第4話「花が散る前に」
(春休みが近づく放課後。屋上)
あの日、遥くんが「好き」って言ってくれた。 あの瞬間から、世界が少し違って見えるようになった。 だけど一最近、遥くんの顔を見ていない。
(風が吹き抜ける。桜の花びらが舞う)
桜庭 澪
.....また、屋上で待ってるのに。
(スマホが震える)
「ごめん、今日も行けない」
桜庭 澪
(小声で)また、か....。
(廊下で、遥と女子生徒が話しているのが見える)
女子生徒
ねえ、放送委員の件、本当にありがとう!
助かったよ、遥くん。
助かったよ、遥くん。
藤咲 遥
いや、気にすんな。
(ふたりの距離が近い。澪は足を止める)
何を話してるんだろう......。 どうして、胸がこんなに痛いの。
(そのまま、屋上にひとり戻る)
桜庭 澪
.....バカ。
言ってくれたのに。
私、疑ってる。
言ってくれたのに。
私、疑ってる。
(涙がこぼれそうになる)
(数分後、ドアが開く音)
桜庭 澪
.....どうして来たの
藤咲 遥
遅れてごめん。委員の手伝いしてて。
ほんとは.....ずっと来たかった。
ほんとは.....ずっと来たかった。
桜庭 澪
....ほんと?
藤咲 遥
ほんと。桜庭に会えない日の方が、落ち着かない。
(澪の目が潤む)
桜庭 澪
あ、これからはーちゃんと来て。
花が散っちゃう前に。
花が散っちゃう前に。
藤咲 遥
.....約束。
(ふたりの手が、そっと触れる)
この春が終わっても、 私たちの想いは、きっと咲き続ける






