テラーノベル
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境界の近くは、今日も不安定だ。
揺れているのは空気じゃない。
心だ。
灰縁
俺は鳥居の影に立ち、内側を眺める
叶夜は、今は触らない。
よりぃも、まだいい。
灰縁
視線を向けた先に、1人の巫女
真っ直ぐで、強くて、
守ることを疑わなかった少女。
灰縁
名前を呼ぶ必要はない。
彼女の中に"問い"を落とせばいい
俺は、鳥居の中には入らない
ただ、声だけを滑り込ませる。
灰縁
風に紛れた、軽い声。
灰縁
足音が止まるのを感じた。
灰縁
沈黙
灰縁
声を少しだけ、柔らかくする
灰縁
答えは要らない。
問いは芽を出すから。
灰縁
俺はそれ以上、何も言わずに離れた。
揺らすのは、押すことじゃない。
考えされることだ。
美琴
今の、なに。
振り返っても誰も居ない。
境内はいつも通り静かだ。
美琴
そう思おうとした。
でも。
美琴
胸の奥に、さっきの言葉が残っている。
美琴
私は叶夜を守ってきた。
ずっと一緒だった。
危ないものから遠ざけてきた。
それが、間違いなわけない。
美琴
でも思い出してしまう。
あの時。
私が、鳥居の外へ行きかけた瞬間。
止めてくれたのは
叶夜だった。
美琴
私は守られた。
叶夜は私が思っているよりもずっと
美琴
口に出して、はっとする
美琴
美琴
叶夜の"安全"?
それとも__
美琴
胸がきゅっと痛む。
縁側の向こうで、 叶夜が私を呼ぶ声がした
叶夜
振り返る。
叶夜が心配そうに立っている
叶夜
美琴
そう答えたけど、
"なんでもない"わけがなかった。
叶夜は、私を見つめて言う。
叶夜
叶夜
その言葉に言葉が詰まる。
美琴
美琴
美琴
声が少し揺れた
美琴
美琴
美琴
叶夜は、少し驚いた顔をしてから ゆっくり答えた
叶夜
その言葉が胸に刺さる。
美琴
美琴
守るっていいながら
選ぶ権利を抱え込んで
美琴
私は目を伏せた
守りたい気持ちは嘘じゃない。
でも。
美琴
美琴
夜の風が、境内を抜ける。
境界は、まだ越えられていない
でも__
確かになにかが変わり始めていた。
コメント
2件
正しい答えを、選ぶって難しいよねわかる、