大森元貴side
MOB.
MOB.
MOB.
MOBS.
MOBS.
人から人へ、流れるように会話が広がる
俺たちはそれを止めることができなかった
涼ちゃんの噂話はあっという間に教室全体に広がった
そして学級から学級へ、学年から学年へ
涼ちゃんの噂話は全校に広まった
どこにいっても涼ちゃんの話ばかり
どこにいっても涼ちゃんの根も葉もない噂話ばかりだ
それも、涼ちゃんが聞いたら酷く傷つくような、鋭すぎる言葉ばかり
涼ちゃんのことを何も知らないくせに
真実味のない、“おねえ”という言葉だけで。涼ちゃんの全てを批評している
その事実が、気持ちが悪い
涼ちゃんと話したことがないでしょ?
涼ちゃんに“おねえ”だってことを確認したの?
たとえ確認して、そうだったとしても、
いじめるのは、
馬鹿にするのは
いいことじゃないって、わからないの?
気持ちが悪い。
俺と若井は逃げるように空き教室に向かった
いつもどおり、優しい日の光
その温かさに触れた途端、俺の歯がすっと痛んだ
いつのまにか、歯を食いしばっていたらしい
それからしばらくの時間が経った
相変わらず空き教室には誰もこなかった
ただ静かに穏やかに時間が過ぎた
すると、面談を終えた涼ちゃんが空き教室に入ってきた
涼ちゃんは顔色が悪くて
唇もわなわなと震えていた
omr.
wki.
涼ちゃんが心配になって声をかける
すると涼ちゃんは顔をくしゃくしゃに歪めて泣き始めた
fjsw.
そう言いながら俺と若井に抱きついてくる
涼ちゃんの華奢な体躯からは想像できないほど力が強かった
なのに口から出てくる嗚咽はびっくりするほど弱々しくて。
涼ちゃん、何があったの
涼ちゃんが、面談を終えてから、ここにくるまで、何があったの
涼ちゃんはさっきから何も言わずにただ抱きついて泣いている
fjsw.
急に、涼ちゃんは喋り始めた
wki.
fjsw.
fjsw.
涼ちゃんは若井からの質問に答えなかった
でも、よくわからない言葉を残した
「最後」って、どういうこと?
そう言おうとした時、涼ちゃんは目尻を拭きながら立ち上がった
俺たちの方を見て、泣きながら微笑んだ
形のいい唇が動く
fjsw.
なんで?
なんで、もう会えないみたいな言い方をするの?
なんで、「ばいばい」なんていうの?
明日も明後日も、涼ちゃんに会えるよね?
ずっとずっと、涼ちゃんに会えるんじゃないの?
涼ちゃんは鞄を持って空き教室から出て行った
「待って」 って、何度も叫んだのに
涼ちゃんは振り返りもしなかった
最後に見た涼ちゃんは、儚くて、すぐに消えてしまいそうだった
それから、涼ちゃんは俺たちの前から姿を消した
こんにちは✨
700いいねありがとうございます😭
この作品もいいねと感想よろしくお願いします🤲
次は涼ちゃんサイドになります なんで大森さんたちの前から姿を消したのか、わかります✨
楽しみにしてくれると嬉しいです✨
それではまた!
コメント
5件
自分がしたい髪型とかして良いじゃん!! 「最後」って言う言葉が色々な意味で捉えられるから 心配😢 みのりさんも無理せず頑張って下さいッ!
え…涼ちゃんに何があったの…?涼ちゃんの事を馬鹿にするなんて、許せないっ!