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幼なじみが可愛すぎる?!

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幼なじみが可愛すぎる?!

3 - 第2話 彼も年頃のオトコノコ

♥

39

2025年08月25日

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2階廊下

矢神 舞心透

恵、起きて。もう朝よ

矢神 恵

ん……あと5分……

矢神 舞心透

その5分で遅刻するのよ

矢神 恵

……みこ姉って朝から容赦ないんだよな

矢神 舞心透

お姉ちゃんだからね。ほら、恋羽ちゃんもそろそろ起きてくる頃だし、寝ぼけ顔を見られたい?

矢神 恵

……

佐倉 恋羽

おっはよ〜!!!!

1階からバカデカ声

矢神 恵

……っ、びっくりした……。声で完全に目ぇ覚めたわ

矢神 舞心透

恋羽ちゃん、朝から元気ね

佐倉 恋羽

あれ?恵と舞心透お姉ちゃんまだ2階かな?朝ごはん作ろ

矢神 舞心透

私たちもそろそろ下に降りましょうか

移動

リビング

佐倉 恋羽

あ、2人ともおはよう!もしかしてさっき声で起こしちゃった?もう起きてるかとおもって…ごめんね!

矢神 舞心透

ふふ、大丈夫よ。ちょうど起きるところだったから、むしろ助かったくらい

矢神 恵

……俺も。あの声で完全に目ぇ覚めたしな。まぁ…元気すぎるけど

佐倉 恋羽

よかった!2人ともパンでいい?

矢神 舞心透

うん、パンで十分よ。コーヒーもあれば嬉しいな

矢神 恵

俺もパンでいい。……あと牛乳、残ってたっけ

佐倉 恋羽

はい!どうぞ

矢神 恵

サンキュ

牛乳を受け取ってコップに注ぐ

矢神 舞心透

ありがとう、朝から元気ね〜

佐倉 恋羽

いつでも目覚ましになるから言ってね!

矢神 舞心透

じゃあ明日から毎朝お願いしようかな?絶対寝坊しなくて済みそう

矢神 恵

やめろよみこ姉…。鼓膜が死ぬ

佐倉 恋羽

ええ、ひどいなぁ

矢神 恵

いや、本当のことだから…

ぼそっとつぶやいて視線を逸らす

矢神 舞心透

でも元気が出る“目覚まし”って意味では悪くないよ。恋羽ちゃんの声で起きるの、意外と気持ちいいかも

矢神 恵

……へぇ、そんなふうに思ってたんだ、みこ姉

矢神 舞心透

事実を言っただけよ。恵も、あの大声で寝坊はできないでしょ?

佐倉 恋羽

そんなに声でかいかな〜?

矢神 恵

……いや、でかい

矢神 舞心透

朝から元気なのは悪いことじゃないよ

佐倉 恋羽

やっぱみことお姉ちゃん大好き!

矢神 舞心透

ふふ、ありがとう

佐倉 恋羽

じゃっそろそろ学校行こうかな〜

矢神 恵

じゃあ俺も準備するか

食べかけのパンを口に押し込みながら立ち上がる

佐倉 恋羽

うん!じゃあ先行ってきマース!

矢神 舞心透

行ってらっしゃい〜

矢神 恵

気をつけろよ

矢神 舞心透

忘れ物ないようにね

教室

佐倉 恋羽

おはよう!

恋羽の友達A

おはよう〜恋羽!

恋羽の友達B

朝から元気すぎでしょ

恋羽の友達A

この前も先生に“佐倉は廊下まで声聞こえるぞ”って言われてたじゃん

恋羽の友達C

でもまぁ、恋羽が明るいとクラスが賑やかになって助かるけどね

佐倉 恋羽

ええ〜、それ褒めてるー?

恋羽の友達C

もちろん褒めてるって〜!

恋羽の友達A

そうそう、恋羽が静かだったら逆に心配になるもん。『風邪か?』って

恋羽の友達B

元気なのはいいけどさ、もうちょっと声のボリュームは調整してね?

佐倉 恋羽

まかせて〜!

廊下が騒がしい

恋羽の友達B

ん?なんか騒がしくない?

恋羽の友達C

確かに

生徒

「キャー!」「今日もイケメン!」

恋羽の友達A

あ、でもうちのクラスならいつも通りか、きっと例の人が来たんだろうねー

恋羽の友達C

例の人って(笑)矢神くんでしょ?

佐倉 恋羽

あははは〜

苦笑い

恋羽の友達B

まぁ仕方ないよねぇ〜、あの顔と頭脳と運動神経だもん

恋羽の友達C

でもさ、なんか完璧すぎて近寄りづらいよな〜。私だったら絶対緊張して無理

佐倉 恋羽

毎日これも大変だなぁ

恋羽の友達A

ほんとそれ。あたしだったら絶対耐えられないわ〜

佐倉 恋羽

あはは

数分後

先生

お前らー席つけーホームルーム始めるぞ

恋羽の友達A

はーい!

