一人暮らしを始めたばかりの頃に、大型の台風が直撃した
その夜は、夕方から風と雨がもの凄く、テレビのニュースでもアナウンサーが気をつけるように、と注意をしていた程でした
風や雨の音が酷くて中々寝付けないでいました
ピーンポーン
深夜の1時に玄関のチャイムが鳴った
俺
そう呟きながらドアの覗きレンズを覗き込んだ
ドアの前には人が立っていた
俺
?
?
友達の声だった
俺
外が暗く、帽子を深々と被っているので、顔はよく見えなかった
俺
鍵を開け始めた
俺
俺
そこで気がついた
俺
俺
その友達には運転免許証を持っていなかった
バスも電車も、この台風の中なら動いていないはず
それに、こんな天気の夜に遊びに来るやつなんて普通いない
俺
怪しいと思いながら、再び覗きレンズを覗いた
俺
気になったので、ドア越しに聞いてみた
すると、数秒の沈黙の後...
?
顔を思いっきり覗きレンズに近づけてきた
レンズに映った顔がロウ人形の様に白く、目だけがギョロギョロとしていた
ドアのレンズに顔を近づけて口をこれでもかとばかりに横に広げ、「にいぃっっ」と笑った
俺
急いで友達に電話すると、当然ながら、彼は来てないと答えた
俺
俺は心の底からホッとした
もしドアを開けていたら今頃...
コメント
1件
あのしゃしんみた瞬間怖くて涙出てきた。