双子

俺の家は大家族。

長男のなーくんはしっかりしてて頼りになる。

次男のさとみくんは家事もできてお母さんの代わりになってくれる。

三男のジェルくんは面白くて、いつも元気。

四男のころちゃんは頭がいい。いつも学年一位。

そして、六男のるぅとくん。

昔から体が弱い。

そのくせ頭はいいし、もてるし、可愛い。

昔からるぅとくんと比較されてきた。

どうして"双子"なのにこんなに違うのかって。

テスト勉強も頑張ったけど、

るぅとくんには叶わなかった。

いつも褒めてもらえるのは、

ご褒美を貰えるのは、

俺ではなく、るぅとくんだけ。

ｶﾞﾁｬｯ

るぅとくんと違って"出来損ない"の俺は、みんなから冷たい目で見られる。

この"団体"に、味方は居ない。

ほら、誰も返してくれない。

でもいいんだ。

学校には俺を理解してくれる大事な "彼氏"が居るから。

...もう、怒りさえ湧かないや、w

これが俺の彼氏、りねこくん。

家の事情も知ってくれてて、唯一俺を見てくれる人。

...一見不真面目に見えるけど、俺を助けるために勉強も頑張ってくれるし、辛い時はいつも寄り添ってくれる。

この何気ない時間が1番好き。

あの"団体"の事を忘れられるから。

ｼｰﾝ､

いつもの様に音がしない家。

でも今日は違う。

りねこくんが居る。

大丈夫、大丈夫。

どうしよう、

不安になってりねこくんの手を無意識に強く握ってしまう。

俺は、そのままりねこくんについて行った。