恋羽の友達B

じゃ、また後でね恋羽〜

恋羽の友達C

ばいば〜い

佐倉 恋羽

うん、ばいば〜い

ざわざわしていた教室が少し落ち着き、生徒たちは自分の席に戻っていく。

先生

今日の話だが、女子体育の先生が今日お休みなので男女混合になった。よろしく頼むぞ

生徒

「えぇ〜!?」「マジかよ」

先生

はいはい、静かに。種目はバスケットだ。男子も女子もチームをうまく組んでやれよ。以上!

チャイムが鳴り、ざわついたまま体育の時間に向けてみんな立ち上がりはじめる

佐倉 恋羽

え、バスケット…

思わず小さな声が出る

矢神ファンクラブA

体育混合ってほんとですの?!矢神様をこの目で見れるなんて〜さぁ!行きますわよ!

矢神ファンクラブその他

「行こう」「そうだね」

生徒

「……ファンクラブ動いたぞ」「また始まったな」

矢神ファンクラブA

さぁ急ぎますわよ!体育館で矢神様をお迎えする準備ですの!

矢神ファンクラブその他

「「「はいっ!!!」」」

生徒

「……元気だなぁ」「いや、ちょっと怖いんだけど」

恵の友達A

お前も変な奴らに目をつけられたな…

恵の友達B

同情するぜ…

矢神 恵

……‪💢‪

恵の友達A

朝から女子の黄色い声援とか、普通にしんどいだろ

恵の友達B

俺だったら一日で胃に穴空くわ。マジで尊敬する

矢神 恵

………‪💢‪‪💢‪

恵の友達A

あーはいはい、すいませ〜ん

恵の友達B

じゃあ矢神、俺らも行くか

そんな軽口を叩きながら、矢神たちは体育館へと歩き出す

恋羽の友達A

さっ!恋羽!私達も行こう

恋羽の友達B

いこいこ〜

佐倉 恋羽

そうだね、行こっか

心のどこかで恵を気にかけながら足を進めた

体育館

すでに多くの生徒が集まり始めていて、ボールを転がす音や笑い声が響いている

生徒

「混合って新鮮だな〜」
「緊張するわ…」

コートの端では、矢神の周囲に人だかりができつつあった

恋羽の友達A

さっそく人気だね〜

佐倉 恋羽

あはは、そうだね……

先生

お前らー列に並べー。担任から聞いたと思うが、今日だけ男女混合だ。はしゃぎすぎないように

生徒

はーい

先生

まずは準備運動からだ。列を広げて

先生が点呼をとりながらチーム分けを始めようと前に出ている 男子と女子は別コート

試合開始

佐倉 恋羽

任せて!

私も勉強はいまいちだけど運動神経はいい方なんだから!

佐倉 恋羽

はい!シュート☆

恋羽の友達B

おおっ!恋羽ナイスシュート!

恋羽の友達C

さっすが〜!!

場の空気が少しざわつきながらも試合は続いていく。 男子も女子も入り混じって声援が飛び交う中、矢神の方にもボールが回ってきた。

矢神 恵

……っしゃ、もらうぞ!

鋭いドリブルでディフェンスを抜け、軽々とシュートを決める

矢神ファンクラブA

上手すぎますわ〜!

矢神ファンクラブその他

「きゃ〜!矢神様〜!!」

矢神 恵

……ったく、うるせぇな……

恵の友達A

おーい矢神、次パスくれよ!

矢神 恵

ああ、わかってる

そのままプレーに戻っていく

恋羽の友達A

恋羽!後ろ!!

ほかのコートでやっていた男子の試合からボールが飛んでくる

佐倉 恋羽

えっ……

ひょいと避けてボールを渡す

恋羽の友達A

うわ、スゴすぎ

佐倉 恋羽

あっぶな〜!流石に焦った〜

矢神 恵

……おい佐倉、大丈夫かよ

男子コートから顔を出す

恵の友達B

マジで反射神経やばかったな

矢神 恵

気をつけろよ…ケガでもしたら面倒だろ

わざとぶっきらぼうに言いながらも、心配そうに視線を外さない

生徒

ごめんな!!佐倉!大丈夫だったか?

矢神 恵

おい、気をつけろ

生徒

なんでお前が怒るんだよ

矢神 恵

………

佐倉 恋羽

あ、いや、全然大丈夫だよ!怪我もないし

生徒

本当か?!良かった

佐倉 恋羽

うん!

矢神 恵

本当に気をつけろよ

佐倉 恋羽

あ、うん大丈夫だから。ありがとねー

恵に話かけられて焦る。周りを見渡すとファンクラブの視線を感じた。急いで会話を終わらす

矢神 恵

……っ

一瞬だけ手を伸ばしかけたが、結局引っ込めて視線を逸らす

恵の友達A

おいおい、すごい勢いで逃げられてんじゃん

恵の友達B

あの天下の矢神様でも女子に逃げられるのな(笑)

矢神 恵

……っ、黙れって

眉間にしわを寄せ、少しムキになって返す

恵の友達A

あーはいはい、スミマセン、矢神サマー

矢神 恵

…‪💢‪

恵の友達A

ごめんってー!じゃあ再開するか

矢神 恵

はぁ、お前らなぁ

ぼやきつつもボールを受け取り、気持ちを切り替えるようにドリブルを始める

恵の友達B

お、真面目モードきたな

矢神 恵

当たり前だろ。ほら、行くぞ!

