テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
55件
お姉ちゃんがヤベェやつで呆れ通り越して笑ってる、オカンとオトンは何してんねん!!!!って思ったけどヤベェやつじゃなかった!!!!!
なんか…嫌な予感はしてたよ? 最初はお母さんがやべぇ人なのかなって思ってたけど…さ…まさかのお姉様の方がやばいとは思わんかった…… お姉の理想のグレイちゃんを演じてたんやね…
Episode10『晴れなし豪雨』
ヒグレ
樹
樹
誰に言う訳でもない声で、 樹が呟く
グトナは軽く伸びをして、「あー...」と声を出し 昔のことを思い出しかなのような表情になる
グトナ
グトナ
ヒグレ
ヒグレ
グトナ
レミッシュ
そんなグトナのなんともない発言を聞いて レミッシュが少しぽかんとした表情を浮かべてグラスを置く
すると、何かを察したのか グトナがほんの少し身を乗り出す
グトナ
レミッシュ
フィル
すると、樹も少し震えたような声で言う
樹
樹
四人が顔を見合わせ、ポカーンとしたような表情を浮かべ
暫く沈黙が起きる
フィル
フィル
樹
レミッシュ
樹
樹が両手で持っているグラスを握り ぷるぷると震えながら絞り出すような声を出す
樹
樹
グレイ
ヒグレに言われた用事を済ませて ひょこりとカウンター側にある裏口からグレイが顔を出す
話を聞いてい無かったのか、聞いてはいたが反応していないフリをした様な 曖昧な表情を浮かべてグレイはちらりとヒグレに目線をやる
グレイ
ヒグレ
少々重い雰囲気に気付いていないかのような様子でグレイは ただ飼い主に褒めてもらいたいペット もしくは親に褒めてもらいたがる子供のようにヒグレに近寄る
しかし、そんなグレイの腕をカウンターに手を着いて控えめに、しかし強引に楓が掴む
樹
グレイ
グレイ
ヘラりと笑いながら振り返った時 グレイの真っ黒で黒曜石の様な瞳に泣きそうな表情の樹が映る
一瞬目を見開き、その後ひゅっと息を吸い込むか、声かも分からない 曖昧な音がグレイの口からなる
普段他者に弱い面を見せたりしない樹の、 初めて見る表情と雰囲気でグレイの表情がみるみる青ざめていく
グレイ
グレイは掴まれた腕を払うでも無く ただ普段と違い焦った様子で少し震える
グレイ
グレイ
樹
樹
グレイ
グレイ
グレイ
『前職はキャバ嬢、好きなものはお酒やタバコやうさちゃんりんご』 などと、少々子供じみた自己紹介文を慣れない口調で並べていく
グレイ
誰かを誑かしたり、冗談を言ったりする時の口振りや声、表情とは全く違う
まるでまだほんの小さな子供が、自分よりもさらに幼い子供をあやす様な たどたどしく、聞いているだけで何処か危うさと、滲み出る不安を感じるような
そのうち泣き出しそうなのを必死に止めている話し方で、グレイは続ける
グレイ
樹
グレイ
樹
樹
樹の一言の投げ掛けでその場が一瞬止まった
「流石にそれは…」「どストレートすぎるって…」「いやいや…タイミング…」 などと考えているであろう他三人と
一人、冷静さを保とうとでもしているのかグラスを磨きながら ただその場に耳を傾けるヒグレ
グレイの腕を掴んだまま離さず少し震えている樹
長い前髪で顔が少しだけ隠れて 覗き込まないと表情が見えず、何を考えているのか分からないグレイ
外は少し雨が降り始めている
グレイ
グレイ
樹
グレイの腕をギュッと掴み 俯いたまま樹が問い続ける
樹
樹
樹
樹
樹
樹
樹がグレイの腕を握る力と共に声が少しづつ、強く、大きくなる
樹
樹
樹
樹
樹
最後の言葉だけ弱々しくなった樹を見つめたまま グレイが何か言いたげな表情のまま固まっている
グトナ
グレイ
