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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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はぁ…

別にお前に興味ねぇから

菜那

菜那

え……っ?

1週間前のこと

あの…さ、俺…菜那ちゃんのこと…

ずっと前から好きだったんだ──

菜那

廊下でみんなの視線が集まる中

公開告白された。

菜那

わ、私でよければ…よろしくお願いします……!

勿論、OKしたのは 「みんなが見ていたからここで断ったら可哀想」

なんて情けでも同情でもなかった。

なぜなら

私だって、ずっと恋くんのことが 好きだったんだから───

本当にその時は 嬉しさと感動で胸もお腹も一杯だった。

色んなところにデートしに行ったり。

ちょっとまってて

菜那

あ、うん…!

菜那

菜那

(どうしたんだろう……?)

はいっ…これ

菜那

ひゃ…!冷たっ──

ふっ‪…可愛い‪

菜那

もう!からかわないでよ笑

菜那

ていうか、ジュース買ってきてくれたの……?

ああ、あと湿布とか絆創膏な

菜那

えっ?なんでそんなもの…

さっき足捻った時に踵、赤くなってた。

菜那

(…!…気付いててくれたんだ……)

菜那

大丈夫だよ!‪笑ちょっと足やっちゃっただけだし…

菜那

ほらっ平気平気!!……って痛っ!

言わんこっちゃない

ほら、貸して、貼ったげるから

菜那

いっいや、恥ずかしいし自分で貼れるから!!

…あんま抵抗しないで…少し黙ってて

そう言われ私は恋くんのキスに 口を塞がれた。

菜那

……っ!!

はい、貼れたよ~

菜那

あっあり…がと…

本当に幸せな日々だった────

菜那

菜那

(なのに、急にどうして……)

菜那

言葉を……なにか、なにか言わなきゃ

聞きたいことだって沢山ある……

どうして急にこんな冷たくなったの……?

どうして別れるなんて言うの?

もしかして、飽きられた…?

聞きたいことだらけでテンパるし 頭が追いつかない。

菜那

ねぇ、待ってよ…

なんだよ、触んなよ

菜那

なん……っで…

いつもの恋くんじゃないみたいで、怖くて涙が出る。

もうお前は彼女じゃねぇんだよ

菜那

きゅ…急に、どうして…?

急じゃねぇよ

菜那

……理由ぐらい、教えてくれてもいいじゃん…

俺が、お前に告ったのは

ただの遊びだったってわけ

菜那

…え……?

菜那

な、なに?それ…‪笑

菜那

へ、変な冗談やめてよ…!笑

冗談じゃねぇって

恋人ごっこがしたかっただけだよ

菜那

そ、そんな………っ

誰がお前みたいなオタクと付き合うかよ笑

いやだ……やめて……

そんな言葉、聞きたくない……

高校生最後の年に、俺みたいなイケメンと付き合えて良かったな?笑

もう、ここに居るのはあの頃の優しい恋くんじゃないの………?

菜那

酷い…っ酷すぎるよ……!

菜那

菜那

私は、私は…本気で恋くんのことが……っ!!

それに俺彼女いるし

菜那

菜那

……私が、浮気相手…って、こと…?

当たり前、お前なんかと付き合うわけねぇじゃん

嘘じゃないん…だ これは、現実───…

菜那

でっでも…私はまだ、恋くんのこと……

菜那

好きなんだよ……?

は…?‪w関係ないって

菜那

…だ、だって…!1年の頃から…ずっと、ずっと大好きだったんだよ……?

菜那

それで、夢にまで見た恋くんから、告白されて…泣くほど嬉しかったのに…

おいおいガチになんなって‪w

じゃーな、もう関わんなよ

菜那

まっ待って!!

