林檎
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※色々な状況を入れているので地雷がある方はUターンお願いします
タルタリヤ
ファデュイ執行官の会議の途中、執行官第11位、公子の声が会議室に響き渡った。
公子以外の執行官達はピクリとも動かず唯、公子を酷い目で見つめるだけだった。
公子がこれ程までに苛立っているのも無理は無い。
今回の執行官会議での題材は''璃月襲撃''だったのだ。
''神の心を手放した神''の国など制圧は簡単。
何故なら神の心を持たない神と七星を潰せば後は簡単なのだから。
それに、領地も広い為ファデュイにとって襲撃するのに最適な場所だった。
だが、公子は違った。
どうしても璃月を襲撃したくない、されたくないのだ。
それはしばらく璃月に住み続け、愛着が湧いているなどそんな容易い理由では無い。
公子にとって岩神が作った土地は手放したくても手放せれないのだ。
土地に愛着が有る訳じゃ無い。景色を好んでいる訳でも無い。
公子にとって璃月を愛する理由はとても簡単なものだった。
''最愛の人が作り上げ、愛している土地を失うだなんて考えれない''のだ。
ここでの最愛の人は勿論岩神、鍾離の事だ。
公子は鍾離と出会い、やがて恋愛感情を心に潜めていた。
その公子の恋心は実ったと言っても過言では無い状態であるからだろうか。
鍾離と距離が近くなる度に依存していたのかもしれない。
依存しているが故に鍾離と鍾離の作り上げた土地を手放せないのだ。
手放してしまうと鍾離との細い糸のような繋がりがちぎれてしまう。
それが公子は怖かったのだ。
しばらくの沈黙が続いていたが、やがて放浪者が沈黙を切り裂くようにこう言った。
散兵
タルタリヤ
散兵
散兵
散兵
案に反対した時からこう言われる事は分かっていた。
だが、いざ言われるとなるとかなり頭に来る。
タルタリヤ
タルタリヤ
タルタリヤ
タルタリヤ
散兵
散兵
タルタリヤ
散兵
散兵
そう言われ、黙ってしまう。
何故なら納得出来てしまったからだ。
俺はまだまだ弱い。そんな事はもう既に理解してるさ。
散兵
散兵
タルタリヤ
そんな捨て台詞を吐き、部屋を飛び出た。
タルタリヤ
タルタリヤ
雨とは認識していたものの、生憎傘を持っていなかった為傘をささずに歩く。
全身雨に打たれる様な感覚があったがどうでも良かった。
鍾離
知っている声が後ろから聞こえてきた。
振り向くと同時に腕を引っ張られ体を寄せられてしまう。
その瞬間、全身が雨に打たれている感覚は無くなり、変わりに鍾離先生の暖かい体温を感じる。
タルタリヤ
鍾離
鍾離
そう言われ、傘の中で長い間ハグをした。
幸い、他の人が周りにいなかった事もあり俺も鍾離先生に抱き着いた。
不幸な事の後には必ず幸せがある。 それを体感した一時だった。
鍾離
タルタリヤ
鍾離
不意にもそう言われてしまって照れてしまう。
照れ隠しのつもりか、俺は鍾離先生から顔を背けた。
タルタリヤ
鍾離
タルタリヤ
鍾離
タルタリヤ
タルタリヤ
鍾離
タルタリヤ
そう会話しながら帰路を辿る。
この人と話すと何もかもがどうでも良くなってしまう。
そんな不思議な所が俺は惹かれたのだろうか。
そう思うのであった。
鍾離先生の家に着き、体が雨に濡れていたので風呂を貸してもらった。
体を洗う所までは良かったのだが、問題はその後だった。
タルタリヤ
そう、着替えるための服が無かったのだ。