グトナと樹の声、そして その他の三人の視線などから目を逸らしたような
何処か他人行儀な言い方で、一瞬樹の反感を買いかけたものの グトナがそれを制止し、グレイの方に目をやる
グトナ
グレイ
何処かぼんやりとした様な雰囲気をした不安定な声で グレイが答える
グレイ
グレイ
グレイ
グレイ
グレイ
グトナ
グレイ
グレイが少し顔を上げようとした時、グトナがクスリと笑う
グトナ
グトナ
グトナ
グトナ
グレイとグトナ以外が「何を言っているんだ…」という表情を浮かべかけているのを放っているが、 グレイの方を見たあとグトナの声が少しだけやさしくなり、そのまま話を続ける
グトナ
グトナ
グトナ
グトナ
グトナ
グトナ
グトナがグレイの頭にぽんと手を置く 一見すると奇妙な光景ではあるが
静かで、どこか張り詰めた様な雰囲気が漂っている
グレイ
そんな中、少し口をつぐんでいたグレイが、 雨の雫のように、静かに呟く
グレイ
グレイ
グレイ
そんな言葉を呟いた時 グレイの瞳から大きな熱い雫がこぼれ始める
樹
フィル
レミッシュ
レミッシュがそう告ようとした時 一瞬緩んだ樹の手から離れてバランスを崩してふらつくように後ろに転び
ドンッという音と同時に片方のヒールがポッキリと折れる...というか根元から外れて グレイはそのまま床にへたり込む
グレイ
ヒグレ
ヒグレが転んだグレイに対して手を差し伸べる
よく手入れされた爪に白くてスラリと伸びた指
グレイが顔を上げると視界に入るのはこちらを見つめる赤い瞳 真っ白ですべすべな肌や白髪
普段は安定している様なのに今はどこか違う、声と笑顔
ヒグレ
ヒグレ
ヒグレ
三年前の出会ったあの日の一番古い記憶の中にいるヒグレと何も変わらない ずっと美しくて優しいままの彼女の差し出す手に視線を落とす
涙で滲んだ黒い瞳でヒグレを見つめて、一瞬手を伸ばそうとするが すぐにそっぽを向いてしまう
グレイがちらりと見上げたヒグレの微笑みには、 どこか深い悲しみや落胆が混ざった様な複雑な色が見え隠れして
思わずグレイは口をパクパクしてそのまま俯いて
顔をあげられないまま財布をヒグレに押し付けるように渡して立ち上がる
グレイ
樹
フィル
樹
ショートパンツの裾を握って俯くといった 子供が泣く時と同じような仕草をしながらグレイがポロポロ泣きながらつぶやく
グレイ
レミッシュ
グレイ
グレイ
樹
樹の言葉に気づいているのかどうなのか 涙を流しながらもどこか虚ろな目のまま呟き続ける
グレイ
フィル
グレイ
グトナ
グレイ
ヒグレ
ほんの少ししゃくりあげながらグレイが絞り出す様に呟く
グレイ
そう少し叫ぶ様に呟いた後 グレイは走るようにして店を出る
フィル
樹
レミッシュ
ヒグレ
グトナ
繁華街を抜けた一通りのない 雨をある程度はしのげそうな程度の裏路地
そんな所にある、古びた室外機の上に膝を抱えて泣きながらグレイが座っている
ヒールを脱ぎ捨てて裸足のままで元々露出が高い格好がより強調されているが 今のグレイには普段の妖艶さなどは無く
鼻や目元を真っ赤にして、あどけなくて幼い子供の様な雰囲気が漂っている
グレイ
涙なのか雨なのかも分からないくらい濡れていて 季節が冬場だったら風邪をひきそうなくらいだが
グレイにとっては大した問題ではないかのように空を見上げる
すると目の中に雨が入りかけて反射的に目を瞑る
グレイ
弱々しく呟くとグレイは空に指を指し、目を薄目にしながら空を仰ぐ
雨はあんまり好きじゃない
まぁ、偏頭痛や身体がベタついたりするのも理由だけれど これは大人になってからの理由で、それも他人に言う時の内容だし
本当の理由...というか根本的な理由は、もっと前かな
