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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ
rara🎼
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15 “好き”って言葉が、こぼれそうで怖いんだ
土曜日の昼下がり。
屋敷のリビングにはゆったりとした音楽が流れていた。
窓の外では、陽光が差し込み、鳥のさえずりが聞こえている。
まるで穏やかな休日そのもの──けれど、こさめはソファの上で落ち着かない様子でクッションを抱きしめていた。
こさめ
みこと
みこと
みことの何気ない言葉に、こさめの肩がぴくりと揺れた。
こさめ
目を伏せたまま、何度もスマホの画面を開いては閉じる。
未送信のLINEがずっと表示されていて──けれど、どうしても送信ボタンが押せなかった。
「なつくん、会いたい」
たった一文すら、言葉にするのが怖い。
その頃、屋敷の二階にある図書室では、なつが窓辺の椅子に腰を下ろしていた。
読んでいた本は数ページ進んだところで止まり、視線は窓の外に向いている。
指先にはスマホ。
さっきから何度も、こさめのトーク画面を開いていた。
なつ
理由なんてわかってる。
この間、からかうようなことを言った。
──「お前以外に興味ねぇよ」なんて、簡単に。
でも、あれは本心だった。
むしろ、言わないと抑えきれなかった。
だけど、こさめは──あれから目を合わせてくれない。
静かな図書室に、ページをめくる音だけが響いた。
夕方。
こさめは屋敷の庭に出ていた。
桜の木の下、風がふわりと吹いて、柔らかい花びらが足元に舞い降りる。
──その視界の端に、ゆっくりと近づく影があった。
なつ
静かな声。
こさめ
なつ
ふたりの間に、一瞬の沈黙が落ちる。
そして、こさめは小さくうなずいた。
屋敷の裏庭、小さなあずまやのベンチに並んで座る。
距離は、いつもより少しだけ遠い。
なつ
なつ
こさめ
こさめ
こさめの声は、どこか震えていた。
こさめ
なつ
こさめ
こさめ
こさめ
俯いたままのこさめに、なつはそっと隣へ寄った。
そして、黙ってこさめの手を取る。
こさめが驚いて顔を上げた時──なつの瞳がまっすぐこちらを見ていた。
なつ
その言葉は、まるで春の風みたいに優しくて、でも強くて。
こさめ
なつ
言われた瞬間、胸の奥で何かがはじけた気がした。
今にも涙がこぼれそうで、でも──何より、笑顔が先にあふれた。
こさめ
──恋は、たぶん、始まっていた。
ずっと前から。
でも、今やっと、はっきり形になった。
あずまやの下、交わされた手と手。
それがほどけることは、もうない。
一方、生徒会室では──。
らん
らん
いるま
いるま
いるまは窓際に立ち、らんをじっと見つめてながら言った。
らん
いるま
らん
らん
いるま
らん
思わずツッコミを入れたらんだったが、いるまは構わず一歩前に出る。
いるま
らん
いるま
らん
らんは顔を赤くして目を逸らす。
らん
らん
いるま
いるまの答えに、らんは黙って立ち尽くした。
そして、ぼそりと呟く。
らん
その“ずるさ”が、心をほどいていく。
まだ“好き”とは言えない。
でも、きっと近づいている。
──春風が、またそっと屋敷を撫でた。
恋は、いつの間にか、日常の中に溶け込んでいた。
触れた手のぬくもりが、それを確かに証明していた。
第15話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡160
rara🎼
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