一気にスピードを上げ、試合を再開させた

一方

恋羽の友達A

恋羽ちゃん!パス!

佐倉 恋羽

おっけー!いくよー

誰かがわざとらしくぶつかってくる

佐倉 恋羽

あっ、

ボールを落とす

佐倉 恋羽

ごめんっ!

恋羽の友達A

大丈夫!

試合は続いたが周りから笑い声が聞こえた。主にファンクラブから

佐倉 恋羽

………ありがとうっ!次は絶対に落とさないよっ!

矢神ファンクラブA

チッ…あいつ

不穏な体育の授業は終わりを告げた。女子のコート方の出来事は恵は知ることもない

先生

はい、今日はここまでー! しっかりクールダウンして戻れよ

笛の音とともに先生の声がかかる

恋羽の友達A

恋羽ちゃん、最後わざとぶつかられたでしょ…?

恋羽の友達B

うん、見てた。でも恋羽ちゃん、すぐ立て直しててすごかったよ!

恋羽の友達C

そうだよ!そうだよ!何あいつら!サイテー!

佐倉 恋羽

……ありがとう。もう大丈夫だから!次はもっと頑張るね!

強めに笑顔を作ってごまかす

矢神ファンクラブ

「ふん……」「調子乗ってるわね」

小さく聞こえる声を、聞こえなかったふりをして体育館をあとにした

教室

佐倉 恋羽

はー、つっかれたー!

恋羽の友達C

恋羽ちゃん大活躍だったね!

恋羽の友達B

それなっ!

佐倉 恋羽

ありがとー!

恋羽の友達A

最強の味方だ〜

恋羽の友達B

恋羽ちゃんマジでヒーローだったよ!

恋羽の友達C

うんうん!男子も見てたし、絶対注目されてた!

佐倉 恋羽

えぇ〜、やめてよ〜!ただの体育の授業でしょ〜!

笑いながらも、少しだけ視線を気にしてしまう

恋羽の友達A

そんなことないよ!

恋羽の友達B

よっ!最強恋羽!

佐倉 恋羽

えっへん!

恋羽の友達C

かっこい〜!

ワイワイと話ながら特に何事もなく授業も進み放課後になった

恋羽の友達A

今日は寄り道する?新しくできたクレープ屋さん行きたくない?

恋羽の友達B

いいね〜!甘いの食べたい!

恋羽の友達C

わかる!

佐倉 恋羽

うわ、めっちゃ魅力的〜!でも今日は家に直帰しよっかな。色々やることあるし!

恋羽の友達A

そっか〜残念。でもまた今度一緒に行こうね!

恋羽の友達B

じゃあまた明日!

恋羽の友達C

ばいば〜い!

佐倉 恋羽

うん!またね〜!

手を振りながら校門を出て帰路につく

帰り道

佐倉 恋羽

はぁ〜疲れた…本当は遊びに行きたかったけど今日はそんな気分じゃないんだよな〜

佐倉 恋羽

学校では話しかけないでって言いたいけど、理由聞かれるもんな〜

佐倉 恋羽

まっ、名前呼びは直してくれたからしょうがないか、

帰宅

佐倉 恋羽

ただいま〜!

佐倉 恋羽

って流石にまだ誰も帰ってないか…みことちゃんも今日は遅くなるって言ってたからな〜

佐倉 恋羽

片付けしようかな〜夜ご飯何にしよう

佐倉 恋羽

そうだ!焼きうどん食べたいから焼きうどんにしようかな

鼻歌を歌いながら片付けを進める

佐倉 恋羽

よし!お買い物行こ〜

スーパー

佐倉 恋羽

これとこれ〜と〜

佐倉 恋羽

暇だしお菓子作ろうかな…簡単に出来るやつ…

数分後

佐倉 恋羽

これでおっけ〜!

帰宅

佐倉 恋羽

よしっ!時間あるし先お菓子作ろっ!

台所に甘い匂いが充満する

佐倉 恋羽

よしっ!いい感じに焼けた!

天板を取り出すと甘い香りがさらに広がる

佐倉 恋羽

わ〜〜〜!美味しそう!うん、今日のおやつはこれで決まり〜

粗熱をとりながらひとくちつまむ

佐倉 恋羽

ん〜!最高〜!やっぱり甘いものは正義だよね

時計を見上げる

佐倉 恋羽

そろそろ恵くんも帰ってくるかな〜?

焼きうどんの準備に取りかかる

佐倉 恋羽

〜♪

ガチャ

矢神 恵

ただいまー

矢神 恵

……ん?なんかいい匂いするけど

靴を脱ぎ、キッチンに顔を出す

矢神 恵

恋羽?帰ってたんだ

佐倉 恋羽

おかえりー!ちょっと暇だったから遊んでたー!

矢神 恵

遊んでたって……この匂い、もしかしてお菓子作った?

