片想いでも恋だと思いたかった

10月に入り、さくらがバイトに慣れ始めた頃、さくら、悠哉、三浦でバイトのシフトが被った時があった。

ラスト近くに3人で納品された段ボールを解体していた時に悠哉が言った。

そして3人でバイトの後に焼肉に行くことになった。

さくらが戸惑っている間に三浦と悠哉は自転車を交換して高さを変えていた。

さくらはそっと悠哉が乗っている自転車の後ろの荷台に座り荷台を掴んだ。流石に体に捕まることは出来なかった。

無事に焼肉屋に着き、さくらの隣に三浦、向かいに悠哉が座り、三人で焼肉を食べていると悠哉が言った。

そしてその日は終わり、次の日のことだった。

さくらはメッセージを返しながら頭の中でいろんなことを考えていた。

行き先が大阪、異性の友達と二人、ライブという大打撃にさくらの頭は混乱した。

今まで悠哉以外の異性の友達と二人で会ったり、ライブに行ったり、遊んだりしたことは何回もあるが、大阪という遠出のレベルにはまだ出会ったことがない。

住んでいるところは関東だ。そして大阪は関西だ。かなり長い時間を一緒に過ごすことになる。

聞きたいことがいくつかあったがそれは後で聞くことにしようと思い、次のバイトが被った時に聞くことにした。

バイトの時に話すとは言っても業務中は話せないので、話は閉店してからになる。

さくらとしては周りに大阪に行くことが知られるのもあまり良くない気がしてさくらからはその話を振れないでいた。

しかしあまりにも自然に悠哉が普通のボリュームで話を振ってきたため、さくらは相談がしやすかった。話の内容から二人で行くこともわかり、新幹線で行って夜行バスで帰ることになった。

そしてさくらの12月に大イベントの予約が入ることになった。