

着替えのドレス、アクセサリー、ヒール

少しのメイク道具、財布、イヤホン

前にその方から頂いたCHANELのカバンを入れて

ガチャ

私は見た目だけではなく性格も変えるようにしている

学校では大人しく上品でもあるが気取っていない様な 性格を意識している

そして仕事では

読モの時は元気がよく愛想がいい人が 現場の人に受けやすく

パパ活では品や知識を持ちながら失礼の無い程度に 踏み込めて相手を楽しませることができる

そんな女を意識する

これも身バレ防止の為

今日の撮影場所は表参道

あの方は私の生活に理解がある為

無駄な交通費をかけたくないという私の想いをくみ取って

撮影場所付近のレストランを予約して頂いてる

やはり仕事の日は憂鬱だ

私は気分をあげるために好きな音楽を聞いて 行きたくないという気持ちを紛らわしている

駅に着くとコインロッカーに荷物を入れる

奪われないためでもあるし 撮影現場の人にバレないためでもある

ロッカーキーと携帯だけを持ち撮影場所に行く

ロッカーキーはポケットに入れてしまえば

撮影になにも問題はない

私はいつも駅のトイレで着替える

他の人に迷惑がかからない程度に使っている

ドレスを着て

ヒールを履いて

アクセサリーを付ける

髪の毛を整えて

少しメイク直しをしたら

さっきとはまたガラッと印象が変わる

私は夜の街に咲く花になる

段々日が伸びてきた

お昼は暖かかったのでジャケットは持ってこなかったが

風が吹くと少し寒かった

いつもならスマホを見て暇つぶしするけれど

本を読んでいる博識な女性の方が

あの方の好みだろうと思い

あの方に頂いたカバンの中に常備してある本を取り出す

そしてしばらくすると

馬鹿な男が寄ってくる

男はそう言い本を手で覆い隠す

私はカバンに本をしまう

そして男の方を向く

さぞかし自分の顔に自信があるようで

と言い男の手を引っ張る

と言い男の身体に手を触れる

男がそう言い私にキスをしようとする

私は男の首に片手を回して

男の身体に触れていた方の手で

前から首を絞める

男はじたばた動き抵抗するが

私がこの手を離す訳もなく

最高の気分から一気に 絶望に染まったその目が美しかった

男はそう言い動かなくなった

私はそう言い男を投げた

死んだのか死んでないのかは分からない

それが面白い

私はまた本を読み始めた

すると

そのプレゼントはCartierのピアスだった

Cartierのピアスは

私が付けていたものより小さかったが

ずっしりと重みがあった

・・・

今日はなんだか長く憂鬱な1日だった

仕事の日とはそういうものなのだろう