先程まで着ていた服はずぶ濡れでとても着れるような状態では無い。
少し悩んでいると、この状況を理解した鍾離先生が話しかけてきた
鍾離
そう言って鍾離先生は服を置いてリビングに戻った。
鍾離先生が置いてくれた服を着る。
俺には少し大きめの服だったが、大き過ぎる訳では無いのでそれを着た。
このフード付きの服は昔鍾離先生が着ていたものだろう。
服を着終えてリビングに向かう。鍾離先生には感謝をしてもしきれないなと思った。
鍾離
タルタリヤ
鍾離
鍾離
タルタリヤ
彼シャツと言われ、鍾離先生が俺の恋人だと言うことを再認識させられる。
再認識してしまうと少し照れ臭くなってしまう。
タルタリヤ
この男は俺を照れさせたいが為にこれを言ったのだろう。
自分がそれにまんまとかかってしまったが故に不貞腐れた気持ちになる。
鍾離
鍾離
自分の赤面を指摘され、更に顔が熱くなる。
思わず顔を両手で隠した。
隙間から見える鍾離先生はこちらに手を伸ばしていた。
鍾離
そう言われ手を退けられる。
俺の手は簡単に降ろされ、鍾離先生と目が合う。
鍾離
タルタリヤ
鍾離
そう言われ、自分の喉の乾きに気が付く。
そのまま鍾離先生は台所へ行ってしまい、リビングには俺一人となった。
ふと、今日の執行官の会議が脳裏に浮かぶ。
本当に璃月を襲撃するつもりなのだろうか。
まさか鍾離先生がファデュイに負けるだなんて思ってはいない。
思ってはいないのだが心の奥から浮かんでくる。
『もし鍾離先生が重症を負ってしまったらどうしよう』と。
そもそもファデュイが璃月を攻めて来ない可能性だってある。
攻めてきたとて鍾離先生なら簡単にファデュイを追い払う事ができるのも分かってはいる。
でも『もし何かあったら』と考えてしまう。
いっその事他の国に行き2人で暮らした方が良いのではと思う。
鍾離
タルタリヤ
鍾離先生の声で現実に引き戻される。
とりあえず貰った水を1口飲む。
無味無臭で普通の水だったが、鍾離先生から貰ったことで美味しく感じられた。
俺は鍾離先生に依存しているんだなと改めて思う。
そしてまた、依存していたら駄目だとも思う。
鍾離
そう聞かれ少し考える。
璃月襲撃の事を正直に話しても良いのだろうか。
そもそもファデュイが本当に襲撃する確証は無い訳だし誤情報を流しても良くない。
まだ黙っていた方が二人の為だ。そう思い伝えない事にする。
タルタリヤ
鍾離
嗚呼。やっぱり頼り甲斐のある人だ。
こんなに頼り甲斐があるのに何故俺は言えないのだろうか。
そう考えてしまい罪悪感か芽生える。
罪悪感からか俺は鍾離先生にこう言った。
タルタリヤ
タルタリヤ
鍾離
鍾離
鍾離
鍾離
結果は俺が思っているものと同じだった。
でも此処で『行きたい』と言われたらどれ程俺は救われただろうか。
鍾離先生と他の国に行けば鍾離先生が死ぬリスクも無い。
故に安心感が湧く。
だが、もし鍾離先生が生きていたとて、璃月と離れてしまったらそれは鍾離先生の幸せには繋がらないんじゃないか。
それも分かっていた。
タルタリヤ
タルタリヤ
鍾離
結局、昨日は本当の事を言う事ができなかった。
そのもやもやを抱えたまま朝になる。
鍾離
眠い目を擦りながら鍾離先生の方へ視線を向ける。
タルタリヤ
タルタリヤ
鍾離
タルタリヤ
そう言うと鍾離先生は黙った。
何かあったのかと思い顔を見る。
タルタリヤ
鍾離
鍾離先生は赤面して俺から目を逸らしていた。
その異様な光景に俺は驚いてしまい言葉が口から出てこなかった。
