時計は、また針を止め始めた。
少女は、偶に自我を表す。
憧れ、妬み、喜怒哀楽。
とても稀に自我を表す……。
オズ
さ、早く入って
ドロシー
……ぅ、あ
ガクッ
オズ
おっ……とっと
身体に力が入らない。
オズの体温がとても温かく感じる。
オズ
大丈夫?……熱は無いみたいだね
ドロシー
寒い……
オズ
早く温めないと……
オズ
ちょっと俺の家は広いから我慢してて……ごめんね
ガチャ
ドロシー
……?うわ、…
空想でしか見た事ない程の豪邸。
広い館にも関わらず、使用人などの人の姿は見当たらない。
ドロシー
…オズは1人で住んでいるの?
オズ
まぁ普段はね
オズ
一昔お祖母様がいたけれど……
オズ
大体100年前なんだ
ドロシー
は?……お前今何歳…
オズ
さ、お風呂に着いたからその話はまた後で
ドロシー
分かった、…
目が覚めたら、まずオレンジ色の光が入ってきた。
ドロシー
……寝てたのか…?
それにしても、豪華すぎる。
1つ数百万はしそうなベッドの上で、寝転がっていたら……
オズ
…ね?…から、渚凪…
渚凪
先生!なんなんですかあいつ!?
渚凪
また変なの拾ってきたんですか!?
オズ
「また」って言ってるけど、今回で初めてだよ……
ドロシー
……女?
ガチャ
オズ
あ、ドロシー?俺のベッド大丈夫だった?
渚凪
なんで自分のベッドを使わせたんですか……
ドロシー
…ああ、ありがとうオズ。
ドロシー
ところでそこの綺麗な女の子は……?
渚凪
…ありがとね、綺麗って言ってくれて
渚凪
私は渚凪。オズ先生の弟子であり生徒でもあるわ
オズ
あとお手伝いね
ドロシー
……お前は髪の毛黒なんだな
渚凪
え、あなた達の方が凄いわよ
ドロシー
え?
オズ
普通の人は黒髪なんだけどね
オズ
俺らみたくたま〜に金髪の人がでてくるんだ
渚凪
んで、そいつは通常の何百倍も魔力が強い、と言う訳
ドロシー
……俺も?
オズ
そうそう
渚凪
じゃあ何百年も生きてるんじゃない?貴方
ドロシー
は?
オズ
俺だって250だもんね
渚凪
それでも先生は苺が好きなの変わりませんよね…
オズ
いや、アレ発見した人天才でしょ……
渚凪
そろそろ魚も食べましょうよ…
一体何を言っているんだ?
俺は……
彼女は、眠りについた。永遠と。
人間は後にこれを「死」と呼んでいたが、彼女にとってはまた違っていた。
人を上から見守り、そして連れ去る。
これを人間は
「神」と呼んでいた。
一旦おわり