きょろきょろと台所の方をのぞく

矢神 恵

甘い匂いで腹減ってきたんだけど

佐倉 恋羽

舞心透お姉ちゃん帰ってきてから夜ご飯だからもう少しかかるかもー!そこのパンとかお菓子食べていいよ。

矢神 恵

そっか、ありがと。……でもコレ、恋羽が作ったやつだろ?

ちょっと照れ隠しのように視線を逸らしつつ手に取る

佐倉 恋羽

舞心透お姉ちゃんの分も残しといてねー!

矢神 恵

わかってるって。全部食べるほど俺も子どもじゃねーよ

矢神 恵

……うん、ちゃんと甘いし美味い。……みこ姉喜ぶんじゃね?

佐倉 恋羽

まじで?!やったね、恵くんが言うなら間違えないか

矢神 恵

おいおい、人をなんだと思ってんだよ

少しムスッとする

矢神 恵

……でも、こうやって家帰って甘い匂いするの、なんかいいな

佐倉 恋羽

んふふ、そお?

にやにやと見つめる

矢神 恵

……あんまジロジロ見んなって

視線を逸らして耳まで赤くなる

佐倉 恋羽

えっ、

パシャ

矢神 恵

なっ!?お、おま…撮っただろ!

慌ててスマホを奪おうと手を伸ばす

佐倉 恋羽

いや、これはみことお姉ちゃんに送らなければならない。諦めろ。恵クン

矢神 恵

や、やめろって!そんなの送ったら絶対からかわれるだろ!!

必死にスマホを取り返そうと追いかける

佐倉 恋羽

うわっえっ、ちょっ、待って!

バタンッ

佐倉 恋羽

っ…たぁ

逃げようとしてつまづき恵と一緒に倒れる。その様子が傍から見れば恵が押し倒したように見える

矢神 舞心透

……ただいま。──って、あらあら

玄関から入ってきて、目の前の状況を見て足を止める。けれど驚くでもなく、にやりと微笑む

矢神 恵

ち、ちがっ…!みこ姉!これは…!!

顔を真っ赤にして慌てふためく

佐倉 恋羽

……………?

何が起きたのか分からずきょとんとしている

矢神 舞心透

ふふっ、その顔。恋羽ちゃんはまだ状況つかめてないみたいね

わざとらしく肩をすくめる

矢神 恵

ち、違うって!偶然だ!偶然!

矢神 舞心透

はいはい、偶然ね……
あら?

佐倉 恋羽

あ、転んだ拍子に送信してたみたいっ!ラッキー☆

佐倉 恋羽

恵くんごめんね、巻き添いくらわせて転んじゃって

矢神 恵

えっ!?まじで送られてんの!?
勘弁しろよ〜!

顔を真っ赤にしながら頭を抱える

矢神 舞心透

……ほんとに届いてるわね

スマホを確認してクスクス笑う

矢神 舞心透

これはいい記念写真だわ。恵、いい表情してるじゃない

矢神 恵

やめろっ!消せ!みこ姉!!

矢神 舞心透

だ〜め。これは将来の弱みとして保存しておくの

大事そうに胸に抱え

矢神 舞心透

それより私はさっきの状況が気になるのだけど〜?恋羽ちゃん、恵に押し倒されてどんな気分?

舞心透ニヤニヤと微笑みながら問う

佐倉 恋羽

押し倒す…?私が転んじゃっただけだよ?

矢神 舞心透

あらそう?ですって。恵?

矢神 恵

ち、ちがっ……ほんとに違うから!!

矢神 舞心透

ふふ、否定すればするほど見苦しくなるのよ〜?

じっと恵の顔を覗き込む

矢神 恵

だから!俺、何もしてないって!恋羽が勝手に転んだけっってんだろ!

必死に訴えるが耳まで真っ赤

矢神 舞心透

なるほどなるほど。――つまり“恵が受け止めちゃった”ってことね?

ニヤリと笑ってさらに煽る

矢神 恵

っ……そ、それも違うっ!!

矢神 舞心透

だってあの状況は完全に床ドンじゃな〜い!!きゃぁ〜青春ねぇ〜

矢神 恵

ち、ちがうって言ってるだろ!!なんでそうなるんだよ!

顔真っ赤にして立ち上がる

矢神 舞心透

床ドンから始まるなんて、少女漫画だと定番じゃない〜?

わざとらしく頬に手を当ててうっとり

矢神 恵

俺は漫画のキャラじゃない!!!

声を裏返しながら必死に反論する

矢神 舞心透

でも〜、あんなに近かったんだもの。ねぇ、恋羽ちゃん?

ニヤニヤと視線を送る

佐倉 恋羽

えと……相変わらず綺麗な顔だなーと思ったよ?

張本人は2人が何の話をしているのか分からないというほどに首を傾げる

矢神 恵

なっ……!!

耳まで真っ赤にして固まる

矢神 舞心透

あら〜♡素直でよろしい!

ぱちぱちと手を叩いてから、にやにや顔で恵を覗き込む

矢神 恵

いやっ、ちがっ……!俺はっ……!

わたわたしながら視線を逸らす

矢神 舞心透

はいはい、照れなくてもいいのに〜。青春っていいわねぇ

佐倉 恋羽

あっ!なるほど……へぇ〜?恵くん照れてるの〜?

