vampire

不思議に思った

こんな夜更けに

小さな男の子が

たった1人で泣いてる事に

辺りを見回しても

誰一人居なく

この子はたった1人で

ここに来た

笑いながら泣く

その顔は幼くて

大きな瞳から

ボロボロと

涙が零れてた

こんなに可愛い子が

何故こんなにも辛い思いを

してるのか不思議に思った

父と母に愛される様

努力する姿は

人の世界で

生きようとした

自分と何処か似てる気がした

それは小さな可愛い小瓶

中には色とりどりの

ビー玉見たいにキレイな

キャンディが詰まってた

泣きじゃくりながら

自分の事を怖いと良い

それでも消えないでと

訴えしがみついて

差し出すその手は

震えてて

その子の優しさと

強さを感じた

正直人間の食べ物を

美味しいと感じた事は無かった

血を飲まない代わりに

口に運ぶ食事は

身体を動かす為だけの

エネルギー源でしかなく

何の感動も無かった

だけど……

満面の笑みで

微笑み笑いかけて来る

その顔を見て

初めて美味しいと

甘いと感じた

自然と涙が出た

今までに感じた事が無い感覚だった

ちょうどその頃僕も一族を抜けて

ユンギ達とこの城に住み始めた頃だった

二度と涙は出ないと思ってた

だけど止まらなかった

1度溢れ出した涙は止まらなく

声を出して泣いた

何故忘れてたんだろう

僕達はもっと前に出会っていた事を

僕の初恋はテヒョンだった事を

そしてあの時あの場所で

テヒョンが泣いた意味を知った

体温を感じ無いはずなのに

ジンに抱きしめられた

腕から温もりを感じた

そして傷つき悲しんでるのは

自分だけじゃない事も……

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