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苦しい
お腹がすいた
そんなことを思っても
何も叶わないと思いながら
僕は、闇市に並べられた小さな牢屋の中にいた
幼い頃に、村を襲われ
10年間、ずっと牢屋に閉じこめられた
何故そんなことになったのか
それは、僕らの村が
とても珍しい、大きな魔力を持つ
一族の村だったからだという
僕は、そんなことも意識せずに生きていた。
ただただ、生きて
親の愛を受け
友達と草原を駆け回り
何気ない日々を生きていた。
なのに、アイツらが奪った
何もかも奪った
自分が特別な力を持っているからいけないのか?
それなら要らない。
特別なんて要らない!
普通でいいから
何も望まない。
べソ
僕の声は、誰にも届かない。
この後の闇オークションで、いよいよ僕は売られるのだ
主催者
主催者
主催者
主催者
主催者
カンカン
競りの始まる合図がなった。
闇オークションでは、人命も簡単に値段が付けられる
人1
人2
次々と値が上がる。
僕はそれを、聞くことしかできない
もう、反抗するのもとっくに疲れた
10年間、閉じ込められれば、もう何も怖くない
僕は、運命に身を任せ
野獣のような人々の声をぼーっと聞いていると
フェイ
高い女性の声が、オークション会場を静かにした
せりの桁が一気に跳ね上がり、億単位の値段がいわれた。
それを言ったのは
金色の髪に
黄色の瞳
背が低く
まるで、人形のような女性だった
人1
人2
次々と人々が値段をあげる中で
フェイ
また、彼女が値段を上げた
主催者
主催者
主催者が口にするのも、無理はない
子供にも見えるその女が、一気に5億も払えるようには思えない
フェイ
主催者
フェイ
女は、ゆっくりステージの方に歩いてくる。
そして、小さなバックから、何かを取り出した。
フェイ
女が取り出したのは、1つの大きな宝石だった。
主催者
フェイ
女は主催者に手渡した。
主催者、マジマジとそれを眺めると
主催者
主催者
主催者
会場も、ざわつき始める。
フェイ
女は、笑顔でそういった。
フェイ
フェイ
主催者
フェイ
フェイ
そうして、僕の競りは終わった。