真矢
結婚することになった
愛菜
うそ、ホントに?
真矢
嘘なんてつかないよ
愛菜
すごいじゃん。おめでとう
愛菜
はあ、真矢にまで越されるとは
真矢
それ、どういう意味?
愛菜
冗談よ
愛菜
幸せ結婚ライフを送ってね✨
真矢
ありがとう
真矢
で、結婚式開くんだけど
真矢
愛菜に来て欲しくって
愛菜
もちろん、行くよ
楽しみだな
楽しみだな
愛菜
相手はどんな人?
真矢
竜也君だよ
愛菜
え、竜也って
愛菜
高校の時同じクラスだった?
真矢
そうそう
愛菜
うっそ、何それ、運命の出会いじゃん
真矢
ふふ、そうかも
真矢
仕事場が同じだったんだ
真矢
そこで、仲良くなって、付き合って
真矢
結婚したの
愛菜
えー、すごいよ
真矢
ありがとう
真矢
実はね、高校の時、竜也君のこと好きだったんだ
愛菜
えっ
真矢
うん、その時、愛菜、付き合ってたじゃん、竜也くんと
愛菜
うん
真矢
だから、思いを伝えることも無く
真矢
高校生活が終わったんだけど
真矢
上京して、就職したら
真矢
なんと、会っちゃって
真矢
運命って奴だよね、これ
愛菜
うん、すごいよ
愛菜
あの…高校の時のこと、ごめん
愛菜
真矢が好きなんで、知らなくって
真矢
別にいいよ。
私、愛菜の恋応援してたし
私、愛菜の恋応援してたし
愛菜
ありがとう
真矢
X月〇日、11時に
真矢
○×ホテルで結婚式開くから
真矢
来てね!
愛菜
うん、楽しみにしてる
真矢
愛菜は、いい感じの人いるの?
愛菜
うーん
愛菜
今はいないかな
愛菜
私も、もう、30だし、急がないとなんだけどね
真矢
そっか。でも、愛菜可愛いし
真矢
すぐにいい感じの人できるよ
愛菜
ありがとう
ー2年後ー
真矢
ねぇ、聞いて
真矢
竜也が、不倫してるかも
愛菜
うそ
愛菜
竜也くんはそんな事しないでしょ
真矢
うん。
私もそう思ってたの
私もそう思ってたの
愛菜
じゃあなんで?
真矢
洗面所のお掃除してた時に
真矢
女ものの歯ブラシが入ってたの
真矢
女もの……というか、薄ピンクの、明らかに女の子が使う歯ブラシ
真矢
どう思う?
やっぱり、浮気してるよね
やっぱり、浮気してるよね
愛菜
分かんないよ。まだ、ほかの証拠的なのは無いんでしょ?
愛菜
だったら、まだ、竜也くんを信じなよ
愛菜
それに、竜也くんが間違えてピンク色の歯ブラシを買ったかもしれないでしょ
真矢
真矢
そうだね。
竜也くんを信じる
竜也くんを信じる
1週間後
真矢
愛菜。
やっぱり、竜也くん、不倫してる
やっぱり、竜也くん、不倫してる
愛菜
え?また?
愛菜
今度はどうしたの?
真矢
玄関を掃除してたら
真矢
また薄ピンクの傘が出てきたの
真矢
これって、絶対不倫相手が残してったものだよね
真矢
これで二回目だよ?
もう間違えて買ったなんて言わせない
もう間違えて買ったなんて言わせない
愛菜
うーん…。
たったの2個だからなぁ
たったの2個だからなぁ
真矢
でも、2回も間違えることある?
愛菜
あるでしょーよ。
人間だもん
人間だもん
愛菜
何回も間違えるよ
真矢
真矢
そうだね……
2週間後
真矢
三度目の正直
真矢
竜也、不倫してるよ、絶対に!
愛菜
また?
愛菜
今度は何?
コスメが洗面所にあったとか?
コスメが洗面所にあったとか?
真矢
違う
真矢
竜也のコートを洗濯機に入れようとしたら
真矢
かすかに、香水の匂いがしたの
真矢
これはもう、間違えじゃないでしょ!
真矢
絶対に不倫してるよ。
竜也に問い詰めてくる
竜也に問い詰めてくる
愛菜
ちょっと待って!
愛菜
冷静になってよ。
誤って香水の匂いが移っただけかもしれないじゃない
誤って香水の匂いが移っただけかもしれないじゃない
真矢
そんな事ある?