一足遅く状況を理解した佐倉が舞心透の加勢に入る

矢神 恵

っ……!ち、ちがう!!

勢いよく立ち上がって後ろを向く

矢神 舞心透

あら〜?図星つかれて逃げたわねぇ〜?

矢神 恵

逃げてねーっての!!

振り返るけど顔は真っ赤なまま

矢神 恵

逃げてないからなっ?!

階段を駆け上がる

矢神 舞心透

……ふふっ、かわいいわねぇ〜ほんと

矢神 舞心透

ねぇ恋羽ちゃん、ああいう反応されると余計からかいたくならない?

佐倉 恋羽

本当にそれなです!!!めちゃめちゃ可愛かったですよねっ?!いまの?!

矢神 舞心透

そうそう!あの耳まで真っ赤になってる感じとかね?あれは反則級よ〜!

思い出し笑いしながらテーブルに突っ伏す

矢神 舞心透

はぁ〜笑いすぎてお腹痛いわ〜

佐倉 恋羽

ええ、これから夜ご飯なのに〜

矢神 舞心透

ふふっ、それもそうね

矢神 舞心透

さぁ恋羽ちゃんシェフ、今日のメニューは何かしら?

佐倉 恋羽

焼きうどんですっ!!

矢神 舞心透

おぉ〜いいわね!食欲そそるわ!

矢神 舞心透

じゃあ私、野菜切る係やるわ。恋羽ちゃんは味付け担当でどう?

佐倉 恋羽

お任せ下さい!

矢神 舞心透

よっ、頼もしい〜!

恵の部屋

矢神 恵

…………っ!!!

ベッドに倒れ込み、真っ赤な顔を枕で隠す

矢神 恵

恋羽が……俺を“綺麗”って……っ……

矢神 恵

いやいやいやいや、落ち着け俺っ!!あれはただの勢い!そう、勢いだっ……

自分に言い聞かせるようにブツブツ

矢神 恵

うわぁぁぁぁぁぁ!!!

布団に潜り込んでゴロゴロ

矢神 恵

……っはぁ……あいつ、なんであんなこと…

顔を真っ赤にして枕を抱きしめる

矢神 恵

……バカ……バカ恋羽……

矢神 恵

っ……!やめろやめろ!思い出すな!……でも、もしあのまま倒れたままだったら……

妄想:顔が至近距離、ちょっと手が重なって、恋羽が見上げてくる 妄想恋羽『……近いね、恵くん』

矢神 恵

やっべぇぇぇぇぇぇ!!!!

枕に突っ込んでゴロゴロ転がる

矢神 恵

俺は何考えてんだっ!あれは事故!事故なんだ!!

矢神 恵

……バカか俺は……

佐倉 恋羽

恵くーん!!!!!!夜ご飯!!!!!!

1階から恋羽の叫び声が聞こえる

矢神 恵

うおっ……!声でっけぇな!!絶対近所に響いてるだろ……

ドタバタと飛び起きる

矢神 恵

……やべ、変な顔してないよな俺……?落ち着け落ち着け……

深呼吸して鏡をチラッと確認

矢神 恵

……よし。普通、普通……のはず

ドアを開ける

矢神 恵

お、おぉ!いま行くからそんな大声で呼ぶなって!

声がわずかに上ずっている

矢神 恵

まて、矢神恵。クールキャラ??になりきるんだ??学校でのように?!

矢神 恵

そうだ……俺は矢神恵。クールで冷静、女子に騒がれても動じない……それが俺だ……!

また部屋へ戻る

矢神 恵

フッ……(←渋めの笑みを練習)

鏡に向かって真剣な顔を作る

矢神 恵

……………いや、なにやってんだ俺!!!!

深呼吸して立ち上がる

矢神 恵

……でも……絶対動揺してるとこ見せねぇ。見せたら最後、あいつとみこ姉に一生いじられる……!

キリッとした顔でドアノブに手をかける

矢神 恵

よし……行くぞ、“クール矢神恵”!!!

階段を降りる

佐倉 恋羽

あっ、やっと来たー!お茶用意して貰ってもいい?

矢神 恵

……ああ、わかった

グラスを取り出して氷を入れる手が、わずかにカタカタ震える

矢神 舞心透

え〜?大丈夫?

矢神 恵

……っ!手が滑っただけだ!!

矢神 恵

……ほら。お茶

恋羽の前にお茶を差し出す

佐倉 恋羽

あざす!あとこれ運んで〜

矢神 恵

お、おう……

途中で舞心透と目が合い、からかうような笑みに一瞬ムッとする

矢神 舞心透

ふふ〜ん、頼まれたら素直に動く恵くん、やっさし〜!

矢神 恵

……っ、そんなんじゃねぇし!

並べ終わり

佐倉 恋羽

よし、おっけ!いただきまーす

矢神 舞心透

いただきまーす♪

矢神 恵

……いただきます

矢神 舞心透

ん〜っ!美味しい!恋羽ちゃん、料理の腕どんどん上がってない?

佐倉 恋羽

ほんと?!やった〜!

矢神 恵

……うまいな

佐倉 恋羽

天才ですから!

