藤澤涼架side
先生.
fjsw.
先生が呆れたようにため息をついた
窓の外はびっくりするほど晴れている
先生は僕に方を見て睨みを効かせていった
先生.
先生.
先生はそう言って僕の反応も見ずに面談室を出ていった
先生はいつもそうだ
僕に何があったのか、僕の意見は聞こうともせずに自分の意見を押し付けてくる
今日には入れないことも、ちゃんと理由があるのに。
その理由を、先生は聞いてくれたことはなかった
面談室を出て、空き教室に向かう
あの空き教室だけは、安心して過ごせる
“おねえ”と馬鹿にしてくる人も 髪を切ってくるような人もいない
しかも最近は元貴と若井が来てくれる
あの二人と喋るのはとても楽しいの
MOBS.
MOBS.
MOBS.
空き教室に行くには廊下を通らないといけない
いま歩いているのは一年生の廊下
元貴と若井の学年の廊下
だから、僕のことは知られていないはずなのに、みんなが僕の方を向いてヒソヒソ話している
自意識過剰かな
でも、妙な視線とヒソヒソした話し声が嫌に目につく
でも、見ないふり
聞こえないふりをする
早く、空き教室に行こう
空き教室に行けば、元貴と若井がいるんだから
でも、聞いちゃった
MOB.
MOB.
MOB.
MOB.
二人の女子生徒が話していたのは僕のこと
三年生しか知らなかったはずなのになんで知ってるの?
なんで一年生にまで“おねえ”って呼ばれていたことが広まってるの?
ねぇ、どうして?
誰が言ったの?
なんで?
歩きを止めると、こんな声も聞こえてきた
『大森と若井も“おねえ”なんじゃねぇの?』 『だっておねえと仲良いんだろう?』
やんちゃそうな声があるクラスから聞こえてくる
それをきっかけにそのクラスから別のクラスに、元貴と若井がおねえなんじゃないかっていう噂が広まっていく
ただの噂だ
ただの噂、だけど
根拠のないその噂が、いじめにつながることを、僕は知っている
じゃあ、どうすればいいの?
このままだったら元貴と若井まで根も葉もない噂で苦しんでしまう
元貴と若井を守りたい
僕みたいな思いをしてほしくない
じゃあ、どうすればいい?
そうだ
僕が元貴と若井と距離を置けばいい
元貴と若井と距離を置けば、二人と仲がいいっていう噂は消える
そうすれば二人がおねえと仲がいいっていう事実が消えて、二人がおねえだという噂はなくなる
そうすれば、二人を守れる
でも
元貴と若井と、離れたくないな
ずっとずっと一緒にいたい
やっと見つけた、大切な友達
もっともっといろんなことをしゃべって、仲良くなりたいのにな
でも、仕方がない
僕のせいで、二人が傷つくなら
僕から離れるのが、一番いいんだよね
でも、最後だけ
一番最後に、二人に思いっきり抱きついて、泣きたかった
だから、泣いた
子供みたいに泣きじゃくる俺を、二人は受け入れてくれた
すごく、温かった
「これで最後だから」 「ばいばい」 「今までありがとう」
そう言って僕は元貴と若井に背を向けた
そして僕は二人の前から姿を消した
こんにちは✨
1000いいねありがとうございます😭 感想嬉しいです✨ありがとうございます✨
この作品もいいねと感想よろしくお願いします🤲
次は大森さんサイドです 楽しみにしてくれると嬉しいです✨
それではまた!
コメント
6件
涼ちゃん優しすぎるよ~~😭😭
( '-' )スゥゥゥ⤴︎︎︎ 一旦、悪口を言った人たちを○○させたいです……😶💭
うわっっっはああっっ… そういうことか………… 💛ちゃんなりの優しさだったんだなぁ………でも二人はやっぱりさみしいって思ってるよ…