そういえば鍾離先生の赤面なんて見た事が無かった。中々に新鮮なものだった。
少し可愛いと思ってしまう。鍾離先生はいつもこんな気持ちだったのかと理解した。
タルタリヤ
タルタリヤ
鍾離
それからしばらく俺は鍾離先生をからかった。
たまには俺だってからかっても良いだろう。
後に倍になって帰ってきそうだったが気にしない事にする。
鍾離
タルタリヤ
鍾離
タルタリヤ
鍾離
タルタリヤ
朝食を食べ終え、軽く雑談をしていた。
鍾離先生の心の中は相変わらず分からないが、それでも会話を辞められない。
こういう所が好きになったのだろうなと再度思った。
ドカーン…ガタガタガタガタ…
刹那、地面が揺れる。
地震だ。それもかなり大きな。
すぐさま近くにあったものを掴み、地震が収まるのを待つ。
幸い、揺れは直ぐに収まった。
にしても今の地震、少し違和感があった。
揺れの前に聞こえた大きな音。
何か大きいものが下に落ちたかの様な音だった。
鍾離
地震が収まるや否や鍾離先生に声をかけられる。
タルタリヤ
鍾離
鍾離
流石は岩神と言った所か。
地理に詳しいが故に異変にもすぐ気がついたのだろう。
タルタリヤ
鍾離
鍾離
この辺りで小さな島で浮かんでいるものは1つしか思い当たらないだろう。
タルタリヤ
鍾離
鍾離
俺と鍾離先生は群玉閣の方向へ急いで向かった。
向かっている途中、俺は嫌な予感がした。
群玉閣が勝手に落ちる事などほぼ無いに等しい。
なら誰かが手を下した可能性がある。
このタイミングから考えれる群玉閣を襲ったのは。
ファデュイ。それしか考えられなかった。
いくら何でも計画を実行するのは早すぎる。
味方を増やしたか。それも強力な。
味方を増やされたら不味い。数で攻められたら勝てるかどうかだ。
そう考えている内に群玉閣が見えてきた。
タルタリヤ
案の定群玉閣は地に落ちており、人集りができていた。
人混みをかけ分け、群玉閣を目視する。
群玉閣が落ちているそばには甘雨と凝光がいた。
甘雨の方は無傷に見える。
だが甘雨に抱き上げられた凝光はかなりの傷を負っていた。
鍾離
甘雨
甘雨
鍾離
凝光
鍾離
凝光
それを聞いた瞬間、心臓の鼓動が早くなった。
まさかこんなに早かったとは思っていなかった。
タルタリヤ
鍾離
言わなければ。
本当の事を。
タルタリヤ
鍾離
タルタリヤ
鍾離先生だけに聞こえるような小さい声で呟くように言う。
ファデュイが攻めてきた。それが俺にとって絶望でしか無かった。
璃月が傷ついてしまう。この美しい璃月が。
そんな事は嫌だ。そう思うのは俺だけじゃない筈だ。
とりあえず、俺は自分の出来る事を全うする。
タルタリヤ
タルタリヤ
タルタリヤ
タルタリヤ
鍾離
鍾離
鍾離
甘雨
鍾離
タルタリヤ
俺は鍾離先生に着いて行き、璃月港へと向かった。
鍾離先生は璃月に七星を集め、指示を出した。
天枢、開陽、天璇は人民誘導。
俺の情報を元にファデュイが攻めてくる経路を考える。
大型の船でモンドへと逃げれば住民は助かる筈だ。
俺と鍾離先生、刻晴と後から来た甘雨、魈等の神の目を持つ物はファデュイと戦闘となった。
こちらも少ないが数は足りるはずだ。
いざとなったら俺は邪眼を使う。
その覚悟で闘うつもりだ。
さぁ来い、ファデュイ。
俺は侮辱された事をまだ許してはいないぞ。
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コメント
3件
彼シャツのまま戦う、、😂😂😂 新しい
神すぎひんか?!