芹
飛雄

影山
芹…何してんだお前

影山
早く戻るぞ

芹
お前を探してたんだよ、

芹
お前が早く戻れ

影山
…今戻る

芹
遅せぇよ

芹
2年も早くしな

飛雄がこれ以上要らない事を口に出さないように背中を押して体育館へと向かう
2年
は、はい!

2年
ほら急げ!ドリンクあと2本!

2年
そんな沢山作っても飲まねーだろ。相手雪ヶ丘だし

2年
っはは!確かに

な、なんだとぉ!

影山
…お前らベンチにも入れねぇくせに、対戦相手見下せるほど強いつもりなのか?

影山
…学校の名前に乗っかってんじゃねぇ

芹
…飛雄、ちょいストップ

芹
…2年、さっきから無駄口が多いよ

芹
早く戻ろう

2年
す、すんません!!

俺達の横を颯爽と駆け足で走っていく後輩を見送り、俺は再度飛雄の背中を押していく
お、俺も今ビシっと行ってやるところだったんだけどな!

影山
体調管理もできてない奴が偉そうなこと言うな

影山
だからナメられるんだよ

影山
一体ここに何しに来たんだよ

影山
思い出作りか

!!……勝ちに来たに決まってる!!

続く話に呆れ一足先に戻ってやろうとした時、相手の言葉に思わず足を止めた
何の変哲もない、普通の言葉のはずだ…
なのに、揺れない…
影山
……随分簡単に言うじゃねぇか。バレーボールに重要なものは身長だってわかってて言ってんのか?

確かに俺はデカくない……でも!俺は飛べる!!

影山
……

負けが決まってる勝負なんかない

諦めさえしなきゃ…

影山
" 諦めない " って口で言うほど簡単じゃねぇよ

1回戦も2回戦も……勝って勝っていっぱい試合をするんだ俺達のチームは!!

影山
……1回戦も2回戦も、決勝も…全国も!勝ってコートに立つのはこの俺だ!!

影山
…行くぞ芹

芹
…うん

そう…それでいい……俺は陰でいい。
お前が輝ける舞台を……俺が作ってやる