矢神 舞心透

うふふ、可愛いわね〜

矢神 舞心透

そういえば、今日の学校どうだったの?

佐倉 恋羽

うーん……体育がちょっと大変だったかなぁ

矢神 恵

……体育?

矢神 舞心透

え?何かあったの?

佐倉 恋羽

いやいや!混合でバスケだっただけ!それでちょっとバタバタしたの〜

矢神 舞心透

あ、もしかして恋羽ちゃんと恵が同じコートだったとか?

佐倉 恋羽

男女でコートは別だったの

矢神 舞心透

あら、そうなの?

矢神 恵

……お前、試合で活躍してたんじゃないのか

佐倉 恋羽

へへっ、ちょっとだけね!

矢神 舞心透

さすが恋羽ちゃん〜!

佐倉 恋羽

まぁね〜!

矢神 恵

………お前、なんか疲れてねぇか?

佐倉 恋羽

へ?そ、そんなことないよ!ほら、今日はいっぱい動いたから

矢神 恵

………そうか

矢神 舞心透

ふふっ、ほんと恋羽ちゃんは元気だねぇ

佐倉 恋羽

えへへ〜!

食べ終わり

佐倉 恋羽

今日学校帰ったあと暇だったからお菓子作ったんだけどデザートで食べない?

矢神 舞心透

えっ、ほんと?!恋羽ちゃん手作り?!

佐倉 恋羽

うんっ!簡単なのだけどね〜。ほら、ちょっと冷やしておいたの!

矢神 舞心透

わぁ〜♡お店みたいじゃない!恋羽ちゃん最高すぎ!

スマホを取り出して写真を撮る

佐倉 恋羽

プリンアラモードですっ!可愛いでしょ?

矢神 舞心透

かわいすぎる〜!!!

矢神 恵

……プリン、アラモード?

カラフルなフルーツとホイップの横に揺れるプリンが目に映る

矢神 恵

……お前、ほんとに作ったのか

佐倉 恋羽

えへへ、ちゃんと作ったよー!プリンから!

矢神 舞心透

もう恋羽ちゃん……お嫁さん力高すぎない!?

カメラ連写モードで撮りまくる

佐倉 恋羽

じゃあ崩れないうちに食べよっ!

佐倉 恋羽

お味の程は?!

矢神 恵

……っ

矢神 舞心透

え、どうなの?どうなの?!

矢神 恵

……うまい

佐倉 恋羽

やったぁー!

矢神 舞心透

ちょっと恵、もっと言い方あるでしょ〜?"恋羽が作ったから特別美味しい"とかぁ♡

矢神 恵

は?!言うわけねぇだろっ!

耳まで赤くなってスプーンを持つ手がぎこちなくなる

矢神 舞心透

うふふ、本当に可愛いんだから♪

矢神 舞心透

はぁ!可愛いし美味しかった〜!じゃあ私昨日恋羽ちゃんが洗ってくれたからお風呂洗ってくるね〜

矢神 恵

えっ、みこ姉っ……

佐倉 恋羽

えっ?いいの?ありがとう!

矢神 舞心透

うんうん、2人でごゆっくり〜

矢神 舞心透

(ふふ、恋羽ちゃんは気づいてなさそうねっ)

矢神 恵

……

少しだけ気まずそうに視線を逸らす

佐倉 恋羽

そうだっ!恵くんってさ〜
甘いの好きなの隠したがってるじゃん?
バレタインとか沢山貰うんだろうけどどそれどうしてるの??

矢神 恵

……っ

思わず咳き込みかけて、手で口を覆う

佐倉 恋羽

え?どしたの?

矢神 恵

いや……。お前な、そんなこと今きくか?

佐倉 恋羽

え〜?だって気になるじゃん。絶対恵くんならチョコの山でしょ?
ほら、机の中に入りきらなくて紙袋とか〜

両手で山を作るジェスチャーをしてにやにや

矢神 恵

……全部、家族に渡す

佐倉 恋羽

えっ?!もったいなーい!

矢神 恵

……甘いの好きだなんて知られたら、もっと面倒になるだろ

小さく呟くように言う。その顔はどこか拗ねたようで、耳がまた赤くなっている

佐倉 恋羽

へぇ〜……?

矢神 恵

っ……!だから、見るなって……

佐倉 恋羽

恵くん、チョコ好きなのにもったいないなぁ

矢神 恵

……別に。好きだからって全部食うわけじゃねぇよ

佐倉 恋羽

でもさぁ、あげた人の気持ち考えたら食べた方がいいんじゃない?

首をかしげながら、素直に言う

矢神 恵

……だから困るんだよ

佐倉 恋羽

え?

矢神 恵

本命だって義理だって、俺にしたらなんとも思ってない相手なんだよ。
……だから、食ったら変に期待させるかもしれねぇだろ

少し顔を伏せて、ぽつりと打ち明ける。その声は小さいけれど、真剣だ

佐倉 恋羽

……!

思わず目を丸くする

矢神 恵

……食いたいのに食えないって、かなり拷問だぞ

ため息混じりに苦笑して、視線をそらす

佐倉 恋羽

……そっか。恵くんらしいな〜

矢神 恵

……

佐倉 恋羽

あっ、そうだ!今年のバレンタインもし貰ったら家に持って帰ってきてよ!