雨の日の匂いや音とか そういうのは単体で見ればそこまでだけど
なんとなく、雨の日は普段よりもずっと罪悪感で一杯になりがちだった 逃げるように誰かに話し掛けたりするのも多分そのせい
嗚呼...ヤバい、思い出してきた
記憶の中にいるお姉ちゃんはいつも完璧な人だった
明るくて優しくて勉強も何もかもができて、美人さんで 非の打ち所がない人
お姉ちゃん
グレイ
お姉ちゃん
グレイ
お姉ちゃん
グレイ
お姉ちゃん
グレイ
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
グレイ
パパとママは基本家に居ないし、 家事をするのはお手伝いさんなのが普通
無駄にだだっ広くて、お姉ちゃんが学校の日は ブランとマトモに話してもくれないお手伝いさんしか居ない家は
子供心ながら少し嫌気がさしていた
でも違和感は無かった 関心を持って貰えなかったら、 一周まわってどうでも良くなるのは人間の性ってやつなのかも
お姉ちゃん
グレイ
スベスベで綺麗でちょっぴり冷え性なお姉ちゃんの手は 不思議と温かくて、そんな手に撫でられるのも大好きだった
アーモンド型の爪や長くて真っ直ぐな指とか
サラサラな黒髪に何処までも青い色の綺麗な瞳 グレイが自分の黒髪が好きなのはきっとお姉ちゃんとお揃いだからかもしれない
いつも褒めてくれて抱きしめてくれる そんな姉ちゃんが大好きだった
けど、そんなお姉ちゃんも怒ることはあった
その日、珍しくママがお家に居たのを覚えてる
普段はお休みの日もお家に居なくて、そう会話をすることも無いのに 何故かソファに座ってテレビや携帯を弄ったりもせず
あまり慣れていない手つきでグレイの髪をアレンジしてきた。 その頃のグレイの髪はお姉ちゃんとお揃いで背中が隠れるくらいの長さをしていて
普段はお姉ちゃんがしてくれててママにされたのはその日が 初めてのことで、思わず『一ミリでも動いてはいけない』と思った
ママの整えられた手はひんやりしてて首に触れる度に 少し不安というか、初めてのことで嬉しいような不思議な気持ちになった
ママ
グレイ
ママ
グレイ
『あ、ままって笑うんだ』って思った
『やっぱり似合っている』産まれて初めてママから褒めて貰えた言葉だ 口角を少し上げ眉尻を下げて笑う彼女は
今のグレイなら「魔性の女」と言い表せるが 当時はただ、「グレイ達のママ」としか言えない
あまり家に帰ってこない...というか帰って来ても会話を交わすことも無かった気がするけど
ママに人生で初めてアレンジしてもらった髪型は凝っていて リボンや可愛らしい飾りが沢山使われているのにゴテゴテし過ぎてなくて
ママの器用さが伺える、綺麗な出来だった
グレイ
ブラン
ブラン
グレイ
舌っ足らずなブランに褒められたりママに髪をアレンジして貰えた。 この事実は心地よかった
お姉ちゃん
グレイ
その時、休日も部活で学校に行っていたお姉ちゃんが帰ってきた ほんの少しだけ濡れていて、外は小雨が降っていたから雨にでも濡れたのだと思う
『ママにして貰った可愛い髪を今すぐにでもお姉ちゃんに褒めて欲しい』 そう思って、期待に胸を膨らませながらお姉ちゃんに近寄った
パンッと叩く音と同時に視界が揺らいで頬は熱くなったあとに痛みが襲った
グレイ
お姉ちゃん
お姉ちゃんの顔を見た時一瞬、何も聞こえなくなった
グレイ
普段は優しいお姉ちゃんが怒っている表情は本当に怖いし 何よりもその後のお姉ちゃんが本当に本当に...怖い
ママがお姉ちゃんに対して何か言ってて ブランがグレイに抱き着いてきた気がぼんやりとするけど
その時はただ、お姉ちゃんのことしか覚えてなかった
