その日から出久は何か目標を持って生活し始めた
緑谷 久実
緑谷 出久
緑谷 久実
初めの三ヶ月は友達ができたのかとも思ったがそうでもないらしい
しかし10月になる頃には彼は見違えるくらい筋肉がつき生き生きとしている
緑谷 久実
緑谷 久実
尾行を考えてみるものの人権の問題になってきそうなのでいつも通り母さんの手伝いをし出久の帰りを待った
時が過ぎ出久の雄英受験の日がやってきた
緑谷 久実
緑谷 (母)
緑谷 久実
無個性の彼が入試に行ってもきっと恥をかくだけだと母さんも知っているはず
だけどなんで天なんかに手を合わせてお祈りをしているのだろう
緑谷 久実
そう思った俺は席を立ち勉強をしに行った
そこからまた1週間が経過した夜
今日は合否発表の日だからか彼の言動はいつも以上におかしい
夜ご飯の時では魚と微笑みあっているぐらい頭がイカれてしまった
緑谷 出久
緑谷 久実
緑谷 出久
彼はこちらを向かず声だけ反応していた
緑谷 久実
緑谷 出久
緑谷 久実
会話が成り立たないぐらい彼は落ち込んでおりまるで廃人のようであった
緑谷 (母)
緑谷 久実
こんな状態の出久を置いて出かけることは申し訳ないと思うが頼まれてしまったのだから行くことにした
緑谷 久実
ヒーローを目指してそれに挫折する友達を何度も見たことはあるが彼はそれとは全く違う
多分軽はずみなことを言って仕舞えば帰って彼を傷つけてしまうだろう
緑谷 久実
緑谷 久実
ポストの中には一枚の手紙が入っておりそれの宛先は雄英高校だった
それを渡した瞬間我に帰ったようにお礼を言って受け取った彼は部屋に帰って行ってしまった
緑谷 (母)
緑谷 久実
緑谷 久実
母さんを落ち着かせつつ自分の中で彼が手紙を見ている間文を考えた
緑谷 出久
部屋から出てきた彼は泣いた後がありやはりかと私は思った
緑谷 久実
緑谷 出久
緑谷 (母)
緑谷 久実
俺の予想とはあるかに違う返答が返ってきて思わず本音が漏れてしまったがその声は母さんの声によってかき消された
緑谷 久実
緑谷 出久
緑谷 久実
頭の中でぐるぐると回る思考を一度置いておいて出久の方に向いた
緑谷 久実
緑谷 久実
本心とは全くの真逆のことを言ったせいなのか吐き気を催してしまった
緑谷 出久
緑谷 出久
その後に告げられたのは中学3年生の春に個性が発現したという話だった
母さんは受験のこともあり涙ながらに歓喜をし明日は贅沢をしようと話していた
俺はというと彼が喜べるように色々な詭弁を言ってから自室に戻った
どこまで俺をバカにしたらいい?
なぜ彼にだけ個性が宿った???
なぜ母さんは出久が合格すると信じていた??何故?
なぜ俺だけこんな理不尽な目に遭わなければならない
どれだけ努力してもほしいと願っても俺の時は裏切ったくせになんであんな奴に個性が今頃発現した
緑谷 久実
そう心のうちを吐き出してしまいたいがあの呪いの言葉のせいで薄っぺらい言葉をいつも並べる
緑谷 久実
緑谷 久実
緑谷 久実
今日が終わったらきっといつも通りの俺に戻れるはずだから今だけ泣かせてくれ
コメント
3件
久実ぃ!!出久達の前でよく耐えたよォ!!いっぱい泣いていいんだよぉ!!!😭