蒼井 まな
なつ兄!
私は昔、なつのことをそう呼んでいた。
なつは昔から頭がよくて、小学生のころなんかはよく勉強をおしえてもらったりした。
蒼井 まな
なつ兄、ここおしえて!
そういうと、なつはいつも優しく丁寧におしえてくれた。
でも、あの日、あの出来事があってから。
蒼井 まな
やだ、なつ兄!
蒼井 まな
なんで離ればなれにならなきゃいけないの!?
必死に抵抗したが、無駄だった。
所詮子供の私には、大人の気持ちを変えるほどの力はなかった。
私は、無力だから。
蒼井 沙紀
ごめんね...ごめんね...
母は、そう何度も謝ってくれた。
あれ以来、なつには一度も会っていなかった。
でも高校で偶然の再会。
びっくりした。
なんだか泣きそうにもなった。
でも、これから先、なつと喋ることはきっとない。
ここまでの話の中で、一つだけ訂正する。
なつと再会したのは、偶然なんかじゃない。
なつは、きっと全てを計算してこの学校に来ている。
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