その後気が付いたら、お姉ちゃんの部屋に居て 髪は乱雑にほどかれて、そのせいで髪が少し引っ張られてちぎれてて痛かった
お姉ちゃんの膝上に抱っこされた状態で髪を櫛でとかされて 叩かれた方の頬っぺたは何もされてないままヒリヒリしてた
その日の外は大雨で、窓をドンドン叩くように音が響いていて部屋は暗かったことを覚えてる
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
普段と同じ優しい声のまま、後ろからハグされて 普段ならすっごく安心出来るのに、すっごく怖かった
グレイ
お姉ちゃんに声をかけようとしたら、まるで言葉を堰き止められる様に 抱きしめる力が強まり頭の撫でられる
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
グレイ
風に振り向こうとした時、ベッドに押し倒されお姉ちゃんに首を絞められた
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
「怖い」「苦しい」「怒らないで」 そんな言葉が頭をよぎった
グレイの中にいるお姉ちゃんは、いつも優しくて明るくて手先が器用で完璧で...
こんな事しない。そう信じてたしそれ以外の考えなんて浮かぶはず無かった
グレイ
お姉ちゃん
いきなり首から手を離されたせいでか、息が上手くできなくて 思わず涙がこぼれてうずくまってた時
お姉ちゃんが優しい声で耳元で囁いてきた言葉は 今でもグレイの中に残ってる
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃん
お姉ちゃんはグレイを怒ったあと首をつねりながら暗示みたいに 何度も何度も
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も...
こういう言葉を囁いてきて、慣れていたとは思ってたけど ママに初めて髪をアレンジして貰えた嬉しさも相まってか
この日の日付も大雨だったことも 言われた言葉も全部覚えてる
そんなある日、お姉ちゃんが捕まった
ママを殺そうとしてママが帰ってきたところを包丁でお腹を刺したらしい
まだ子供だったからかグレイとブランは大して何も教えて貰えなかったし 現場を見ることもかなわなかった
けど、玄関に出来た赤いシミや割れた花瓶を見て 子供ながら失望に近い感情を得たのは覚えてる
それと同時に 『もしかしたらママの次はパパで、その後はグレイだったのかな』 と思ってゾッとした
暫くの間お家は警察の人が入ってきて、 パパも珍しく焦っていた様子だったのは覚えてる
パパのお姉ちゃんとお揃いの青色の瞳の瞳孔が開いて焦ってて 普段無愛想なパパもちゃんと人なんだな。と思った
グレイ
パパ
グレイ
パパ
グレイ
パパ
グレイ
パパ
グレイ
パパ
グレイ
人生史上最も長くパパと会話した内容 普通の家庭ならもっと長いと思うけど、グレイの家ではこれが最長
この会話をした時も、パパはグレイに触れようとしなかったし 声も淡々としてたけど
パパと話せていることが嬉しくて どうでもいい事ばかり聞いたのは6歳の自分でも馬鹿っぽいと思った
大雨がやんだ よく晴れた日のことだった
病院の個室でママは窓辺のベッドに居て カラッと乾いた青空を見ていた
パパはああ見えてもフランス男だし、ママも恋愛慣れしているから 出会って早々に軽くキスをしてた
でも、キスの最中も後も、甘ったるさも無いまま家の様子や警察の話 子供に聞かせるべきではない様な内容を話すような二人を
ブランと一緒に隅っこであやとりをして遊んで時々見ていた
パパが看護師さんに呼ばれて立ち去ったあと ママがグレイを手招きした