佐倉 恋羽

私がアレンジして作り替えてあげる!
そしたらチョコ食べられるし無駄にならないよ?

矢神 恵

は……?

佐倉 恋羽

だってさ〜、せっかく恵にくれた子の気持ちも無駄にならないし、恵も甘いの食べられるじゃん?一石二鳥でしょ!

矢神 恵

…お前…それはどうなんだ?

矢神 恵

作り替えるって何も解決はしていない気がするんだが……

佐倉 恋羽

ええ〜、名案だと思ったんだけどなぁ?

矢神 恵

それお前意味わかって言ってんのか?

佐倉 恋羽

……?

矢神 恵

はぁ、もういいよ、どうせ何も考えてないんだろ

佐倉 恋羽

えっ?

矢神 恵

………貰ったら、だからな

佐倉 恋羽

ほんとっ?!やったぁ〜!決まりだね!

矢神 舞心透

ただいま〜あらあら、何やら甘い雰囲気が?

矢神 恵

……別に。普通に話してただけだ

矢神 舞心透

あらそ〜お?

佐倉 恋羽

うん!お菓子の話してただけだよ!
バレンタインの!

矢神 舞心透

え、あらあら〜バレンタイン〜?良かったわねぇ〜恵?

矢神 恵

っ……!は?!そ、そんなんじゃないからなっ!

佐倉 恋羽

え…違かった?

矢神 恵

違くっ…ないが!
い、いいから気にすんな!!

矢神 舞心透

誤魔化し方が下手ねぇ〜
私もその話聞きたかったわ〜

佐倉 恋羽

いいよ!えとね〜

矢神 恵

っ……!!もう黙れぇぇぇぇっ!!

顔真っ赤で立ち上がる

矢神 舞心透

あらあら〜

矢神 舞心透

さっ、また拗ねちゃうからこの辺にしましょうか。私お皿洗ってくるわね〜

数分後

佐倉 恋羽

あっ、お風呂沸けたよ〜

矢神 舞心透

恵入る〜?

矢神 恵

は?なんで俺?!……いや、別にいいけどっ

無駄に構えてしまう

矢神 舞心透

なーんでも?

佐倉 恋羽

恵くん入ってくる?

矢神 恵

俺は別に……!どっちでもいいが……!

佐倉 恋羽

じゃあ、どうぞ〜!私その間に洗濯物畳んでるから!

矢神 舞心透

じゃあ恋羽ちゃん!私達は女子会しましょうか!

佐倉 恋羽

やった〜!

矢神 恵

お前ら……

矢神 舞心透

あら?はやく入って来なさ〜い?

矢神 恵

………………っ
余計な事言うなよ?!

矢神 舞心透

どうかしら〜?余計な事が何なのか分からないわ〜?

矢神 恵

みこ姉…‪💢‪

矢神 舞心透

あら、ごめんなさいね

佐倉 恋羽

も〜喧嘩しないでよ〜

矢神 舞心透

喧嘩なんてしてないわよ〜
私達はいつでも仲良しよ

矢神 恵

もういい!入ってくる

佐倉 恋羽

あ、いってらっしゃい〜

お風呂場

矢神 恵

なんなんだよっ!みこ姉は!最近エスカレートしてないか?

矢神 恵

くそっ……!あの人、完全に面白がってるだろ……!

頭にお湯をかけながらぼそぼそ独り言

矢神 恵

はぁ……疲れる……俺、学校より家のほうが体力削られてないか……?

矢神 恵

バカみてぇ……

ぐったりと湯船にもたれかかり、天井を見上げる

矢神 恵

だいたいな!バレンタインの話だって……

俺らは特にチョコを渡しあったりは していない。 両家の親がどこの国から持ってきたのかは知らんが、毎年バレンタインにプチパーティをする パーティと言っても少し高級なお菓子を持ってきて菓子パぐらいのノリだ で、俺らは親達がいちゃいちゃしてる所を見させられるだけの会 花束を渡したりしてたな… 何が面白くて両親のイチャつきを見ないといけないんだ みこ姉と恋羽は楽しそうだが…… 俺らがやるとしても手紙交換などをするだけだ。お菓子は机に大量にあるからな

矢神 恵

なのに…あいつ

矢神 恵

作り替えるつったって結局恋羽が作ってるだろ

いつもお菓子は作ってて食べてるけど バレンタインとなるとまた別じゃねーか

矢神 恵

なんで俺がこんなに振り回されなきゃなんねぇんだよ……

矢神 恵

……………………………………

矢神 恵

その通りだ!なんでだよっ?!

矢神 恵

なんで……こんな
俺ばっかり……

矢神 恵

気持ちわりー

矢神 恵

はぁ、

矢神 恵

出たぞー

矢神 舞心透

はぁ〜い

リビングのソファに寝転がったまま、伸びをしながら返事をする

佐倉 恋羽

おかえりー!タオルそこ置いといていいよー!

矢神 舞心透

恵……なんだか顔赤いんじゃな〜い?

