魔術のパレット

競りが終わり、僕は女性のものとなる手続きを終えた。

女性は、僕のことを直ぐに牢屋からだし、枷も外した。

そして、彼女が何かしらの書類にサインをした。

ぼくは戸惑いながらも、買われた身なので

特に、考えることもなくサインをした。

ぼくは、彼女と共にオークション会場から離れ、道を歩いていた。

ドカーン

オークション会場のほうから、爆発音と叫び声が聞こえ、煙が上がっていた。

不安が胸によぎりながらも、

僕は真っ直ぐにフェイ様の目を見て答えた

それから、僕とフェイ様の生活が始まった。

フェイ様は、いろんな場所を放浪して

その場で、様々な依頼を受けているらしく

魔法使いとして、その力を生かして生計を立てているようだ

魔法の研究も行っており、とても賢い方だ。

そのようなお方なら、僕のような雑用係など

必要ないのではないかと思っていたが

床がもう見えないほど散らかっている

仕え初めて、すぐに気づいた。

この人、仕事以外のことは何もできないのだ。

ある日は、先ほどのように

研究に没頭した結果、散らかし放題に

また、ある日は

こんな日が続いた

旅の最中でも学校に行く機会が無かった自分に

様々な知識を教えてくれた

雑用係だとしても

買われた身であっても

フェイ様は僕を雑に扱うこと無く、人として接してくれた

そんなフェイ様の期待に応えたくて努力を続けた

牢獄にいた僕にとって、想像もできなかった明るい日々が続いた

ある日、僕はあることが気になってフェイ様に聞いてみた

変わらない微笑みでフェイ様は言う

僕はそれに微笑んで答えた。