ママ
ママは疲れて寝ちゃったブランをお膝に寝かせて、その光景にびっくりもして グレイはどうしても行くに行けなくて床を見つめたまま動けなかった
そんなグレイを見越したのかママはグレイの頭を撫でた
グレイ
初めて頭を撫でられたせいでか動きが止まった というかママがグレイに触れたりなんて たった一回だけされた髪のアレンジの時だけで
絶対にありえないことだった、意味がわからないまま ママの方に顔を上げた
ママは微笑んでいた。申し訳なさそうで、切なげな表情で グレイは刺されてないのになんだかグレイの方がチクリと痛くなった
髪をセットせずメイクをしてないママの姿を見たのはこれが最初で最後だった 点滴をつけていて元々白い肌がより青白くなっていて、メイクも何もしていない素の姿 それでも、ママは美しかった
ママ
"ノアル"はお姉ちゃんの名前 お姉ちゃんのことをママが話す...まぁ元々何も話さないんだけど そんな言葉がママの口から出たのは正直拍子抜けした
グレイ
ママ
グレイ
ママは口角を上げ、どこか挑発をする様な笑みを浮かべたかと思うと グレイの頭をいきなりわしゃわしゃと撫でた
ママ
ママ
ママ
ママ
ママ
グレイ
ママの大きくて真っ黒な目に、一瞬揺れが見えた ママはそれを隠すかのようにグレイの頭を撫でながら微笑む
ママ
軽く微笑みながらママはグレイの頭を撫でて空いた方の手で手を握る
ママ
ママ
ママ
ママ
ママ
ママ
グレイ
ママ
ママ
グレイ
「ママとの内緒話」 凄く凄く甘美な言葉
ママ
ママ
ママ
ママ
最後の『お願い』は何となく声が違う気がした 少し泣きそうで優しい声
これは産まれて初めてママがグレイに教えてくれたこと
グレイの命綱であり グレイを絞首する縄
だけど、いいんだ
ママの教えてくれた言葉はグレイを守ってくれているもの
でもね、ママ
グレイわかんないよ 愛したいと思っても全部失敗しちゃうもん
ほとんどの場合 男の子だったら女の子相手しか愛せないし 女の子だったら男の子相手しか愛せないし というかそうじゃないと大体受け入れて貰えないし
だからこういうのになったけど それはそれで受け入れてくんないし
相手を気持ちよくして愛したいと思ってもなんか違うし そのせいで恨まれて本末転倒だし
学校のお勉強をして成績を良くしても 愛してるってことになってないし
わかんなくなってイライラしてたりすると お姉ちゃんに似てるブランを見るだけで自分が嫌いになるし
迷惑掛けたくないから、愛したいから すぐに逃げ出しちゃって失敗しちゃうし
そもそも 肝心な愛し方教わってないもん
それに...お姉ちゃんに怒られちゃうもん グレイ、お姉ちゃんのことも大好きだから
お姉ちゃんの言いつけ守りたいのにママとの約束もあるし 結局どっちも破ってどっちも失敗ばっかだし
あれ以降ママも普段に戻ってマトモに家に居ないし お姉ちゃん刑務所だし
グレイ
不安になったりした時は首を絞めるのは昔からの癖
そのせいで首元には沢山の締め跡が残ってて 誰かに見せたりとかはできないけど…仕方ないじゃん
グレイ
レグル
グレイが顔をあげると、傘をさして煙草を吸うレグルが立っている。 グレイは思わず舌打ちする
グレイ
レグル
煙草の紫煙を吐きながらレグルは告げたものの 一瞬目を逸らした後に否定の言葉を入れる
レグル
にこりと不器用ながらに笑うが、グレイの反応が悪いため 普段の無愛想な表情に戻ったあと頭をガシガシとかく
レグル
グレイの返答も待たずに レグルはグレイの横に座り煙草を床に押し付け新しい一本に火をつける
視界の外はまだ、大雨なままだ
次回…Episode11『傘を差すには』 投稿日…未定