ガシャン……ガシャガシャン……。 深夜のリビングに そんな乾いた男が響く。
柴 ○○
ッ!
それと同時に右手に痛みが走った きっとさっき割れたガラスの破片が手に刺さったみたいだ……。
今この場には私と兄である大寿しかいない
しかも彼はとても怒っている。
柴 大寿
○○~。お前何がしてぇの?
やっぱり……。 お兄ちゃんは怖い……。
けど……これだけは譲れない。
柴 ○○
何でもするから……柚葉と八戒には暴力を振るわないで
手が……ガタガタと震え始める……。 怖くて怖くてたまらない。
柴 大寿
へぇ~何でもする……かぁ。じゃあ今日から俺の犬ってことでいいよなぁ?○○
犬か……。 言いなりってこと……。 でも……これで……二人が助かるなら それでいい。
柴 ○○
でも、一つだけ約束して……。この事は柚葉と八戒には内緒にして……。
二人が知ったら……きっと責任感じちゃうしな……。
柴 大寿
そんなこと言わねぇよ。んなことよりお前黒龍入れ
黒龍は……今お兄ちゃんがしきってる不良グループだ。
柴 ○○
うん……
まさか自分が不良デビューとはな…… 思ってもなかった。
柴 大寿
これ、特服
と……乱暴に投げ渡される真っ黒い服。 私はそれを握りしめた。
柴 大寿
……
その後……大寿はなにも言わず自室に戻っていった。 その姿を見送ってから 私も自分の部屋に戻り……
さっきもらった黒い服をベッドの上に放った
柴 ○○
これでいいの……かな。
と……ドアの前で小さくなり…… すすり泣いていた。
このときの私は知らなかった, この日が…… すべての始まりだということを。