愛菜
あるよ
愛菜
例えば、満員電車の時とか、仕事の時とか
真矢
愛菜
それにさ、なんだか、真矢は竜也に不倫してほしそうな感じがするよ?
真矢
どういうこと?
そんな人いるわけないじゃない
そんな人いるわけないじゃない
愛菜
だって、すぐに不倫だ!って
愛菜
言ってるじゃん
愛菜
竜也くんが間違えただけかもしれないのに
愛菜
離婚して、慰謝料が貰いたいたけなんじゃない?
真矢
そんな訳ない!
愛菜
じゃあ、なんで?
真矢
だって
真矢
最近、竜也、私のメールにそっけないし
真矢
食事中もずっとケータイ離さない
真矢
お風呂にも持っていくし
真矢
おかしいでしょ、どう考えても!
愛菜
もうすぐ結婚して3年でしょ?そんなもんだよ
愛菜
それに、もう真矢も、竜也くんも三十路でしょ
愛菜
高校生の時みたいにラブラブなわけないじゃん
愛菜
付き合うと結婚は違うんだよ?
真矢
愛菜
すぐに不倫だって竜也くんに責め立てるの、ちょっと可哀想だよ
愛菜
不倫されても無理ないよ、それじゃあ
愛菜
それに、不倫される方も悪いと思う
愛菜
不倫されるのって、魅力がないからじゃないの?
真矢
真矢
酷いよ
ただ不安だっただけなのに
ただ不安だっただけなのに
愛菜
真矢は心配性すぎる!
そんなに構ってばかりだったら
そんなに構ってばかりだったら
愛菜
竜也くんも疲れちゃうんじゃないの?
愛菜
ちょっと、放っておきなよ
愛菜
ね?
真矢
真矢
そんな事できない
真矢
やっと、竜也くんと一緒になれたのに
真矢
なんで放っておくわけ?
愛菜
竜也くんは、あんま構うの好きじゃないって
愛菜
言ってたよ
愛菜
だから、少し放っておきなよ
愛菜
結婚して、同棲してるんでしょ?
愛菜
竜也くんは逃げないよ。
それに、不倫するような人じゃない
それに、不倫するような人じゃない
愛菜
だから、安心して?ね?
真矢
なんで、竜也くんが構うの好きじゃないってわかるのさ?
真矢
もしかして、不倫相手は愛菜?
そうなの?
そうなの?
愛菜
そんな訳ないじゃない!
愛菜
高校の時、竜也くんと付き合ってたからだよ
愛菜
せっかく相談に乗ってあげてるのに
愛菜
竜也くんの味方したら、私を不倫相手呼ばわり?
愛菜
ちょっと、それは無いんじゃない?
真矢
真矢
ごめん。
かなり、焦ってて
かなり、焦ってて
真矢
そうだよね。
愛菜の言う通りだよね
愛菜の言う通りだよね
愛菜
いいよ
愛菜
真矢、昔からそういう所あるし、もう慣れてるから
真矢
頭冷やしてくる
真矢
相談乗ってくれてありがとう
愛菜
うん
1ヶ月後
愛菜
最近、どう?
愛菜
竜也くんとうまくいってる?
真矢
真矢
うん。まあね
愛菜
そっか!なら、良かった
愛菜
もう、不倫疑いは無い?
真矢
真矢
実はね
真矢
竜也の部屋から、女もののTシャツも見つけたし
真矢
靴と靴下と上着と私が持ってないコスメも見つけたんだ
愛菜
え???
愛菜
それは、不倫疑ってもいいと思う!
真矢
うん。だからね、竜也に問い詰めたんだ
真矢
そしたら、なんて言ったと思う?
愛菜
不倫を、開き直った…とか?
真矢
違う。もっと、驚くもの
愛菜
え、何?
なんて言われたの?
なんて言われたの?
真矢
真矢にはずっと秘密にしてたんだけど、実は、俺、
真矢
女装してたんだ
真矢
って
愛菜
えぇーー!?
愛菜
まさかの、そっちですか?
真矢
そう。まさかの、そっちなんです
愛菜
まじか笑笑笑
それは、めっちゃ意外だわ
それは、めっちゃ意外だわ
愛菜
でも、高校の時付き合ってた時は
愛菜
そんなこと、言われてなかったし、そういう雰囲気も無かったけどな
愛菜
大人になって、目覚めたとか?笑
有り得るかも
有り得るかも
真矢
今まで、不倫疑ってた、私がバカだったわ
真矢
ホントに、竜也はそんなことする人じゃないのに……。
愛菜
ね、だから言ったでしょ?
真矢
うん!笑