菜那

恋くん私の声に耳も傾けず スタスタと去っていってしまった。

もう、抱きつくことも出来ない…キスもデートも……

……恋くんの背中が恋しいよ…

私は恋くんの名前を何度も呼んで 泣いていた。涙(シズク)が生温くて

自分が惨めになった。

菜那

菜那

……っ

それでも辛くて悲しくて独りぼっちで 声を殺して泣くことしかままならなかった。

追いかけることすら出来ない ……好きだからこそ…

これ以上……恋くんに迷惑を掛けちゃいけない気がしたから──

菜那

(なんて…建前かもしれないけど…もうこれ以上、自分から傷付きたくない…)

菜那

(でも分かったよ…私じゃやっぱり…)

恋くんには……相応しく なかったんだね…………笑

はぁはぁ……っ

あんな嘘ついちまったけど……

絶対、菜那ちゃんのこと傷付けたよな…

「私は、本気で恋くんのことが……っ!!」……か…

(俺だって本気で菜那ちゃんのこと好きだったし一生愛したいって思ってたし)

(今だって……大好きだ…)

でも、別れざるを得なかったんだ─

菜那ちゃんと付き合い始めて1週間がたった頃のことだ

菜那

じゃあ私こっちだから…またね…!

ああ、また明日な…!

カノン

まだあの子と付き合ってるんだね

……お前には関係無いだろ、お前はただの

カノン

「幼馴染」でしょ?

カノンは俺の幼馴染で、財閥の娘だ

カノン

まぁいいよ、もうあんたのこと好きじゃないし

じゃあ俺に用なんて無いだろ、そこ退けてくれ、部屋に入れない

(なんでまたこいつが此処に…)

カノン

でも、あの子と別れないなら

カノン

あんたがヤクザの息子で次期組長になるってこと

…!!

カノン

あの子に教えちゃおうかしら

俺はヤクザの息子だが、そんなこと菜那ちゃんにも言えるわけないし

カノンしかこの事実を知らない。

確かにそうだが、俺は組長になるつもりは無い。

カノン

でもお父さんには考えといてくれって頼まれてるんでしょ

カノン

それにそんな男と付き合ってて
レン

あの子が危険な目に あってもいいのかしら

……どういう意味だよ

カノン

そのまんまの意味でしょ

カノン

私は財閥の娘よ?笑

カノン

お父様に頼めばあんなオタク臭い子

カノン

直ぐに退学にできるのよ

カノン

あることないこと言って

カノン

キモイおっさんの餌になるのも

カノン

精神的に社会的に追い込むのも

カノン

私の権力を持ってすればあんな子簡単に潰せるわ

お前の権力じゃなくてお父さんのだろが

ほんと…汚ぇ女

って、俺もか──…

それに、菜那ちゃんに何かしたらタダじゃ済まさねぇ

カノン

あんた次第かしらね

それはどういう…

カノン

だ、か、ら…

カノン

あんたがあの子と別れればいいって話

は…?

なんでそうなんだよ

カノン

だってあの子とあんたみたいな家柄のやつが付き合ってるなんて

あの子が可哀想だと思わないの?

……っ

それは……っ

確かに……俺のせいでもし菜那ちゃんが危険な目に遭ったら……

もし怖がられたら……

菜那ちゃんに怖がられるなんてもっと嫌だ

そんな未来、見たくないし見せたくないな……

…分かった……

カノン

あっ分かってくれた?笑

俺は……

俺は菜那ちゃんと別れて、組も継ぐ

カノン

組は継がなくていいのよ、私の彼氏になりなさい

は……?お前俺の事好きじゃないだろ……

カノン

あんた顔だけはイケメンだし、あんたを隣に置いとけば私の価値が上がるでしょ?

元々地位は高いだろが……

それに、俺はお前のこと大嫌いだし

付き合う気も無いからな

カノン

そんなこと言っちゃっていいのかしら

カノン

あの子がどうなってもいいの?

(クソが……っ)

このサイコパスめ…っ

カノン

褒め言葉として受け取っておくわ

どっちにしろ……泣かせちまった……

最低な野郎だな、俺は……

それに、住んでる世界が違い過ぎたんだ……

ほんとに…ごめんな、菜那ちゃん──

でもきっと、これが

正解だから。

最低な守り方でごめんな───……

「お願いだから、嘘だと言って。」

~END~

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