ニヤニヤしながら上半身を起こしてじっと観察

佐倉 恋羽

え?ほんと?大丈夫?のぼせたんじゃない?

心配そうに近づく

矢神 恵

っ……!ちょ、ちょっと待て!近い!

慌てて一歩下がる

矢神 舞心透

ふっ……

舞心透は楽しそうに手で口を押さえて笑っている

矢神 恵

大丈夫。元気だ。それより風呂出たばかりなんだから体温高いのは当たり前だろ?

佐倉 恋羽

そっかぁ〜……確かに!

矢神 舞心透

……いやいやいや!ちょっ!

矢神 恵

余計なこと言うな……‪💢‪

顔をそむけてソファにドサッと座り込む

矢神 舞心透

あら、ごめんなさい♪

佐倉 恋羽

みことお姉ちゃん、お風呂次入る?入らないなら私入って来ようかな

矢神 舞心透

ん〜どうしよっかな〜。じゃあ恋羽ちゃん先に入っていいわよ〜

矢神 恵

おい、なに企んでんだよ……

小声で睨む

矢神 舞心透

なぁんにも〜?ただ恋羽ちゃんがのんびりお風呂入ってる間に、ちょっと弟分と語らうだけ〜♡

佐倉 恋羽

えっ?なにそれ、私も一緒に聞きたい〜

矢神 舞心透

ふふっ、はやく行ってらっしゃい

佐倉 恋羽

ええ〜

舞心透に背中を押される

矢神 舞心透

ごゆっくり〜

矢神 恵

で……なんの話だよ

矢神 舞心透

恵って分かりやすいわよね

矢神 恵

は?なにがだよ

矢神 舞心透

さっきからずっと顔に出てるもの。……恋羽ちゃんのことになると

矢神 恵

……っ!

思わず顔を背けるが、耳は真っ赤

矢神 舞心透

あらあら、図星?

矢神 恵

……っ、マジで勘弁してくれ……

小声でぼやきながら頭を抱える

矢神 舞心透

あらあら、その反応が一番面白いのよ?

矢神 恵

だいたいなぁ
みこ姉が何考えてるんだかしらねぇーけど、恋羽には変なこと吹き込むなよ

矢神 舞心透

んまぁ〜心外ねぇ。私そんな“変なこと”吹き込んだりしないわよ?

矢神 恵

……‪💢‪

ジト目で睨む

矢神 舞心透

あら、でも恋羽ちゃんは全然気にしてないじゃない。むしろ素直に反応してくれて、可愛いわよね〜

矢神 恵

………………………

矢神 恵

俺だって……よくわからない……

顔を覆ってテーブルに突っ伏す

矢神 舞心透

あらまぁ?答えが…見つかるといいわね

悪戯っぽく片目をつむる

矢神 恵

………

矢神 舞心透

本当に可愛いわね〜私の弟は!

矢神 恵

……ッ!!

佐倉 恋羽

ただいま〜!次舞心透お姉ちゃんどうぞ!

矢神 舞心透

はぁい〜ありがと〜。それじゃあお先に失礼しまーす♪

矢神 恵

おいっ!

矢神 舞心透

……その真っ赤な耳、隠しておきなさいよ?

わざと恵の耳元で囁き、くすっと笑って風呂場へ向かう

佐倉 恋羽

……?

きょとんとした表情で舞心透を追いかける

佐倉 恋羽

何話しての?

矢神 舞心透

ひみつ♪

佐倉 恋羽

ええ〜

矢神 舞心透

ふふっ、はやく髪乾かしなさいね。風邪ひくわよ

佐倉 恋羽

は〜い

矢神 恵

…………

佐倉 恋羽

…?大丈夫?

矢神 恵

いや、みこ姉に付き合ってたら疲れただけだ。早く髪乾かせよ。風邪ひくぞ

佐倉 恋羽

あ、うん!おやすみ!

矢神 恵

おう

2階へあがる

佐倉 恋羽

うわぁ〜、流石姉弟だな〜びっくり!
はやく乾かそっ!

恵の部屋

矢神 恵

……はぁ。ほんっと、あの人には振り回されてばっかだ

カバンや教科書が散らばったままの机の前で、恵は椅子に腰かけた

矢神 恵

はぁ、疲れた

下の階からは、ドライヤーの音と恋羽の鼻歌がかすかに聞こえてくる。 恵はその音を耳にしながら、心臓の鼓動が落ち着かないままベッドに転がった

矢神 恵

………

片腕で目元を隠し、深い息を吐く

矢神 恵

……はぁ……ま、明日もあるし寝るか

リビング

矢神 舞心透

ただいま〜ってあれ恵は?

佐倉 恋羽

あ、さっき2階へ行ったよ

矢神 舞心透

あらそう。ちょっと遊びすぎちゃったかしら?

ぼそっと独り言

佐倉 恋羽

じゃあ私も寝るね〜おやすみっ!

矢神 舞心透

は〜い、おやすみ〜恋羽ちゃん

矢神 舞心透

恵も大変ねぇ

肩をすくめ、ゆったりと準備をしてから自分も部屋へ行った

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