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睦月
私は家に入ると、ぽーい、とカバンを放り投げた。
今日はいろんなことがありすぎた。頭パンクしそう。
母
母
睦月
睦月
母
母が微笑むのを確認し、私も笑う。
母
睦月
手を洗ってうがいをする。
このご時世、こういうとこはちゃんとしないと生きていけない。
そういえば前の学校で、
好きな人に、ソーシャルディスタンス保ってくださーい、バイ菌つく〜、なんて言ってる男子いたな。
案の定彼は振られた。なんせ小学生並みの言動ですからね。
私は2階にあがって、部屋着に着替えた。
さぁ、整理しよう、今日のこと。
知らないふりをするだけであって、私にだって好奇心はある。
…まぁ正直言ってめっっっちゃ楽しい。面倒臭いとかいってごめん!!超楽しい!!!
私は新しい5mm方眼のノートを出し、開いた。
1ページ目に、3人の名前を書く。
まず確定なのが、
一ノ瀬→♡→皐月
だよな。あの顔は絶対そう。私の勘が言っている。女の勘ってやつよ(?)
さぁ次。
皐月→♡→南
これは怪しい。なんとも怪しい。
でも皐月と一ノ瀬君の言動からして、そうじゃないかなー、とは思っている。
…これはまだ分からないから、横に?をつけておいた。
問題なのが、南君がどう思ってるか、なんだよなぁ。
私はペン回しをしながら、天井を見上げた。
一ノ瀬君のことは…友達、だろうな、多分。
皐月は…わっかんない。でもやっぱ他の女子より特別な感じはするよな。
睦月
わからない。
考えても仕方ないので、私はノートを閉じた。
そのノートには『3人の観察日記』と名付けた。
…我ながらネーミングセンスないな。安直すぎるか、まぁいいか。
そしてそのノートを、カバンの中にしまった。
これからどうなるか、見物だな。
そう呟いて、目を閉じる。
みんな美男美女なんだよな。絵になるんだよな。
皐月が本当の気持ち(仮)に気づいて、一ノ瀬君とくっつくか。
それともそのまま(?)、南君とくっつくか。
…シリーズ描けそうなぐらい、少女漫画少女漫画してる。
まぁ取り敢えず、今後とも私は
友人Kとして3人を見守っていこうと、心に決めた。
母
睦月
下から母の声が聞こえてきたので、返事をした。
トン、トンとリズムを刻みながら、階段を降りる。
今までのどこの学校の時より、楽しいかもしれない。
なんて、考えながら。