拝啓　我々団！

先程の笑顔から一変。彼はニコニコとした顔のまま目を潤ませた

まるで鬼気迫る表情をした２人は、必死に足を動かした

ｶﾞﾁｬ…

俺の顔は昔から女みたいな顔だった。

だからだろう。母は俺を使ってお金を稼いでいた

物好きな人たちのレンタル商品。

ただただ気持ち悪かった。

けれどその分母は喜んだ。

稼いだ分母は俺を愛してくれた

幸せとは言いがたかったけれど、

俺にこれ以上のものはいらなかった。

これ以上のものがあれば…俺は壊れてしまう気がしたから

そう言って俺の頭を優しく撫でる母

俺はそっとランドセルを開ける。

数時間後

肩を横に裂かれ、血飛沫が飛び散る。

その時初めて状況に気が付いた。

彼女は狂ってる。

焼けるような激痛に思わず声を張り上げる。

泣きたくなる気持ちを抑え、声を殺して並ぶ家の横を走る。

駄目だ!!!!!!

駄目だ…

だって…

まだ…

いるんだもん。

ｸﾞｻｧｯ

同じ所をもう一度切りつけられ、思わず変な声が漏れる。

ポタポタと零れる血。もう逃げられない

包丁が振り下ろされた。しかし、

腹を貫かれていたのは俺ではなく母だった。

カランカランと音をたてて母がもっていた包丁は地面に落ちる

後に見える黒い影は、母を貫いていた刃物を抜くと、もう一度突き刺す。それを

何度も

何度も

何度も

何度も。

怖くて声も出ない。喉が詰まってるかのように息も出来ない。

言われるがまま西へ走り出す。じくじくと感じたことのない痛みに何度躓いたか分からない。ただ、西へ走った。