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体が暑い。
頭がぼーっとしている。
嗅いだことのない香りと、聞きなれない音と室温が肌を擦る。
大陽
大陽
大陽
はっとした。
そうだ。
最悪の事態だった。
手には手錠がかけられている。
なんとか体を起こした。
緊迫する中、記憶を辿った。
隆と海に行った次の日、燐に呼び出された。
日没頃に会えないか、ということだった。
無論、何も疑うことなく最寄りのBARで飲んだ。
隆には、友達と会うので遅くなる、と連絡をした。
大陽
燐
燐
大陽
大陽
燐
大陽
大陽
燐
大陽
大陽
燐
そんな会話をしていた時だったか、彼から電話があった。
大陽
大陽
大陽
燐
大陽
隆
隆
大陽
隆
隆
大陽
大陽
大陽
隆
隆
隆
大陽
大陽
大陽
隆
大陽
大陽
隆
大陽
大陽
大陽
隆
隆
大陽
大陽
大陽
大陽
大陽
燐
燐
大陽
大陽
大陽
大陽
燐
燐
大陽
その時くらいからだろうか。
急にめまいと耳鳴りがした。
いつものか、と思った。
しかし、普段は襲ってこない体の暑さと眠気があった。
その時に初めて、危機感を覚えた。
朦朧とする意識の中、男が鼻で笑うのが聞こえた。
走馬燈のように隆の言葉が脳裏に浮かぶ。
''脅されていた'' ''別れなければ大陽に危害を加えると言われた''
彼はそう言った。
なんとか意識を保ち、スマホに手を伸ばす。
しかし、男の手がすっとその行く手を阻んだ。
燐
燐
大陽
声を出して助けを求めたかったが、声が出なかった。
気が付けば、手を引かれるままに歩いていた。
大陽
大陽
目の前には自分の手を引く男の後ろ姿。
視界はぼやけていて判別すらできない。
先ほどまで、何か緊迫していたような気がした。
誰かに連れ去られている危機感に怯えていた。
しかしそれが不思議だった。
目の前にいるのは彼だ。
大陽
燐
大陽
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
大陽
燐
大陽
燐
燐
大陽
燐
大陽
そうして、僕は男の首に手を回したのだという。
その後は、隆だと勘違いしていた男とキスをしていたという。
この鼓動の速さは、走ったからだろうか。
いやきっと違う。
隆
隆
スマホを握る手がベタついている。
大陽と電話をした直後、工藤から電話があった。
それは、耳を疑う内容だった。
''大陽が浮気している''
と、工藤は言った。
無論、少しも信じなかった。きっと、俺を動揺させるためのものだと思った。
しかし、その後に工藤は続けた。
''大陽は俺のことが好きなんだ''
''今日はきっと家に帰らない''
と。
その時、少しでも疑ってしまった。
動揺していたせいもあるが、最近の彼の態度や首にあった赤い痕が脳裏を過ぎった。
慌てて家を飛び出し、街中を探し回った。
しかし、彼はどこにもいなかった。
隆
隆
隆
敢えて探さなかった場所が最も思い当たった。
それは、
ラブホテル街だった。
隆
隆
あらゆるホテルの影を探し回った。
社会から浮いてみえるこの場所も、街と一体化している。
暗い闇に光る、安っぽいピンクや紫の蛍光灯。
それは、人間の欲に似ている。
時折、肩を組んだ男女や酔った男女が吸い込まれるように入っていく。
そんな景色を横目で見ながら、ふと、ある2人に目がついた。
隆
それは、男女ではなく、男同士だった。
遠目だが、はっきりとわかる。
何故ならそのうち1人は、紛れもなく彼、大陽だったのだ。
主
主
主
主
主
主
主